あの頃GANTZファンだった君へ。GANTZ:Eを読めッ!原作で活躍したあのキャラが19年越しの再登場!

『GANTZ:E』ッてなンだッ!?

2020年1月9日発売の「週刊ヤングジャンプ」6・7合併号にて「奥浩哉原作 時代劇新連載(作画:花月仁)が開始された。
奥浩哉先生と言えば、アニメ化・実写化も記憶に新しい『いぬやしき』や、当時連載中だった『GIGANT』で知られている漫画家だが、『いぬやしき』同様、アニメ化・実写化の他、多くのスピンオフ作品や人気エピソードのアニメ映画化などが話題となり、多くの根強いファンを持つ『GANTZ』が代表作だろう。

私(ガトリングチワワ)も2013年に連載が終わってからも『GANTZ』のことを忘れたことはなく、先述のアニメ映画『GANTZ:O』も、昨年完結した『GIGANT』も楽しんでいた奥先生作品のファンの一人であり、原作担当として新連載が始まることに胸が踊った。
詳細・タイトルが伏せられた状態だったため、途中までは新鮮な気持ちで読み進めていたが、SNS等でも話題になったように最終ページで度肝を抜かれた。

集英社 GANTZ:E 1より
雑誌掲載時にはここでタイトルが初めて表示された。

俺たちが20年近く見続けたあの黒い球体が登場し、作品タイトルが明かされるというインパクト大の非常にユニークなプロモーションが仕掛けられ、GANTZファン内外で話題となった作品だ。

現在では「江戸時代+GANTZ」の『GANTZ:E』として概要が明かされた状態で単行本が4巻まで発売されており、1巻に収録された1話~8話はヤンジャンアプリにて無料で読めるため、まだ読んでない人はぜひ読んでみてほしい。
江戸時代という舞台にふさわしい、足軽のような姿の烏や宮本武蔵といった星人との闘いが描かれる『GANTZ:E』では、江戸時代+SFの世界観や、剣術の心得があり初期から強い主人公などGANTZ本編とは異なる新鮮な点があり、本編と切り離しても楽しめる作品となっているが、つい先日(7/19)発売された4巻で描かれた内容がGANTZファンが10年以上妄想し続けたようなものだったため「GANTZは好きだったけどGANTZ:Eはまだ読んでないな〜」という諸兄姉に興味を持って欲しい。という理屈なわけだす。

※GANTZ:E4巻の内容を説明する都合上、3巻までの内容にも触れます。ネタバレ厳禁な方は、まず無料で読める分は読んでみることを推奨します。毎日回復するチケットを使えば2巻までは無料で読めます。

ヤンジャン!(GANTZ:E)
https://ynjn.jp/app/title/1077

あの強敵の再登場。

注:ここから先はGANTZ、並びにGANTZ:Eのネタバレを含むため、意識の外からの攻撃に弱い方は注意してください。今すぐGANTZ全巻をよんでくだちい。

GANTZ:E最初のミッションである「宮本武蔵編」終盤(2巻~3巻)にて大量のハードスーツ集団が現れ、主人公らが苦戦した星人を蹂躙するという展開が描かれた。

集英社 GANTZ:E 2より

ハードスーツと言えばGANTZの名エピソードであり、単独映画化もされた「大阪編」における大阪最強の男「岡八郎」を思い出す方が多いだろう。
ガンツのミッションで3回100点を獲得することで入手できる強化装備のハードスーツ。原作では着用者は少なくファンの間では「岡スーツ」と呼ばれている(正式名称は後のカタストロフィ編で発覚)。
終盤はスーツの耐久を無視した強力な攻撃を繰り出す星人が多く、どことなく重そうなイメージのハードスーツはむしろ損なのでは?といった意見も多かったが、『GANTZ:O』にて非常に機動性が高く俊敏な岡八郎が描かれた。学生時代のピンポンの経験を生かし戦う岡の姿は必見だ。

©2016奥浩哉/集英社・「GANTZ:O」製作委員会

そして、GANTZ:Eでは、手からレーザーを照射したり、巨大なロボットを操縦したりと強力な性能を持つハードスーツ着用者が最初のミッションから大量に存在するという衝撃展開が描かれた後、何星人と戦うことになるのかもわからないままに次のミッションが開始される。
2回目のミッションで転送された先は、原作6巻〜8巻で描かれる「あばれんぼう星人・おこりんぼう星人編」を彷彿とさせる寺で、原作同様仏像との闘いが描かれる。

GANTZにおける「仏像」と言えば、多くの方が思い出すのが「千手観音」だろう。
主人公である玄野以外全滅という状態になった、原作において非常に強力な星人で、玄野がその後成長するにあたって重要な意味を持つミッションだった。
また、アニメ版GANTZのラストはアニメオリジナルの「玄野星人編」が描かれるが、原作に沿った内容としてはこの千手観音が実質的にラスボスとなっている。

©2004 奥浩哉/集英社 GANTZ Partner

ガンツのミッションでは先述のハードスーツ以外にも、通常の武器よりも強力な「Zガン」といったクリア特典武器の他、初期のミッションでは発見されずに使用されなかった「ガンツソード」や「ガンツバイク」といった武器が存在する。
「千手観音」はガンツチームを壊滅させるほどの強力な敵であり、劇中でもトップクラスの絶望を感じさせたが「初期の頃はチームの装備が弱く、戦い慣れていないだけで千手は終盤の星人よりは弱いのでは?」といった疑問もあり、ファンの間では未だに議論が続くトピックの一つである。

集英社 GANTZ:E 4より

そして、GANTZ:E4巻にて仏像との戦いが激化する中、ついに千手観音が再登場を果たした。
GANTZ8巻が2003年発売なので約19年ぶりの再登場と言える。
ハードスーツ着用者がガンツバイクやZガンを装備し、千手観音と戦うという、ファンの妄想を具現化したような戦いが原作の連載終了から約10年後の今描かれたことにテンションが上がらずにはいられない。

原作で非常に存在感が強く、恐怖と絶望をもたらした千手観音には強くあって欲しい…弱い星人ではないんだ…というファン(おれ)の思いに呼応するかのようにハードスーツ組をなぎ倒していく千手観音の姿に「やッぱ千手は強かッたンだッ!!!!」と一人盛り上がってしまった。

また、原作での「岡」のように江戸時代にも最強の男「雷蔵」がおり、千手観音との激戦を繰り広げている。
最新4巻でそのような見所が描かれたGANTZ:Eは当時GANTZに熱中したファンにぜひ読んでいただきたい内容となっている。読めッ…!

今後のGANTZ:E

原作36巻にて、ガンツの球体や兵器は異星人から発信された軍事技術の信号を基にマイエルバッハという企業が製造しているものだということが明らかになり、同時にその技術を提供した異星人から「30年以上前から異星人が地球に移住している」という事実が明らかになる。

上記の内容が明かされる原作終盤を読んだ方はピンとくると思うが、そもそも、江戸時代にガンツの球体が存在することは原作の設定と矛盾している。
また、昔のテレビ番組に出ていたロボットの名前を誰かが昔この球につけたらしい」とする「ガンツ」の名前の由来から考えても黒い球体が江戸時代に「ガンツ(牙武偸)」と呼ばれていることもおかしい。
そうした原作との矛盾も恐らく意図的なものではないかと思われ、「過去の話(江戸時代)」というミスリーディングを利用して本編の内容を補完するような内容が今後描かれるのではないかと予想している。

本編の過去ではない別な世界の話か、タイムマシーン的な何かによって未来から過去にガンツが送られた、はたまたGANTZ世界における創作話(時代劇的な)なのか…等、様々な想像の余地がある。ガンツっていい加減な奴だからな。

GANTZのスピンオフ漫画作品は過去にも 『GANTZ:G』があり、そちらは3巻で完結した。
既にGANTZ:Gを超える長さとなったGANTZ:Eは今後どういった展開となるのか、また、前述の内容が明かされると同時に、過去の星人の再登場などGANTZファンが盛り上がるような内容が描かれるのか、そして千手観音とはどう決着をつけるのか期待が高まる…!

あの頃GANTZファンだった君へ。GANTZ:Eを読めッ!

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