どうもゲル山ゲル子です!
一区切りとなる6部のアニメもやった『ジョジョの奇妙な冒険』
ゲル子は凄い好きで、単行本を文庫版、JOJOnium版合わせて3種類ずつ所持しているぐらいには好きです。
今更ジョジョの魅力を語る必要も無いと思うので、今回はジョジョの元ネタになってる映画の話でもしようと思います。結構有名なものも多いんですが、実はこれも元ネタなのでは?というのまで沢山あるよね。
荒木先生は凄い映画好きというのは、ご自身が出されてる映画に関する本が何冊も出ているのでそれがわかりやすいかも!
ただ、これで「荒木先生はオマージュで繋いでる!」なんて言うつもりが無いです。というより、実際に元ネタの映画を観てみると「単なるオマージュではなくジョジョという作品に昇華している」と言うのがよくわかる。
この辺は本当に素晴らしいので、もし興味が出たら是非映画の方も観てみてください!
あ!あと今回は3部縛りにします。
全体にしちゃうと果てしないのと、3部は敵側に映画の元ネタが多くて楽しいからです!それにオマージュした映画が雑誌掲載時と近いモノが多かったりして時代も感じられてとっても良い…。
あと、あくまで「元ネタかも」です!公式で名言されているわけでもないので。
早速だけど元ネタが不確定な奴ら
めちゃめちゃ息巻いた割に序盤の敵は元ネタが分かりにくい。
味方になる「ハイエロファントグリーン」「シルバーチャリオッツ」は元ネタ自体は無さそうだし「タワーオブグレー」なんかもあまり思い当たる作品はありませんでした。
また、映画以外の元ネタのスタンドも省きます!(小説、ドラマなど)
更には描写だけのオマージュも省きます!実はそのぐらいオマージュ自体が多くて、本当にキリがないんです…。
描写のオマージュってのは例えば「ペットショップが血を舐めるのが燃えよドラゴン」とか「アレッシーがドアを斧で割るあたりはシャイニング」みたいなのです。
後半のスタンドは元ネタ自体になっているというより描写だけのオマージュが増えていったので、いつかそちらも全部紹介したいですね。
3部以外にも沢山あるのでスゴイ長くなりそうだけど…。
スタンド名:ストレングス 本体:フォーエバー
ということでここから分かりやすい元ネタになっていきます!有名なので結構知ってるかも?
エッチなオラウータンが本体で、巨大な貨物船自体がスタンドと言うスケールが大きい敵ですね。これは珍しく本体とスタンド両方に元ネタっぽい映画があります。
まずはスタンドは有名ですが『ゴースト/血のシャワー(1980)』
豪華客船の前に突然現れた不気味な船、まるで意思を持ったように動き続ける…。と言う感じで結構あらすじまんまなんですよね。しかも随所にそれらしいシーンもあったりして(船の装備が偶然のように人に当たったりする)凄い分かりやすい!
ちなみにリメイク版で「ゴーストシップ」と言う作品があるんですが、ゲル子はリメイク版の方が実は好き…。よく話題に上がる冒頭のワイヤーシーンも素晴らしいけど、個人的には終盤が美しい感じで好きなんだよね。頭の中に残る映像が沢山ある作品。
それで本体のオラウータンの元ネタは『リンク(1986)』
オラウータンじゃなくてチンパンジーだけどね。
大学生の女の子がアルバイトで教授の家に行ったら凄い賢い猿のリンクが出迎える。でも、教授は消えてしまうしお風呂を覗いてくるし…。
フォーエバーもやっていたお風呂覗き!
変な言い方ですがお猿さんは「生」なんですよ。それが凄い!CGが嫌いとかではなく、この動物タレントの演技が凄いうえに妙に生々しくて本当に凄い嫌なの…。やっぱり生の嫌さって存在する。
動物特有の感情も歯もむき出しの顔をしたかと思えば、どこかとぼけたような感情の読めない顔もしてくる。人間以上に感情が分かる瞬間も、感情が分からない瞬間もあるのが嫌さを増してるのかな~。
ちなみに葉巻を吸うシーンもある。
スタンド名:エボニーデビル 本体:呪いのデーボ
味方になったポルナレフが初めて一人で敵スタンドと戦う回。
この回、どこが好き?と言われるとお互いスタンド名を叫ぶ所なんだよね。「シルバー…(ヒュンヒュン)チャリオッツ!」で初手を制するポルナレフとシルバーチャリオッツのカッコよさ!
デーボの意図であったとしてもこの余裕ある感じと騎士としての佇まい。修行して研鑽された強者感があって、名乗りがそのまま攻撃になってるのも印象に残るからここが一番好きなシーン。
そんな開幕串刺しにされたデーボ操るエボニーデビルの元ネタは『恐怖と戦慄の美女』
『チャイルド・プレイ』のベースになったと言われているオムニバス映画で、よくエボニーデビルの元ネタはチャイルド・プレイじゃないかと言われるけど、内容観てるとこっちでは?
理由としては、全体的な流れがそっくり!ベッドの下を探したりするシーンもあってシーン単位で似ているので是非一度見て欲しい。あと、槍を持ってる!歯もギザギザ!
チャイルドプレイが元ネタじゃなくて、こちらが元ネタなんじゃないかと言う理由にはもう一つあって、それは時期。3部は89年の春に始まって、このエボニーデビルの回は8月14日発売の35号発売です。
チャイルドプレイの日本公開は1989年5月20日から。VHSの発売は1989年の12月とエボニーデビル戦より遥かに後。
勿論映画を公開直ぐに観に行き、脳内で細かく記憶して翌月ぐらいにはネームにして8月に掲載されたという事もあるかもしれませんが。その点、恐怖と戦慄の美女は劇場公開こそ無いものの、チャイルドプレイ公開翌日の1989年5月21日にVHSがリリースしているので十分に可能性として高い気がするんだよね。
肝心の内容なんですけど、実はVHSの販売自体は89年なんだけどこの映画自体は75年製作なうえにテレビムービー(劇場用ではない)なので正直そんなに…。
オムニバスなんだけど、この人形が出てくる話以外がそんなに面白く感じないのでゲル子的にはおススメしないです。ただ、この人形の話はジョジョファン的にもホラーファン的にも観ても良いと思う。現状観る手段が怪しいDVD(色々と怪しいメーカーで、ブートの前科があるのでブート品の可能性アリ)ぐらいしかないのでその辺はお任せします!
スタンド名:イエローテンパランス 本体:ラバーソール
これはめっちゃ有名ですね!
ドロドロのアメーバ状の粘菌に溶かされたりする『ブロブ/宇宙からの不明物体(88)』
ホラー映画好きならだれでも知ってるSF不定形ホラーの傑作!
この映画自体はリメイク作品で、1作目は「マックイーンの絶対の危機(58)」という作品で続編も作られている。
つまり、実質的には同じテーマの3作品目なんですが個人的にも世間評価的にもこの88年のブロブが最高!
イエローテンパランスは自分の事を「弱点はない!」と豪語していたけど、ブロブもその通りで普通考えられるような弱点は存在していません。
当然、イエローテンパランスにも実際は弱点が存在していたように、ブロブにも弱点はある!
ブロブ自体の弱点は映画を是非観て確かめてみてください!
ブロブ怖いんだよね、偽花京院がでかくなった以上にドンドン大きくなるし…
この作品が名作として今でも伝えられている理由は沢山あるんですけど、まずはその特撮の凄さ!
アメーバの描写は勿論、人体損壊描写がすさまじくてこの年代付近の作品の中でも飛びぬけて良い!今回の記事でVFXをダメってとられる発言が多いけど、兎に角この時代の特撮は「これを実現するためにこうしよう」という創意工夫…アイディアと気合が凄まじい。
しかし、これが名作なのは特撮一辺倒ではない点も評価されていて、脚本、アクション、画…どれをとっても素晴らしい出来。
まだ未見の人がいたら是非観てほしいかも。
ゲル子のお気に入りシーンは…あんまいうとネタバレになっちゃうけど雪のシーン。ここまで見てください。
スタンド名:エンプレス 本体:ネーナ
チュミミ~ン!
2部(特にジョセフ)大好きなゲル子にとって3部のジョセフはコメディリリーフ的な役割になっていて、ポルナレフ加入からはそれすらも無く「あの相手を掌の上で転がしてるようなジョセフが見たいなぁ」と思っていたのでこのエンプレス戦は大好きです。
そんなエンプレスの元ネタは『バスケットケース』
これは正直元ネタとしてはほぼ間違いないです。
まず、荒木飛呂彦先生がこの映画の大ファンであり、Blu-ray発売時にコメントを寄せています。
ただ、今までの作品よりもオマージュ感はあんまり無いかも。
エンプレスを引き離したいジョセフに対して、バスケットケースは切り離されたシャム双生児の兄弟の兄弟愛のお話。
ゲル子も大好きな映画の一つなんだけど、兄弟ゆえの愛や嫉妬が垣間見えるのが本当に良い。
当時からしてもかなりチープな出来なんだけど、今でも愛され評価されている映画なのは間違いなくて、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に永久コレクションとして収蔵されている。
つまり、この作品は芸術として評価されたってこと!?
いや、好きだけど芸術的かというとまた違う気もするんだけど…。
でも間違いなくカルト人気があるというのは普通のエンタメ作品以上の何かがこの作品にはあるということです。
古いうえにカルト作品のわりにBlu-rayも国内で出てるし、レンタルだけどアマプラにあったりU-NEXTでも観れるのでおすすめ!
スタンド名:ホウィール・オブ・フォーチュン 本体:ズィー・ズィー
承太郎の相撲好きという意外な趣味(?)が判明する回でしたね。
車の姿をしたスタンドで、決着をつけるまで本体の姿も表せない不気味な回。
当然このスタンドにも元ネタが存在します!しかも二つ!
一つは『激突!』
追い抜いた正体不明のトラックに追い掛け回されるスリラー。
そう、このスタンドとこの回はほぼ内容という点で言えば『激突!』まんまなんです!
今回紹介する中で一番オマージュの色が濃い話で、これに関しては映画を観たら「まんまじゃん!」と思わず声出ちゃうはず。
監督したのは若き無名時代のスティーブン・スピルバーグで、長編映画では2本目で世間にその名が轟く前。しかもこれはテレビ映画で、劇場作品は未経験。
この作品本当にまんますぎて、どこから言えばいいのか…
まず、前述したとおり大筋はそのまんまで、それ以外で言うとカフェに入り犯人を捜すフェイズがあるというのも実はそのまんまある。
漫画の中ではその筋肉隆々の腕を探していましたが、映画の方では唯一見えた靴を手掛かりに探します。
しかも、カフェの中で取っ組み合いの喧嘩をはじめて大暴れしてる間にトラックが発進するところまでまんま!
そのあとの展開も驚くぐらい同じ…
荒木先生!いくらなんでもまんますぎるって!
そして、車が変形してからは『クリスティーン』でしょう。
まるで生き物のように形を変える姿が映画の中でも出てきます。
先ほどの『激突!』は1973年に日本国内で劇場上映されましたが、こちらの映画は1984年と10年ほど経った後に日本国内上映されています。連載の5年前なので最新を取り入れたという感じではないのですが、名作スリラーと名作ホラーを組み合わせたというのはなかなか大胆というか、映画好き爆発っていう感じがしてスゴイ好きです。
ちなみに『ザ・カー』という作品が元ネタかもしれないんですが、車が変形するあたりでクリスティーンにしました。
スタンド名:ジャスティス 本体:エンヤ婆
霧で幻覚を見せたり、死体を操ったり…
街全体を構築するぐらいの規模の大きさはジョジョのスタンドの中でもトップクラス。
そんな強大な敵を相手にしているのに、ポルナレフの便器なめなめやQ太郎とかヘンテコな部分も沢山あっていいですよね。
スタンドの元ネタは『クリスティーン』と同じジョン・カーペンター監督の『ザ・フォッグ』
漫画では霧状のスタンドを使って死体を操る、一種のゾンビのようなものでしたがこの映画では復讐のために現れた亡霊です。
ただ、殺された住人が操られ動き出すシーンがあるので、こちらを元ネタにしたという感じなんですかね?
実はゲル子大分前に見たきりなので細かい部分はあんまり語れないんですが、オマージュとしてもそこまで強くなかった気がする。
いや、霧の中+死体が操られるだけで十分強いかも!
なんかホウィール・オブ・フォーチュンが「コミカライズじゃない?」ってぐらい強かったから感覚バグってる!
スタンド名:ラバーズ 本体:鋼入りのダン
初登場時の喋り方が妙に紳士的なのに、数ページで調子のった感じになる本体スティーリー・ダンが大好き。
でも、ラバーズはなんかキモいし地味に怖いし嫌い。だって病気の視覚化じゃん…
元ネタは『ミクロの決死圏』なんですが、実はゲル子この映画恥ずかしながら見たことないんです…。
今回の元ネタ系の中で唯一観てないんですけど、理由としては60年代の映画ということであんまり触れる機会が無かったんですよね。なので、今回は日本のDVDあらすじ引用を置いておきます。
脳内出血の重症を負った科学者の命を救うため、想像もつかない治療法が試みられる。外科手術不可能と診断されたその患部に、手術担当員を細菌大に縮小して送りこみ、体の内側から手術しようというのだ。制限時間は1時間、果たして作戦は成功するのか?
スタンド名:デス13 本体:マニッシュ・ボーイ
ラリホー!
このデス13戦は花京院が気の毒過ぎて可哀そうだよね。
機転を利かせたのに、信頼されるべき仲間たちから「気がどうかしたんじゃないか?」って扱いになるのは悲しすぎる…。
このデス13の元ネタは『エルム街の悪夢』
この話が掲載されたのは週刊少年ジャンプ1990年20号、4月30日発売のものになります。約1ヶ月後には『エルム街の悪夢5 ザ・ドリームチャイルド』が公開を控えてるタイムリーな時期でした。
なので、逆を言えば4までは公開された状態で、1作目以降はどんどんふざけた描写が増えていっていきました。でも、逆にそれが夢の理不尽さの描写としては個人的にはめっちゃアリです!
殺した頭ピザとか、ゴキブリになってゴキブリホイホイされたりとか、この頃のフレディはなんだかノリにノッていて、かつ嫌なシーンもあったりして大好きです。
かつ、デス13の色んなものが歪められた夢のイメージはこの辺に近いものを感じられるんですよね。だから、エルム街の1作目というよりは3、4ぐらいを元にしてるのかな?という感じです。
今(2023年11月現在)U-NEXTにもほぼ全作あったりするので、是非この機会に!
まだまだあるけど
これ以降のエジプト9栄神は映画元ネタの能力は減ってきて、しいて言えばゲブ神全体のお話が『トレマーズ』なんだけど、スタンド能力自体はかなりアレンジしてるし音に反応してるのはンドゥールなので「スタンド自体が映画オマージュじゃないので紹介しなくていいか」といった感じです。
スタンド能力自体が元ネタというのはこれ以降結構減っていくんですが、描写としてはめっちゃ多いうえに結構当時はフレッシュなネタを使ってることもあって、荒木先生の足跡としても楽しめるのでこうやって作品の外から追いかけるのおすすめです!
それはともかくジョジョランズ滅茶滅茶面白いので読もう!
ジョジョの奇妙な冒険公式サイト:https://jojo-portal.com/
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