8番出口映画化やったぜ! 小説版はどんなのか読んでみよう!

ナ月

 祝!! あの8番出口が実写映画化!! やったー!!!!

 原作は近年スーパー大ヒットしたゲームなので多分みんなもう知っていると思うけど原作「8番出口」について先に簡単に紹介しておこう。

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「8番出口」はKOTAKE CREATEさんによるインディーゲーム。一人称視点のウォーキングシミュレーター(要するに歩くだけのゲーム)で、無限に続く駅構内の通路のような空間で「間違い探し」をしながら脱出するのがプレイヤーの目的になる。
 無限にループしている通路に「異変」があれば引き返す。何も「異変」がなければ進む。間違えると振り出しに戻される。
 それだけのシンプルなゲームだが、その誰でも遊べるシンプルなゲーム性から配信者を中心に話題を呼び大ヒットゲームとなった。写実的に作り込まれた地下通路と、そのリアルな舞台に「異変」が現れた時のなんとも言えない不気味さがめちゃめちゃ魅力のゲーム。
 めちゃめちゃ安価で様々なハードで遊べる上にVR版までリリースされているのでぜひ遊んでみてほしい。配信で全部異変見ちゃったよって人も自分で遊ぶと全然わからなかったりするぞ!

 そしてその「8番出口」の実写映画が2025年8月29日に公開される。主演はあの二宮和也、監督は「君の名は。」「天気の子」「来る」「怪物」などのプロデュースを務めた川村元気。すごい。
 第78回カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門に招待されるなどしてすでに注目を集めまくっている。らしい。(ミッドナイト・スクリーニング部門って何だと思って調べたらなんか深夜に上映される良い感じの枠らしい。トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦とかもこの枠)
 CUBEみたいなソリッドシチュエーションスリラーの新たな名作になるのではないかと期待している。

 そして、その実写映画「8番出口」のノベライズ版「小説 8番出口」がすでに発売されている。やっと本題。

 実写映画はまだわかる。8番出口、さぞ映像映えすることだろう。でも小説で8番出口!? 8番出口の小説って何!? どう表現するの!? とあまりにも気になったので、買って読んでみた。

注意:物語の肝心なところのネタバレはしないけど、ちょっとはネタバレがある!! 本当にちょっとだけだけど、ある!!

 ちょっとでもネタバレがイヤならば、すぐに引き返すこと
 気にしないならば、引き返さないこと

 表紙。監督を務めた川村元気さんがそのままノベライズを担当している。二重カバーになっていて、この下にシンプルなデザインのカバーが隠れているのでお好みの方を選べるようになっている。ありがたい。買ってめくろう。

 価格が「888円」になっている。洒落ている価格設定だ。

川村元気 小説 8番出口 水鈴社 P3より

 開くなりこんな注意書きがある。洒落ている。つまり映画はほとんどこの小説と同じ内容なのだろう。多分。

 読み終わった感想としてはまず「8番出口の小説だ……」と思った。バカみたいな感想だがそう思ってしまったものは仕方がない。
 通路があり、おじさんがいて、たまに異変がある。頑張って異変を探して先に進む。8番出口をプレイしている感覚というよりは8番出口を実況配信している人のプレイを見守っている感覚に近い。
 かなりサクッと読めた。なんというか、淡々としていて薄味な本だ。悪い意味ではなく、原作ゲームの雰囲気が出ているな〜と感じた。軽い気持ちで手にとって軽い気持ちで読み終えられる本だ。ホラー具合も原作程度の「なんか、不気味」くらいなので「怖いのは絶対嫌!」という人もまあ大丈夫だと思う。人がちぎれたりするタイプのホラーではない。

 物語としては、お馴染みの8番出口に迷い込んでしまった主人公がほとんどゲームのまま間違い探しを頑張りながら8番出口を目指すという内容。
 コインロッカーや証明写真機など、原作の通路にはないオブジェクトが増えていたり本作(本作というか多分映画版)オリジナルの異変なんかもあって楽しい。
 主人公の他に迷い込んでしまった人が出てきたり、あくまでも映画版での設定だが「あの通路ってそもそもなんなの」「あのおじさんなんなの?」というところまで語られているのが嬉しい。
 また主人公の、異変や通路に対する感情の動きが原作をプレイした人なら「わかる〜」となるのも嬉しいポイントだった。特に最終的なおじさんに対しての気持ちが「わかる〜」と思えた。

 物語の味付け程度に、主人公はどういう人で今どういう悩みがあるんですよというのも語られる。これが過多だと「いらね〜」と思うところだが、味付け程度に抑えられているのは良かった。これを8番出口原作の「進むか戻るか、自分で悩んで選ぶ」という要素を「人生って選ぶことだよね」というところに繋げていて「そうだよね〜」と思えた。

 あと紙ならではの工夫がちょいちょい見られるのでそれは小説版ならではの体験かもしれない。意味ありげに文字の色が変わっていたりする。

 きっと映画版は映画ならではの方法で新しい8番出口を見せてくれるだろう。それまで原作で遊んだりして待とう。

 小説に関してはみんなは映画を先にするか小説を先にするか悩んでから手に取ろう!

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映画8番出口HP:https://exit8-movie.toho.co.jp/

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