今の週刊少年ジャンプにおけるギャグマンガ枠と言えば、何を思い浮かべるだろうか?
『SKET DANCE』の篠原健太先生による魔女見習いと鬼の力を持つ少年のドタバタモノと見せかけてキレのあるギャグ回を連発しまくる『ウィッチウォッチ』
読み切りから僅か20週で連載になった『磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜』連載終了から3年、正直磯部磯兵衛はコンセプト特化の漫画で非常に面白かった。
でも、その分段々マンネリ化してきたので心配だったが、その空気を安定感に昇華してきて作者自身の腕が上がったと思わせた作品『高校生家族』
そして、もう一つはアニメ化もしてグッズ展開もエグいぐらいやっているパロディが中心である『僕とロボコ』
ジャンプは時期によってジャンルが重複する場合があり、その中でもギャグ漫画が3本同時連載は結構多いかもしれない。
だがこれが不思議な事に3本とも系統が全く異なる為、雑誌の中で上手く共存しているので非常にバランスが取れていると言える。
そんなジャンプのギャグ三柱の一角である『僕とロボコ』に出てくるファミチキ先輩を皆は知ってるだろうか?
ファミマに足を運ぶ方なら知ってるとは思うのだが、ファミチキの…公式キャラ????
実は編集部も詳しくは知らない。
それも仕方なくてファミチキ先輩自体は2017年に誕生したキャラで2018年ぐらいまでは活発にTwitterも活動していたのだが段々活動自体はゆっくりになっていき、表立ってイベントとかはあまりやらなくなった。
Twitterのプロフィールには「2年以内に店長で10年以内にファミマの社長になる」と書いてあり、実は結構バックボーン自体が多いキャラクターなのだ。
特にそれを扱ったのがファミチキ先輩のドキュメンタリー!
このファミチキ先輩のドキュメンタリーが実に素晴らしい。
まず、何が素晴らしいってこのキャラが狂気じみてるのではなくて、その空気感のリアルさが狂気じみているのが良いんですよね。
とにかく「少し変わった身体的特徴を持った人間に密着取材をしている」というのを笑い無くどこまでも真剣にやっているのだ。
例えばこの理髪店では髪を切るというようなごっこではなく、ペッパーをかけてもらうのだ。
でもその内容と言うよりもやはりディティールの細かさが良くて、理髪店のおばちゃんにインタビューして「ありがたいですよね。(他に)ペッパーかける人いないんでねぇ」という「地域密着的ないかにもテレビが求めて拾いそうなコメント~~~~」というのが非常に良いラインだ。
他にはこの古着屋のシーンとか、古着を買うだけならまだ普通というかありそうなのだがオシャレに気を遣ってる補足として「ストリートスナップに撮られた事がある」という芸の細かさ。
ありそう~~~~~~~~~~~~~!!!
そして、当時インターネットで一番「狂気」を感じさせたのがこの「頭をむしって母親に夕飯の食材として差し出す」というヤバすぎるアンパンマンみたいなシーン。
ここも、自分の持ってるものを家族が使うから「しょーがないなぁ」と渡す感じが出てるのがまた良いですよね。
こんな狂気を上手い事内包しながらも、この5分間を笑いだけに転ばないのは素晴らしいだろう。
ようやく本題に入るが、なんとこのファミチキ先輩が「僕とロボコ」に二回目の出演を果たし、しかもどちらかと言えばファミチキ先輩メインの話という尖りに尖った回をやったのだ!
内容的にはファミチキ先輩のいるファミマにロボコが新人アルバイトとなる…という事なのだがこれがドキュメンタリー版のファミチキ先輩から数年経った姿として非常にリアルなのだ!
冒頭でも言った通りファミチキ先輩は「2年で店長、10年後には社長になる」と言っていたが、その発言から6年後であるロボコ世界のファミチキ先輩は残念ながら店長にはなっていない…
のだが、バイトとしてはかなり優秀になっているのだ!
ドキュメンタリーだと「元気はあるけどそれがやや空回りしているアルバイト」という感じで決して優秀には描かれていなかった。
そんな彼が店長にこそなれていないが、後輩をサポート出来るぐらいに店を回せて後輩の失態を庇うようなバイトリーダーへと成長した姿を見せてくれる。
ファミマコラボは先日(2023年2月6日)終わってしまったが、3回目のコラボをファミチキ先輩10周年にでも期待したいところだ。
その時店長になっていたら泣いてしまうかもしれないね。
僕とロボコアニメ公式HP:https://boku-to-roboco.com/
ふぁみち先輩Twitter:https://twitter.com/famichikisenpai
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