『ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツ』は完結10年目に作られた続編だった

最近ゲームも発売して、続編の舞台である『ハリー・ポッターと呪いの子』も日本で上演中。これは単なる懐かしさによる熱ではなく、1作目から20年以上経ってるのにある一定の人気が保たれての今がある感じがする。
『ファンタスティック・ビースト』シリーズが間を繋いでいるのもあるが、それでも近年特に強い熱気を感じるのは他の作品に無い特別さがある。

そんな熱を更に盛り上げるドキュメンタリーがやってきた。

所謂作品の裏話を話すようなドキュメンタリーで、これ系の作品がそもそも日本にやってくること自体がレアケースだ
海外ではよく作られてるんだけど、超有名作でも日本版はソフトはおろか配信すら無い事が多い。裏話を知りたい人はいるかもしれないが、やっぱり作品は作品として心に置いておきたい人が多いのではないでしょうか。言ってしまえば、役者や監督の座談会的なものにあまり需要が無い。

でも、まだ『リターン・トゥ・ホグワーツ』を観ていない人で「所詮は座談会」ぐらいに思ってる人が居たらそれは間違いです!
これは間違いなく20年目に作られたハリー・ポッター作品です!

まずドキュメンタリー部分に入る前に各俳優陣にホグワーツから招待状から届くんですけど、ここのシーンだけで本当に最高なんですよ!
招待状を受け取った皆が9と4分の3番線であの列車に乗って、あの席に座ってホグワーツへ向かうんですよ!このシーンだけでもエモ過ぎてたまらない!

しかもこれがずっと続くんですよ!本場ロンドンにあるハリーポッターの撮影スタジオにあるセットで撮影されているので、本物と本物の組み合わせという完全なズル。

ドキュメンタリーを観て良かったと思えたのは、役者本人とキャラがかなりシンクロしているという点だ。
子役の頃から参加している役者は当然そうなんだけど、面白かったのはベラトリックス役のヘレナ・ボナム=カーターがハイテンションではしゃぎまくったり、ダニエル・ラドクリフが当時送った子供のユーモアがたっぷり詰まった手紙をその場で読ませたりすお茶目なサディスティックさを披露したりする
あぁ、この人は間違いなくベラトリックス本人に違いない!って解像度がグンと上がる瞬間だった。

他にもロンの双子の兄弟は撮影以外でもロンをからかったりイタズラしたり、そもそもロンを演じるルパート・グリントが勉強嫌いで監督から課された宿題をサボったり。
映画のイメージそのままを感じられるシーンが沢山ある。本当にこの辺のおかげで役者の思い出を聞いているというより、キャラクター達の思い出を聞いてる感覚になる。

構造的な話になるんだけど、構成と演出が素晴らしい。『ハリー・ポッターシリーズ』が始まる少し前の時系列から作品を順番通りに振り返り、現実のハリー、ロン、ハーマイオニーの3人を中心に各作品の中心人物を交えて進行する。
特に良いのは、あくまで時系列を追っていくのは大まかな部分だけで役者達の思い出が時間を超えている部分はそのまま。だからドキュメンタリーにありがちな歴史を無理やり追いかけるような窮屈な構成になっておらず、伸び伸びと役者同士の話を聞ける。

とにかくまだ観ていない人が居たら是非観て欲しい作品だった。
映画と共に多感な時期を10年間も過ごしたハリー達だからこそ生まれた奇跡的な作品という事を再認識出来たし、その過ごした時間と離れた時間を同時に感じさせる続編映画として視聴できる。

ラストシーンは特に全作品を追った人へのサービスもあり感動すると思う。
観放題はU-NEXT専売なので、それ以外の環境の方はレンタルになるけど損は絶対にしないので是非盛り上がっている今観て欲しい。

公式HP:https://warnerbros.co.jp/franchise/wizardingworld/harrypotter-dd/

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