2024年1月上半期の公開映画まとめ!愛くるしい犬映画から命がけのドキュメンタリー映画まで!【お正月ロードショー】

ヤマダマイ

2024年1月の上半期に公開される映画を3作ご紹介!

ほっこり犬映画から衝撃のドキュメンタリーまで、お正月に是非チェックしてほしい作品たちです。

2024年1月2日(火)公開:『マイ・ハート・パピー』

飼い犬ルーニーのためなら定時ダッシュもいとわない愛犬家のミンス(ユ・ヨンソク)。身よりもなく、ルーニーを実の弟のように可愛がるミンスだが、ある理由からルーニーと暮らせなくなってしまう。

一方、ミンスの従兄弟・ジングク(チャ・テヒョン)は自分のカフェを廃業してしまい、借金返済のため、あくせく働いていた。

そこへミンスからルーニーの話を聞き、持ち前(?)のコネを使って「完璧な里親」探しを持ちかける。しかしどういうわけか、あれよあれよと預かる犬が増えていき…?

(C)2023. Yworks Entertainment Co.,Ltd. All rights reserved.

日本でもドラマ化された人気作品『ミッドナイト・ランナー』のキム・ジュファン監督による最新作は犬ロードムービー。

ペットを飼っている人なら心が引き裂かれんばかりの設定ですが、決してしんみりした話ではなく、愛する犬のために最善の選択をしようと奔走する男たちを温かく描いています。

コメディ要素はあまりないですが、ハートフルなストーリーにとてもほっこり。一方で、ふたりが旅の途中に出会う人間には、動物をモノとしか見ていない連中も登場するので、人間嫌いが加速しそうな作品でもあります…汗

犬を撫でたあとに手を洗うと、排水口にどんどん犬の抜け毛が溜まるシーンや、ベッドで犬と一緒に寝ている場面など、犬を飼う人には「あるある!」となる場面や、動物と暮らす人が羨ましく感じるシーンもありました。純粋に動物映画としても楽しめます。

個人的にはジングクがある子犬と運命的な出会いをするシーンが、某消費者金融のCMを彷彿とさせてジワジワきました。

ちなみに、『鬼手』『ディヴァイン・フューリ/使者』などで強烈なキャラを演じたウ・ドファンもこっそり(?)出演しています。碁盤に殺人マシンをしかけていたあの頃や、「闇の司教」だった頃の面影は全く無いので、ぜひ探してみてください。

『マイ・ハート・パピー』公式サイト

https://myheartpuppy.jp/index.html

2024年1月12日(金)公開:『ニューヨーク・オールド・アパートメント』

豊かな暮らしを願って、祖国のペルーから不法滞在者としてNYで暮らすデュラン一家。双子の兄弟ポールとティトは、母ラファエラの勤め先の客から借りている古いアパートに3人で暮らしている。

ポールとティトは語学学校に通いながらデリバリーの仕事で家計を支えるも、不法滞在者として常にさまざまなリスクを抱えて暮らしていた。生活に疲れていたラファエラは、店の客で小説家のエドワルドから、一緒に飲食店の経営を持ちかけられるが…。

一方、ポールとティトは語学学校のクラスでミステリアスな美女クリスティンと親しくなるが、彼女はコールガールとしてお金を稼がなくてはならない理由があった。

そしてポールとティトがクリスティンと親しくなってしばらくして、ラファエラのもとから2人がいなくなってしまう…。

(C)2020 – Dschoint Ventschr Filmproduktion / SRF Schweizer Radio und Fernsehen / blue

色鮮やかな公式ビジュアルからは想像できないほど、苦境の中で暮らすデュラン一家。ですが、ポールとティトが不思議な女性クリスティンに恋する場面はまさにボーイ・ミーツ・ガールものの瑞々しさで描かれています。

その一方で、ポールとティトやラファエラが周囲から親切にされる様子が全く描かれなかったり、劣悪な環境で暮らす現状もしっかりと描かれています。

特にラファエラがあるきっかけで越境したときの恐怖を思い出すシーンがかなり強烈でした。

作品の構成としては、双子がラファエラのもとに帰ってこなくなった「現在」のパートと、双子がクリスティンと出会ってからの「過去」パートを交互に描いています。なぜ双子が最愛の母のもとに帰らなくなったのか、終始観客を引っ張る構成も良かったです。

この作品は「NYで暮らすマイノリティの苦しいさを訴える社会派作品なのか?」それとも「愛は人生を豊かにするものでも、壊すものでもあると訴えるドラマなのか?」など、見る人によって大きくテーマが分かれそうな作品となっています。

『ニューヨーク・オールド・アパートメント』公式サイト

https://m-pictures.net/noa/#trailer

2024年1月12日(金)公開:『ビヨンド・ユートピア 脱北』

5人家族が脱北する様子に密着したドキュメンタリー映画。

韓国で脱北者を支援しているキム牧師のもとに、ある家族を助けてほしいと連絡が入る。5人家族で脱北を決意したロ一家は、北朝鮮から中国に渡るも、山間部で身動きが取れなくなっていたのだ。

中国で見つかり送還されれば、一家の命が危ない。キム牧師は各地に潜伏する50人ものブローカーと連携を取り、中国からベトナム、ラオス、タイを経由して韓国への亡命を目指す。

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脱北の実態をスマートフォンや折りたたみ式携帯のカメラで撮影しており、その過酷な様子を再現VTRなどを一切使わずに捉えたドキュメンタリー映画。(実際に脱北した人々の回想などにはアニメーションが使用されていますが、その内容もかなりハード…)

ロ一家の脱北の様子は、見ているこっちも息を呑むほどの緊張感があります。ひとつの過ちが全員の死に直結するため、鑑賞者もスリラー映画顔負けの緊迫感にさらされることとなります。

身を潜めて暗闇を進むなか、うっかりライトをつけてしまったシーンや、警備犬の鳴き声が聞こえたときの恐怖など…。関係者の安全のために一部情報は伏せられているものの、脱北の過程がありありとわかる貴重な作品となっています。

さらに脱北の様子とは別に、自分たちが普段テレビのニュースなどで知ることのない北朝鮮の実態についても触れています。北朝鮮に密輸された隠しカメラの映像から、処刑や拷問のシーンなど、かなりショッキングな様子も明かされます…。

そんなハードなドキュメンタリーですが、ロ一家が隠れ家で束の間の休息を得るシーンや、キム牧師とその奥さんの馴れ初めなど、鑑賞者にとっても気を休められるパートがあるのも良かったです。

キム牧師が奥さんと結婚する馴れ初めは、本作で唯一のユニークなシーンかもしれません(ひとめ惚れした理由がまた何とも言えませんが…汗)

『ビヨンド・ユートピア 脱北』公式サイト

https://transformer.co.jp/m/beyondutopia/#

まとめ

『ニューヨーク・オールド・アパートメント』では不法入国する様子を(回想などでも)描いていませんが、ときおりデュラン一家の見せる態度やセリフから、その過酷さがまざまざと伝わります。

そこに脱北の様子を捉えた『ビヨンド・ユートピア 脱北』の内容が『ニューヨーク・オールド・アパートメント』の(図らずしも)補完的な要素になっていると感じました。

公開日も同じなので、合わせてチェックするとよいかもしれません…!

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