「Stray」にハマった人に見てほしい!おすすめ猫映画6選(オマケあり)

リリースされるとすぐにSNS界隈を盛り上げたサイバーパンク猫ゲーム「Stray」。

筆者もプレイしましたが、高低差を活かした移動や、モノを加えて運ぶ謎解きなど、猫の仕草や特性の再現度が高くてめちゃ楽しめました。ゲームの進捗には全く関係ないのに、必ず水を飲めるときは飲み、爪を研げるときは研ぎ、寝れるときは寝たりしたものです。

(我が家の猫はそこまで「Stray」に食いつきませんでした…)

単純に猫が可愛いだけでなく、退廃した近未来の世界観、人間が登場しないけどドラマチックなストーリーなど、全体的にハマる要素もたくさんあります。「これ、映画になっても面白いのでは…?」なんてことも考えるうちに、こうした猫やSFにまつわる映画をいろいろ見たくなりました。

そこで今回は「Stray」にハマった人にぜひ見てほしい猫映画&SF映画をまとめてみます!

※本記事には「Stray」のネタバレが若干含まれています!ご注意ください。

おすすめ猫映画3選

『Stray』 プレイ動画のスクリーンショット)

「Stray」をクリアしてからというものの、猫ちゃんロスに悩まされている人にお勧めしたい猫映画をまとめました。

ネコに芸を教えることはできるのか?『教えて? ネコのココロ』

「Stray」では爪とぎやドロイドの足元に体をすりすりさせるなど、猫ならではの仕草を再現することができます。そんな猫の仕草の意味や身体能力について、分かりやすくサクサク紹介してくれるNetflixオリジナルドキュメンタリーです。

実際に猫と密に触れ合ったことのない人はもちろん、すでに猫を飼っているような人も「へえ~!」となる猫知識がバランスよく紹介されています。このドキュメンタリー映画を観れば「Stray」の各シーンで猫が見せる仕草を理解できるし、エンディングで見せた”あの仕草の意味”が分かって、感動もまたひとしおです。

予告編を見ると、ネットで調べればわかることばかり話している印象を受けますが、「猫の個性は生まれ育った国で異なる」「国ごとによる猫と人間の関係性」など、ドキュメンタリー映画ならではの興味深い内容もありました。

芸をする猫(あくまで猫の気持ちを優先して芸を教えている)も登場するので、もし「Stray」が実写映画化したら、リアルな猫が出演するのも不可能ではない?

B-12を見習いたくなる?『先生と迷い猫』

タイトルからして「Stray」な本作ですが、埼玉県で実際にあった地域猫捜索をベースにしています。地域で可愛がられている三毛猫のミイが姿を消し、捜索を通して住人たちにつながりが生まれる…というストーリーです。

「Stray」の猫もミイも野良ですが、本作では野良猫と人との距離感について考えさせられる演出が多数。無責任に猫を可愛がったことで、増えた野良猫がどうなるのか?皆が猫好きとは限らないからこそ生まれる、閉鎖的な事件も描かれます。

『Stray』 プレイ動画のスクリーンショット)

「Stray」では猫と小型ドローン「B-12」との友情が描かれていますが、動物と接するなら「B-12」くらい体を張る責任感がないとダメだな…!と痛感しました。

数ある猫映画の中でも、ダントツに好きな作品ということもあって、ラストシーンでは引くほど嗚咽を漏らして号泣していました。我が家の猫はびっくりして黒目ギンギンになっていましたが…。

「Stray」映画化も夢じゃない?『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』

『教えて? ネコのココロ』でも「Strayが映画化したら猫は実写になるのか?」について触れましたが、すでに自分の伝記を自分で演じている猫がいました。

イギリス映画『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』では、1匹の野良猫が、貧困と薬物中毒で苦しむストリートミュージシャンの青年を救う実話です。

原作は「ボブという名のストリート・キャット」という伝記ですが、ボブを演じるのはボブ自身。自分の登場する伝記の実写化に、自分で出演しているという稀な例です。タレント猫も顔負けの演技を披露していますが、それは野生で培われた度胸なのか、単に現場慣れしているだけなのか…。

猫映画のなかには、猫の可愛さだけを売りにした作品も多くありますが、今作はイギリスの社会問題である貧富の差や薬物中毒にも鋭く切り込んだ作品。『先生と迷い猫』でも、地域にまつわる問題を描くなど、「可愛いだけが猫映画じゃない」ことを証明してくれる作品です。「Stray」も世界観が結構シリアスなので、映画化したら面白いと思うんだけどなあ~…。

おすすめSF映画3選

あのサイバーパンクな世界観が恋しくなっている方にお勧めしたいSF映画をまとめました(AIネタ多めです)

ドロイドにそっくり?『チャッピー』

『第9地区』のニール・ブロムカンプ監督が手がけた、ロボットに人工知能が搭載されたことで起きる事件を描いたSF映画。”チャッピー”とは、警官に成り代わるロボット「スカウト」に、人工知能を搭載してつけられた名前です。

チャッピーの姿をはじめ、簡素なディスプレイに表情が映される仕様など、「Stray」に登場するドロイドたちと近いものを感じます。『チャッピー』ではギャングスタよろしく極太なネックレスを身につけ、「Stray」のドロイドたちはポンチョなどの衣類を身につけていました。

なにより『チャッピー』の面白い点は、2015年の作品でありながら、最近話題になった「AIに意識があるか?」という問題をフットワーク軽めで描いています。「Stray」でも、人間が意識を転送したことを示唆するシーンがありました。しかし『チャッピー』では、その「意識」の扱いが良くも悪くも軽いため、いろんな問題が次々に起きる様子はカオスそのもの…。

グーグルのAI「LaMDA」に意識があると主張したエンジニアが休職扱いになったのは、『チャッピー』で描かれた事件が現実になると恐れたのかも…?

ジョニデ、人間やめるってよ『トランセンデンス』

2014年に公開されたジョニー・デップ主演のSF映画。科学による超越=Transcendenceを描く本作にも、「Stray」との共通点がありました。

例えばジョニー・デップ演じる主人公ウィルは、ある事件で命を落とす間際に、自分の意識を自作の人工知能にアップロードします。この展開は「Stray」で猫と親友になる小型ドローン「B-12」に近いです。彼もまた元人間であり、自分の意識をアップロードしようと試みた人物です。また、B-12があらゆる機械をハックして、猫を自分の元まで誘導する展開もありました。

AIが猫の気を惹くために機械をハックするのはかわいいですが、AIジョニデは妻の気を惹くために、よその男の意識と体をハックして妻に触れようとして、妻をドン引きさせるシーンがあります。「AIでもそこは分かんないんだな…」と妙な安心感を覚えるのでおススメ(?)です。

アンドリュー、ロボットやめるってよ『アンドリューNDR114』

アイザック・アシモフの同名小説をロビン・ウィリアムス主演で実写化したSFラブロマンス。今や人間が機械の体を得ようとしたり、意識をアップロードしたりする中で、本作はロボットが人間になろうとする真逆のテーマとなっています。

作中では200年もの時が流れるので、最初こそコンセント一本で充電(99年の映画なので…)していた家事手伝いロボが、あれよあれよと表情、皮膚、人工臓器を作り出してまで人間になろうと奮闘する姿は必見。

ロボット目線で見る「人間の定義」について、ひとつひとつ時代と段階を踏んで描いているので、普段SFを見ない人にもわかりやすくてオススメ。何より、ロビン・ウィリアムスのお茶目な演技が、本作の敷居をいい意味で下げてくれました。

SF映画といいつつ、根底では人間とロボットの恋模様を描いているので、異種間の愛情という意味では「Stray」の猫とB-12に通ずるものがあります。異種間の友情や愛情は尊い…。

VRやAIが浸透しつつある今だからこそ興味深いテーマが詰まっているので、リメイクとかしたら再び注目を集めそうな作品です。今やるなら、VRのアバターが自我をもってリアルの世界で生きるために奮闘するとかでしょうか。

(そういえば「Stray」にもアイザックって名前のドロイドがいたような…?)

おまけ

最後に、SFでも猫映画でもない、個人的におススメしたい要素が詰まった作品をご紹介します!

「Stray」の舞台のモデルとなった九龍城砦が登場する『追龍』

ドニー・イェン×アンディ・ラウ共演のクライム映画『追龍』は、SFでもなければ猫も登場しません。しかし「Stray」の独特な舞台のモデルになった「九龍城砦」が登場します。

現在「九龍城砦」は取り壊されて公園となっていますが、再現されたセットを見ても、その世界観は「Stray」のデッドシティやミッドタウンそのもの。窓についた鉄格子、無造作に姿を見せるバルコニー、統一感など皆無で屋外に置かれるソファやテーブルなどなど…。

(予告だけで見るとピンとこないかもですが、作中の逃走シーンやバトルシーンはかなり「Stray」感がありました)

あまりにもお互いの作品を彷彿させる世界観なので、『追龍』に猫を、「Stray」にドニー・イェンを解き放ちたくなる衝動にかられます。(ドニー・イェンなら素手でウォールシティ99から脱出しそう)

「Stray」はかなり没入感のあるゲームだったので、あの無造作な建造物や裏路地が好きな人はぜひ見てほしい作品でした。

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