『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』
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超低予算ながらもそのアイデアとクソ怖さで大ヒットし、モキュメンタリーホラーというジャンルを世に知らしめた名作だ。
『ブレアウィッチ2』『ブレア・ウィッチ』と順番がややこしいタイトルの続編も二本制作されている。(プロジェクト→2→ブレア・ウィッチの順だぞ)
そしてそのブレア・ウィッチシリーズの世界を体験できるゲームが発売された。それがゲーム『ブレア・ウィッチ』だ。PS4版とNintendo Switch版が発売されている。
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俺(ナ月です)はブレア・ウィッチ・プロジェクトが好きで行けるもんならあの森に行きたいと思っていた。これは最高のゲームに違いないとめちゃめちゃ期待して初回限定版を予約した。初回限定版にはアートブックとサウンドトラックが同梱されている。サウンドトラックは車を運転しながら聴いたら不気味すぎて具合が悪くなった。
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本作は映画1作目『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』本編の2年後。バーキッツビルの保安官「エリス(画像の人間の方)」の視点で物語が進んでいく。(以下画像は本編スクリーンショット)
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舞台はもちろん森。映画と同じあのブラック・ヒルズの森だ。ゲームのほとんどをこの森で過ごすことになる。
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そしてゲームの目的はこの森で行方不明になった少年を探すこと。そして少年探しの頼れる相棒がこいつだ。
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犬だ。このゲームは犬ゲー。犬を駆使して攻略していく必要がある。「人喰いの大鷲トリコ」でいうところのトリコ。「タイタンフォール2」でいうところのBT。「ピカチュウげんきでちゅう」でいうところのピカチュウ。それが犬。
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なんと犬を自分好みの見た目にカスタマイズできる。ゲームが始まって最初にやることはこれだ。ただしムービーには反映されないので没入感を大事にするならデフォルトでもいいだろう。ムービーそんなにないけど。
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手がかりを見つけて得意げな犬。マジ可愛い。犬が働いてくれたら撫でたりおやつをあげたりしよう。撫でのパターンがたくさんあって楽しい。犬好きが作ったゲームに違いない。
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「なるほど、犬ゲーか。ニンテンドッグスみたいなゲームに違いないな」と思われるかもしれない。確かに本作は犬ゲー。だが犬ゲーでありながらも同時にしっかりホラーゲームだし、かなりブレア・ウィッチしている。
映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を構成する要素と言えば何を思い浮かべるだろうか。
・森
・理不尽にキレる登場人物
・ストレス
・ビデオカメラ
・正体不明の怪異
などが挙げられるだろう。本作にはそれらの全てが詰まっている。それに加えて犬もいると思ってくれたらいい。
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森。森の中には目印らしい目印がほとんどないし、マップなんてものもない。映画同様闇雲に歩き回っているとすぐに迷って同じところをぐるぐる回る羽目になり映画同様イライラする。イライラしている自分に気がついた時「あ、すげー映画と同じじゃん」と感動した。
また、探索していると時折同僚から無線や恋人から電話がかかってきたりする。応じたり応じなかったりできるのだが、主人公は軍役時代にPTSDを患っているのに加えてストレスフルな森でまいっているので頻繁に急にキレる。ブレア・ウィッチ名物理不尽にキレる登場人物だ。
プレイヤーもゲームを通してこのストレスフルな森を体験することで、そりゃこんなクソ森に長時間いたら何にでもキレるな~とも思わせてくれる。ゲームで映画の世界を体験させるだけでなく、ゲームがまた映画の世界を補強しているようにも感じた。
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夜になると懐中電灯の灯りだけが頼りになり、さらに心細くなる。懐中電灯は当然のようにいいところで急につかなくなったりしやがる。わかっていても怖い。おまけに本作はサウンドがバイノーラル録音されているのでヘッドホンをつけてプレイするとかなりリアルな「何か」の息遣いが急に耳元で聞こえたりする。かなり怖い。やめて欲しい。一人称視点を効果的に使っている演出なんかもあるのでPSVRに対応してくれたら相性いいだろうなと思った。
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例の吊るされた木製の何か。これを壊すとろくなことにならないのは映画をみた皆さんならご存知だと思う。だがこれは壊すことになる。だって……犬が怖がるから……。
犬が急に闇に向かって吠えることがある。敵がいる時だ。このゲームには一応戦闘もある。敵はめちゃめちゃ高速で動く上に懐中電灯の光を向けるだけで消えるので姿が全然わからない(よってスクショもとってない)。戦闘自体は大したことないのだが、「急に闇の中に向かって吠える犬」や「よく見えないけどなんだかわからないやつが確かいる感覚」の演出がかなり怖い。ちなみに初回限定版のアートブックには敵の姿が掲載されている。
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舞台は一貫して森の中だが、森の中にもキャンプ場や伐採所など様々なところがある。同じような景色にうんざりした頃に新しいステージに行けるとホッとするが、行く先で起こる出来事はどんどん最悪になっていく。
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ブレア・ウィッチ・プロジェクトといえばビデオカメラだ。本作でも重要なアイテムに位置付けられている。
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森のあちこちに残されたテープを再生して少年の行方を追跡するほか、特定のテープを一時停止することで「現実をテープの映像の状態にする」ことができる。例えば鍵のかかった扉をテープを操作して開けたりできる。この辺はゲーム的で楽しい。
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また、カメラ越しにしか見えない存在を見たりできる。そういうのがいる。怖すぎる。
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ゲームを進めていくともちろん「あの廃墟」にも行くことになる。絶対に入りたくないけど入ることになる。
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あの廃墟の再現度はかなり高い。家中にある手形などの演出はもちろん、映画3作目『ブレア・ウィッチ』のように壁をむいて何かをやり過ごすシーンなどを体験できる(何かに殺されることもできる)。だが「原作再現嬉し~い! ファンならニヤニヤ~!」どころではない。怖すぎるんだよここ。
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ゲーム『ブレア・ウィッチ』はこのようにかなりブレア・ウィッチ体験ができるゲームだ。
最新のゲームなんかと比べると「画質がちょっと粗い」「決定ボタンが○だったり×だったりしてムカつく」「ちょっとクリアまでが短い気もする」などの欠点はある。だが本作の怖さは画質の粗さなんかで霞まないし、操作のストレスは焦りとなり恐怖を駆り立てるスパイスにすらなっていると感じた(でも決定が○だったり×だったりするのはムカつく)。またボリューム不足も「ストレスがすごいし怖いのでもう勘弁してくれ」と思いながらやる事になるし、エンディング分岐もあるのでこれくらいでちょうどいい気もする。
ぜひあの森をイライラしたり怯えたり絶望しながら歩き回る体験をしてみて欲しい。楽しいぞ。
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