夏!盆!ホラー!みたいな月並みな話題の切り出し方で申し訳ないと思いつつ、季節感大事にしてムービーナーズに寄稿いただいているライターのみなさんが一番怖いと思う映画をそれぞれ紹介します!
ナ月『パラノーマル・アクティビティ』
番犬ワオワオ『エイリアン』
古典すぎて申し訳ないですが、改めてエイリアン1作目がいかに傑作ホラーかを再確認するのはいかがでしょうか。
逃げ場のない宇宙空間の恐怖はもちろん、決して倒すことができないエイリアンのおぞましさ、フェイスハガー→チェストバスター→エイリアンと生物の成長・営みに繋げた様々なスプラッタ表現、はてはアンドロイドの冷酷さや会社の理不尽さなど多種多様な「怖い」がこれでもかと詰め込まれています。 40年前に公開されたとは思えない画作りも最高!同じく宇宙船内で未知の生物に襲われる「ライフ」もオススメです。
えのき『アンフレンデッド』
ツールとしてはやや古くなってしまいましたが、Skype上で繰り広げられるホラー映画です。
Skypeでの友人たちとの通話中に知らないユーザーが一つあった。 そしてメールやチャットで彼らに連絡を取る謎のユーザー。 徐々にそのユーザーは死んだはずの友人『ローラ』ではないかと疑惑が生じ……
という導入から学生たちが一人、また一人と死んでいく様子が怖い! 「全編通話中のPCの画面上で繰り広げられる」というのが一番の売りの作品ですがSNSを介した人間の邪悪な側面、軽い気持ちからエスカレートしていく悪意もテーマになっていて、SNSが昔以上に盛んな今見ても見応えがあります。
仲間内でSkypeで繋げながら観賞会をすると臨場感があってめちゃくちゃ怖いですよ!
ヤマダマイ『スペイン一家監禁事件』
豪華な新居へ引っ越した日に押し入り強盗に襲われる、あまりにもタイミングの悪いホラーサスペンス。
オバケは一切出ませんが、絶叫する女の子の顔こそホラーの証明。ハリウッドの絶叫ヒロインに負けない顔は、夢に出てきそうで辛い…。
手持ちカメラや長回しの多用、サントラがほぼ無いなど、強制的に恐怖を植え付ける演出が満載。 四捨五入したら動物みたいな強盗犯のせいで、犯人たちの計画も一家もめちゃくちゃ。 ラストの展開は監督が病んでいるんじゃないかと心配するレベルです。
勧めておいてなんですが、STAY HOME期間中は見ないほうがいいかもしれません。おウチに居てもヤバいものはヤバい。
九龍きのこ『仄暗い水の底から』
怪談好きとして外せない映画を一つ。スプラッタとかクリーチャーが流行りですが、こちらはジャパニーズオカルト・ホラーの王道、幽霊もの。
超常現象頼りの怖さではなく、主人公の神経質さ、その環境の異常さも相まって、精神的に追い詰められていく描写がお見事。怪異だけなら些細なものの積み重ねが多いんですが、とにかくリアルに嫌な内容ばかり。その小ささが「もしかして自分の家も」と見ているこっちまで疑心暗鬼にさせてくる。
子供の無邪気さが恐ろしさに変わる、切なさと無情に翻弄されていくホラー。 ゾッと寒さを感じる怖さで夏場にはおすすめ。でもお風呂に入るのは嫌になるかも。
夢水もにか『フロム・ダスク・ティル・ドーン』
この映画は一つの作品で二つの味を見せる映画。序盤を観ていると自分がホラー映画を観ているという現実を忘れてしまった状態になってしまうのですが、後々ホラー要素を突きつけてきます。 映画を観ている途中にお手洗いに行きなんぞすると「あれ?違う映画になってる!?」って思うレベルで話の展開が急に変わるので注意(経験談)
主人公は犯罪を犯し、逃亡し続ける兄弟。彼らに脅されてそれに加担する家族の逃亡劇が始め描かれるのですが、その過程でトップレスバークラブ「ティッティー・ツイスター」で一夜を明かすことになります。
ここから話はホラーテイストを強めていくのですが、この映画はネタバレをしてしまうと面白さが半減してしまう気がするので割愛します。 ホラーの系統としては昔懐かしの急にびっくりさせるようなタイプで、でも序盤を観ているとついついホラーだということを忘れちゃう、反動が強い面白いホラーです。
ガトリングチワワ『イレイザーヘッド』
デヴィッド・リンチ監督長編映画デビュー作。
彼女(元)が出産し、結婚を決意する主人公ヘンリー、ところが生まれた赤子は鳥のようなエイリアンのような奇妙な姿をしていた。その赤子の育児にストレスを抱えたヘンリーは次第に幻覚を見るようになる…
冒頭から抽象的な映像が多いことに加えて、登場人物全員言動が異常で、終始ボコボコに殴られているような感覚に陥る映像体験。奇形の赤子の造形も非常にグロテスク&リアルで恐ろしい。
本作はリンチ監督のフィラデルフィア(犯罪と貧困が蔓延する街)での過酷な暮らしや、自身に子どもができたことなどの強いストレス体験から得たイメージを映像にしたもので、主人公が置かれる状況もリンチ監督とほぼ重なる。人間のストレス限界状況における心象風景の描写はとにかく「怖い」。
以上、夏にぴったりの「怖い」映画7選でした!
ぜひ「怖い映画を観よう!」と思った際の参考にしてみてください!
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俺が今まで見た中で一番怖かった映画、恥ずかしいくらいベタではあるのだが『パラノーマル・アクティビティ』だ。ご存知の方も多いだろうが俺はあの映画が怖くて仕方ない。
「変な音がする」「ものが勝手に動く」など地味な超常現象が起きまくる家にビデオカメラを設置して撮影しまくるという内容のいわゆるモキュメンタリー映画なのだが、超常現象までの「溜め」が嫌になる程見事。溜めて溜めて「すっ」程度の超常現象が起こるたびに嫌〜な鳥肌が立つ。
ホラー映画は大好物だぜと自称しているが、初めて本作を見た後はしばらく暗闇が怖くて生活に支障をきたした。本当に。