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いますぐ解体しよう
こんにちは。マシーナリーとも子です。みなさんはもう解体しましたか!?
なんの話って先日発売された『都市伝説解体センター』の話ですよ!
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発売から数日後に買って、1週間くらいでクリアしたんですけどいや……Fabulous! としか言いようがない、超気持ちいいアドベンチャーゲーム体験をしました。いやすごいですわ。
コンセプト、テーマ、ストーリー、ピクセルアート、ゲームシステム……それらすべてが絶妙にシナジーしあって唯一無二の10時間を提供してくれてとっても気持ちよかったです。たまらん。
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『都市伝説解体センター』は墓場文庫開発、集英社ゲームズより発売されているアドベンチャーゲーム。対応機種はPS5、NINTENDO Switch、PC(Steam)。
プレイヤーは都市伝説解体センターの新米調査員、福来(ふくらい)あざみとなり、さまざまな依頼を調査、解決していくのが目的。
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SNSを見たり現場に赴いて「調査」を行い……
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現場では主人公あざみの特殊能力「霊視」を使って過去起きた痕跡を見ることも可能。
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そうして集めた証拠を基に、事件の原因となる都市伝説を「特定」。
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そこからさらに調査を進めることで都市伝説を「解体」し、事件の真相を突き止める──というのがゲームの目的。全6話。
ここまでのスクショを見てもわかるとおり、本作いちばんの特徴はそのピクセルアートでしょう。とくに色数を抑えた表現がものすごく印象的。
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基本的に緑とグレー、補助的に白で構成された世界のなかで、いやでも目がいってしまうような赤や、ギラギラと輝くイエローが有効に機能していてめちゃくちゃ目を引かれちゃうんだよな。
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また、それでいてやたらスチルが豊富だったり、ほぼすべてのスチルにアニメーションがついていたりと、演出はスクショで見る以上にリッチで楽しませてくれる。っていうかマジでスチルめっちゃ多くない? すごい手間かかってる気がする。
また、ゲームの快適度に気を使っているのも特徴的で、例えば捜査中の聞き込みについては自動で未選択の選択肢にカーソルが合わさるようになっており、現状聞ける話をすべて聞いたあとは自動で会話が終了するなど、かなり「ボタンの連打」でゲームを進行でき、テキストに集中できるようになっている。
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捜査を通じてあざみの「メモ帳」ができあがっていくシステムも楽しく、「新しいテキストをもっと読みたいな」という気持ちでゲームを進めていくと、自然につい自分でも推理してしまうというつくりになっていてとても良かったね。
ふだん、ミステリ小説とか読んでるときは完全に探偵役まかせで雰囲気だけ咀嚼しながらガンガン読んじゃって著者からの挑戦とか書かれててもシカトして読み進めちゃうんだけど、そんな私でもこういうふうに楽しめるのはアドベンチャーゲームの強みだな。
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歌の流し方が完璧すぎてヤられる
で、そうしたシステム面やビジュアル面はもちろんおもしろいんだけど、個人的に「うわこのゲームすげえ!!」って思わされたのは第1話を終わらせたときのシークエンス。
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ここでねえ、すごくイントロが印象的な主題歌が流れるんですよ!
うわ!!!!!!!! ってなった。
主題歌とともにセリフ送りが不可能になって、歌とともになめらかにストーリー進行がされていくんですよ!
ここ ここがねえ! たまんなくてさ。
ここに至るまでは「ほぉーん! おもしろいゲームだなあ。都市伝説っていう着眼点がいいし、絵もいいし、システムもおもしろいし、キャラクターもみんなかわいいしおもしろいじゃん」って、なんというか「ああふつうにおもしろいな」って程度にしか思ってなかったんですよ。
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でもこの終わりのシークエンスで一気に食われた。
なんだろ、「めちゃくちゃおもしろい連続テレビドラマが始まったぞーーーーー!!!!」って気持ちがぐわって湧いてめちゃくちゃワクワクしてしまったんですよ。
流れてないけど、画面下の方を右から左にスライドしていくスタッフロールが見えるーッッ!
いや、この主題歌演出マジで強すぎます。『奇々解体』という歌なんですがマジで流し方がパーフェクトすぎて『Lemon』とか『GetWild』に匹敵する衝撃を与えに来ている。すごすぎる。
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当然1話だけじゃなく毎話毎話やってくれるし、その話のアフターストーリーだけでなく適度に縦軸についての布石も投げてくれるので夢中になってしまう。ほんと、結局この演出にやられ続けたといっても過言ではないくらいすごいいいです。浴びてみてくれ。
SNS、迫真すぎ
あとほかに挙げておきたいのがSNS描写。
調査の一環として要所要所でSNSを眺めたり検索したりするパートがあるんですが、ここの描写があまりにも「リアル」すぎる。しかも「悪すぎる」んですよ。
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あまりに「悪いインターネット」の出来が良すぎるので「開発スタッフはふだんから悪いインターネットに入り浸っている……?」みたいなあらぬ疑いをかけたくなってしまうほど。いや、ほんと「なんで楽しくゲームやってるのに、ゲームのなかでも石ころを裏返して隠れてるキモい虫を見るような行為をしなきゃあいけないんだ……」って落ち込んでくるくらい出来がいい。人によってはリアルすぎてプレイするのがキツいかもってくらいよく出来てます。
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もちろん作品のテーマが都市伝説ですし、作中出てくる都市伝説も昔ながらの伝承ネタよりもインターネット普及以降のアレみたいなのが多い印象ですし、なによりも「都市伝説を作るのは人の噂」なわけでここを妥協なしで作り込むのは完全に正解。正解なのだが……いやマジで露悪がすげえぜ!
私なんかはクリア後、都市伝説解体ロスになってしまった身体ではてな匿名ダイアリーに集まる心ないコメントを眺めていたら「や、やった! 都市伝説解体センターはここにあったんだ!」って一瞬テンションが上がってしまったくらいです。本当に気をつけなければならない。同じようなロスに苦しんでいる人は一度試してみてください。マジで一瞬「なる」。
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しかしインターネットが都市伝説を多数生み出した反面、SNSでは以前の「洒落怖」のような都市伝説はハナから「嘘」と切り捨てられ、おもしろみの無い陰謀論ばかりが育つようになってしまったことには一抹の寂しさがありますね……。
いまオカルトって最初からフィクションって明言してるSCPとかCreepypastaとかモキュメンタリーばっかりだもんな。レプティリアンとかゴム人間をマジで信じてる人を見るのは、厳しい……。もっとみんなでひとりかくれんぼの話とかしようよ!
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もっとこのトリオの活躍が見たいんですけど!
もちろんキャラクターも魅力的だ。
なにより主人公のあざみーがかわいい。
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なんだお前そのフリッフリのおべべは……。
ゲーム中でも言及されてるけどたぬき系女の子すぎる。愛しい。餌付けしたい。
このぽんぽこした彼女と、コンビを組むちょっぴりダウナーなお姉さんジャスミンの取り合わせがとっても楽しい。
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暗いところに閉じ込められたあざみーが思わずその場にいないジャスミンの名を叫んだときは胸がときめいたよ……。
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あとパッケージもなってるセンター長な!
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なんだこのセクシーな男は……。
この人もね、最初は「なんだこいつ」ってなるんですけど……いや、割とずっとなんだこいつではあるんだけど!!!
でも触れれば触れるほど好きになってしまう魔性の男ではある。くそっ! 声、岡本信彦だぞ どうなっとんじゃ。
彼にだんだんあざみーが懐いていくのもまたかわいらしい。
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んで第1話でしっかりとこの3人を好きにさせられて、そして話が進めば進むほどど、どうなってしまうんですか……。ってなっちゃうのよキャラの立て方がうまいのよ……。
いますぐ解体しよう
もうね、ほんとエンディング見終わってタイトル画面に戻ったあと久々にかなりの「ロス」を感じました。
「あー! おもしろいゲームをあそんだ! お腹いっぱいだ!」と思うより先に「あ、明日からどう生きればいいんですか…?」ってなった。ならない!? なるよな!? あの……終わり方さあ! クソッ!
そんなわけで『都市伝説解体センター』ですが4月からはネタバレ解禁の範囲が広がるらしいです! みんな大オチの話とか遠慮せずSNSでするようになるぞ! いまは「噂」で「おもしろいらしい……と話されているだけ」の「都市伝説」に過ぎないが……4月になったらオチまで含めて「解体」されちまうんだよッッ!
だから、今やろう! 君の手で本作を解体しよう! 10時間くらいで終わるから……。