アウトドア飯でエルヴィスサンドを作り食う
2022年7月1日、金曜日。映画『エルヴィス』が公開された。キング・オブ・ロックンロール、エルヴィス・プレスリーの半生を描いた映画だ。
映画を見た俺は思った。「エルヴィス・プレスリー、超かっこいい」と。
また同じ日、映画『ゆるキャン△』も公開された。スーパー人気女子高生アウトドアアニメだったTVシリーズの劇場版だ。TVシリーズでは女子高生だった彼女らが大人になってから再会し、なんとキャンプ場を作るという映画だ。何が「ゆる」だ。
映画を見た俺は思った。「アウトドアな活動がやりたい」と。
じゃあ、山の中でエルヴィスサンドを作って食べよう。


山にきたぜ。本記事は先に紹介したどちらの映画の内容もほとんど関係ない。山の中でエルヴィスサンドを作って食べるだけの記事だ。
「エルヴィスサンドってなんだ」という方もいると思うので説明しておこう。
エルヴィス・プレスリーが好んで食べていたホットサンドで、彼にとってのお袋の味だったと言われている。
これから紹介する製法を見ればわかると思うが、猛烈に高カロリー。エルヴィスはこれの食べ過ぎで死んだんじゃないかとも言われているが、それは誤りだ。メン・イン・ブラックで「エルヴィスは死んでない、故郷へ帰っただけだ」と言われていたし。そうなら良いのに。
ちなみにエルヴィスサンドは映画『エルヴィス』にはとくに出てこなかった。
では作っていこう。


メインの具材となるバナナ。バナナを切る。


こういうまな板シートがあるとこの世の全ての平面がまな板として使えるようになるのでアウトドア活動で便利だぞ。洗い物も減るし。


ホットサンドメーカーをフライパンがわりにしてバターを溶かす。バターは切れてるやつが便利。


さっき切ったバナナを焼く。


なんか良い感じになるまで焼く。このまま食べたい。


バナナが良い感じになるまでの間に他の作業を進めよう。食パン2枚とピーナッツバターだ。ピーナッツバターは粒入りと粒なしがある。エルヴィスが食べていたのがどっちなのかは知らないが、今回は粒なしにした。つぶあん派こしあん派みたいな争いがピーナッツバターにもあるのだろうか。


2枚の片面にめちゃくちゃ塗る。多分塗りすぎくらいでちょうど良いはず。


ベーコンを焼く。カリッカリになるまで焼いていい。


もう良いだろって見た目になるまで焼く。もっと焼いてもよかったな。写真では2枚しか焼いていないが、この後残りも全部焼いた。


さっきのピーナッツバターを過剰に塗った食パンの上にこれらを乗せる。バター焼きバナナ。1本乗せられなかったのでそのまま食べた。


ベーコン。


ここに蜂蜜をドボドボかける。かけるレシピとかけないレシピがあったが、かけた方がヤバそうなのでかけることにした。


挟む。ドーン。これで完成ではない。ここからがヤバい。


ホットサンドメーカーのもう片側でもバターを溶かす。デロッデロに溶けたバターが両側に入っている状態にする。


それをなんかうまいことやってバターを逃さないようにバーンとやってこうする。各自工夫して。ミスると溶かしたバターが全部隙間から落ちるからうまいことやって。片側の溶かしバターを一回他の容器に移して閉じる前にかけちゃうとか。
あとはホットサンドを焼く要領でやっていく。溶けたバターが食パンの表面にジワジワ染み込んで揚げ焼きのような感じになる。


時々開けて焼け具合をチェックする。もう美味い。


完成。カロリーは計算していないが、死人が生き返るくらいのエネルギーがあると思う。


ズボォーーーーーーーーー


断面。思ったより地味なので、もっとピーナッツバターを塗ってもよかったかもしれない。


いただきます。エルヴィスはこれを食って育った。つまりこれを食って血肉にすることで俺はエルヴィスに近づけるんじゃないだろうか。違いますか。


うっま。美味い。バターが染み込んだ表面だけがザクザクになっていて、パン層からベーコンバナナ層はフワフワ柔らかい。ほの甘い中にあるベーコンの微かな塩味が嬉しい。
そもそも思ったほど味が濃くない。調理工程からは想像できないほどすんなりパクパク食べられる。もっと甘いのがよければ蜂蜜をもっとドバドバかけても良いかもしれない。


ドリンクにはコーラを持ってきた。映画の中でエルヴィスが飲んでいたので。コーラの酸味がかなり嬉しいけど、確実に糖分の摂りすぎだ。しかしエルヴィスサンドを食おうというのにカロリーや糖分を気にするのも間違っている。そんなことを気にするやつはそもそもこんなもの食べない。


「意外とパックパク食べられるな~」と思っていたが、残りの半分に差し掛かってから急に胃から全身に向かって何かがズドーーーンときた。もう全然食べたくない。肉体が「もう食べなくていいよ」と言っている。いや美味いよ、美味いけどよ。これ以上エネルギーが入らないのよ。


頑張って食べた。エネルギーが満ちている。満ちすぎて何もしたくない。最初は「エルヴィスの映画に合わせて映画館でエルヴィスサンド売れば良いのに」などと思っていたが、ダメだこんなもの売ったら。絶対に寝る。
映画でオースティン・バトラー演じるエルヴィス・プレスリーがメチャクチャな動きで観客を魅了していたが、あの動きの秘密を理解した。エルヴィスがあのパワフルな歌声とパフォーマンスを維持するには相応のエネルギーが必要に違いない。そのエネルギー源がこれだ。絶対これだ。このメチャクチャな食べ物だ。
簡単、美味い、ウルトラスーパー高カロリーなのでアウトドア飯には向いているかもしれない。この記事の分量で2人分だと思えばちょうどいいんじゃないだろうか。ぜひ誰かと作って食べてみてほしい。そしてエルヴィスに想いを馳せよう。


こういうのがあるとスプレーして拭くだけでほとんど洗い物が終わるので楽だぞ。