『天体観測』のコピーをやめるべき理由3選〜軽音楽部新入生へ〜

ガトリングチワワ

コピバンって楽しいよね

全国の軽音楽部新入生達!入部おめでとう!!

邦ロックが好きなキミも、ぼざろに影響を受けたキミも、モテたいというリビドーに突き動かされたキミもバンドを楽しめることを願っているよ。
将来的にはオリジナル曲を作り、夏フェスのルーキー枠を狙ったり、ネットで有名になったりと、多くの夢があることだろう。
そんな野心に溢れるキミ達も、まずはコピーバンドから始めるケースがほとんどかと思う。

コピバンの経験を積むことは楽器の技術・バンドでの演奏の上達に効果的な手段だ。
また、「初心者の自分でも楽しく曲が演奏できた!」という成功体験は楽器を続けるモチベーションの土台にもなるだろう。
中高生なら文化祭で有名な曲をやっておけばとりあえず盛り上がるからトクだよ。

そのため、新入生(楽器初心者)はまず、誰もが知っている有名な曲、その中でも比較的演奏難易度が低いものをコピーすることが多い。

例えば、20年以上前からの定番MONGOL800の「小さな恋のうた」や、3ピース編成でもシンプルでかっこいいDOESの「曇天」、ボカロが好きな方なら「惑星ループ」や「ロストワンの号哭」など…全国各地の軽音部で脈々と受け継がれる定番ナンバーたち…
しかしながら、そんなド定番な曲でありながら初心者が手を出すと火傷してしまうような楽曲が存在する。

「天体観測」だ。

2001年3月にリリースされ、当時のCD売り上げとしてもオリコンチャートの2001年度年間26位を記録し、現在ではMV、ストリーミング共に累計再生回数が1億回を突破している。
どっこい!ソドップモンスター(通称:ソドモン)カード第一弾パックとしても有名な楽曲だ。

日本人なら95%くらいの知名度がある超有名曲なのは今更語るまでもないだろう。
文化祭などで軽音楽部の演奏を見たことがあるという方も少なくないんじゃないんだろうか。
そして、その際に感じたであろう、多くの人が共有するあの感覚…

「なんかショボくね?」

本稿ではなぜ天体観測を演奏したコピバンがショボく感じるのかを解説しつつ、コピーをやめておくべき理由をまとめていこう。

なぜ天体観測のコピバンはショボいのか

先に述べておくと、私(ガトリングチワワです)はBUMP OF CHICKENがとても好きだ。
楽器なんてロクに弾けない中学生の頃にBUMP公式のバンドスコアを買い集めるほどBUMPが好きで、いつかバンドでBUMPの曲を演奏することを夢見ていた。

それから月日は巡り…今ではそれなりに楽器が演奏できるようになり、主にベースのサポートを行ったりYoutubeに音楽関連のコンテンツを上げることで小銭を稼いでいる。

音楽に対してある程度理解が深まることで見えてきた、軽音楽部の天体観測がショボく聞こえる理由、そしてそれを踏まえ『天体観測』のコピーを推奨しない理由の詳細を以下にまとめていく。

①音源はギターが厚い

バンド経験やDTMなどの経験がある方は分かると思うが、音源制作の際はギターの音を多重録音し、音源に厚みを持たせる。
バンドにギターが2人だったとしても、音源で4~5本分のギターの音を重ねていることは珍しい話ではない。

そこで、天体観測は一体どうなのか公式のバンドスコアを参照してみると…

2002 株式会社リットーミュージック BUMP OF CHICKEN jupiter 「天体観測」より引用

8本…!?

BUMPファンの間ではギターに詳しくない人でも「天体観測にかなりの数のギターの音が入っている」という話は有名で、それによって作られるイントロの煌びやかな雰囲気で流れ星を再現していると言われている。
天体観測をコピーしたアマチュアバンドの大半がショボく聞こえる理由のほとんどがここに起因すると思う。
8本という数は恐らくダブリング(同じフレーズを2度以上重ねて録音する手法)も含めてだとは思うが、公式のバンドスコアでもギターパートは3つに別れ、それぞれが異なるフレーズを演奏することとしている。

2002 株式会社リットーミュージック BUMP OF CHICKEN jupiter 「天体観測」より引用

つまり、多くの人の耳にのこるあの印象的なイントロをある程度再現するには、ギターが3人以上いるのが望ましいということだ。
これは現実的になかなか難しい話で、天体観測ではその問題が顕著に現れたが、他のバンドのコピーを行う場合も例外ではない。
近年では同期を活用し、ライブでもリッチなサウンドを再現しているバンドが少なくないが、楽器のみでの演奏を行うスタイルのバンドについては、原曲の音源とライブ演奏を比べた際にライブ演奏が薄く聴こえてしまうのはある程度しょうがないことではある。

それにしてもギター8本は多いて。

②ベースが動く

ここからは理由①と比較すると瑣末な理由にはなるが、BUMPのコピーあるあるとして「ベースの動きが多い」ことが挙げられる。
初心者のコピーに推奨される楽曲は、ほぼほぼベースがルート弾きもしくはオクターブの連続などで構成されることが多いが、BUMPのベースはかなり動きの多いメロディアスなベースラインが展開される。
こうした主張の強いベースラインをコピーするのは中級者以上には良い練習になるし、楽しさが感じられると思うが、初心者にはそれなりにハードルが高く、何より暗譜が本当に大変だ。

③ボーカルが結構難しい

近年流行りの楽曲やバンドはハイトーンなボーカルが目立ち、歌唱の難易度として「音の高さ」が指標として重要視されることが多いように感じる。
その観点で見ると、天体観測はボーカルの最高音がmid2G#(G#4)であり、そこまで高い音ではない。
しかしながら、AメロではlowG#(G2)の音が使用されており、使用されている音域の広さで考えると天体観測は非常に広い音域で構成されており、それなりに歌唱難易度が高い楽曲だと考えている。
また、Aメロでは独特のが重要となる。

2002 株式会社リットーミュージック BUMP OF CHICKEN jupiter 「天体観測」より引用

ボーカル譜を見ると一目瞭然だが、フレーズの終わりに休符が入り、この休符や休符前の音価(フミキリ「に」の付点四分音符など)によって緊張感のある構成になっているように見受けられる。
この休符や音価を意識せずに歌うと「コレじゃない感」が非常に強い天体観測になってしまうだろう。

あと、普通に藤原基央は声が良すぎる。

なんだかんだ書いたがやってみるのも良し

以上、3つの理由から天体観測のコピーの難しさを分析したが、BUMP OF CHICKENが好きな方には上記の理由を跳ね除けてかっこいいコピーができると考えている。
有名な曲、比較的演奏しやすい曲といった観点で選曲すると火傷しやすい曲だが、逆に言えば上記の理由を一つづつクリアしていけば、誰もが知っている名曲を上手く演奏できるはずだ。それは大変な道のりになるかもしれないが、頑張るティーンエイジャーを応援している…!

俺か?バンプのコピーやりたかったけど友達がいないのでバンドやれてませんよ

この文章を読み切ったそこのキミ。

俺とバンドを組んでくれ…

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