あの超おもしろ異常特撮映画「サイコ・ゴアマン」を制作したスティーブン・コスタンスキ監督の映画が今(今というのは2026年の7月です)、日本で公開されている。しかも、2本同時に公開されている。こんなことは異常事態だ。こんな機会を絶対に逃してはならないから紹介をするぞ。
「フランキー・フリーコ」と「デスストーカー」の2本だ。
一つずつあらすじを添えながら紹介しよう。
デスストーカー


アミュレットを狙って次々襲ってくる敵を退けながら呪いを解く方法を求めて旅に出るデスストーカー。呪いを解く手がかりを知る魔法使いやひょんなことから仲間になった女盗賊たちとの旅の果てに待ち受けるものとは!?
呪いは解けるのか!? あとなんかすごい悪いやつから世界は守れるのか!?
みたいな映画。


本作は80年代の映画「勇者ストーカーの冒険」(ロジャー・コーマン制作)のリブート作品だ。基本的には剣と魔法の世界で繰り広げられるダークファンタジーではある。
なぜ「基本的には~~~ではある」なんて言い方をしているのかというと、かなり変な映画だからだ。
まず、80年代の映画をこの現代によみがえらせたとは思えないほどの「80年代かよ!!」と言いたくなるような濃厚な特撮が最初から最後までギッチリ詰まっている。
ラバー製の着ぐるみ化け物!!
飛び散る血糊!!
なんか、その他の汁!!
パペット!!
あと過剰なグロ!!


なぜこんなことになっているのかというと、監督がスーパー特撮狂いのスティーブン・コスタンスキ監督だからだ。
「今、あえての80年代風特撮です」といっても「つよつよCGをやるお金や技術がないから仕方なくこうなっている特撮の味」と「これが好きで好きで涎を垂らしながらやってる特撮の味」に分けられると思うが、本作がどう見ても後者であることはすぐにわかる。
また、シリアスなストーリーに「今のなんだったんだよ」と言いたくなる変なギャグがポンポン挟まってきて凄まじい映画になっているのも本作の味だ。
「カメラだけ新しいほとんど80年代みたいな特撮」を今映画館のスクリーンで見る贅沢な体験をぜひ劇場で味わってほしい。
また、制作および音楽にガンズ・アンド・ローゼズのギタリストであるスラッシュが関わっている。あの「ンボボボボォォ」で有名な少女生贄と同じだ。
そういうわけなので音楽はかなりかっこいい。
フランキー・フリーコ


するとフランキー、ドッティ、ボインクという3人の小さな化け物が家におしかけてきた!!
3人はコナーの自宅をボコボコ破壊しながら激しすぎるパーティを始めてしまう!! 止めようとしたコナーは3人の化け物相手に殺されそうになったり殺しそうになったりの応酬を繰り広げるが、やがて化け物たちとコナーの間には友情が芽生えていく……
コナーの日常は戻るのか、化け物たちはどこからきたのか、この話自体どうやって着地するのか……
みたいな映画。
説明できているだろうか……とにかくメチャクチャな映画だ。80年代風特撮を喰らえ!! オラー!!!! という勢いはデスストーカーと共通しているし、かなり変な映画であることも共通している。しかし剣と魔法のダークファンタジーであるデスストーカーと違って現代が舞台のコメディなのでもうちょっと軽い気持ちで見ることができる……だろうか……。




基本的には堅物男が破天荒なヤツらとの交流を通して友情を育み一皮剥けた男になる姿を描いた愉快な不条理コメディなのだが、不条理コメディとはいったもののその不条理さは想像を遥かに超えている。まあ想像を超えているから不条理ではあるのだが、そんなレベルじゃないんだよ本作は。


まず何よりフリーコ(3人の化け物)たちの傍若無人っぷりがすごい。コナー家に押しかけてきたフリーコたちは平気でコナーを銃撃したり首を吊らせたりコナーの上司を接着剤で固めたりするので普通にコナーを殺そうとしている敵にしか見えない。フリーコたちがそんなだからコナーもフリーコたちを普通に殴り殺そうと応戦する。
コナー頑張れ、化け物たちをやっつけろと思っていると、見ている俺の感情置いてけぼりでコナーとフリーコの間に友情が芽生えてくる。本当にすごい。そこから芽生える友情があってたまるかよ。首吊られてるんだぞ。


また物語の途中でフリーコたちもフリーコたちで問題を抱えていることがわかり、彼らの故郷に行く展開になる。ここがすごい。本当にすごい。変なことしか起こらない。フリーコたちの世界を牛耳っている悪いやつがコナーに着せる服が本当に変だから見てほしい。


一番度肝を抜かれたのはラスト、本当にめちゃめちゃだった本作がどんな結末を迎えるのだろうとドキドキしながら見ていたので様々な感情が押し寄せてくる。
「そんなのありかよ」
「ズルだろ」
「ズコーーーーー」
「でもメチャクチャな映画なのだから、これくらいメチャクチャな結末が相応しいぜ」
「ああ、なんか爽やかな良い映画だった気がするなあ」
そんなことを思いながら劇場を出た。
ぜひ見て「世の中色々な映画があるなあ」と思ってほしい。きっとあなたが見たことがないタイプの映画だと思う。
頭の中でボボボーボ・ボーボボのビュティみたいなツッコミをしながら見ると気持ちいいかもしれない。できるなら。
見よう
以上2作品を紹介してきた。見よう。気になったどちらかだけでもいいし、両方見ても良い。80年代風特撮を見て懐かしい気持ちになりたい人はもちろん、頭をメチャクチャにしたい人にもおすすめだ。







