『47RONIN』という映画があった。アメリカの映画だ。公開当時色々な意味で話題になっていたので知っている人も多いかもしれない。
日本の忠臣蔵をモチーフにしつつも大胆すぎるアレンジが加えられまくっており、多くの「なんか思ってたのと違うな!」という感想を生み出しながらも唯一無二のヘンテコさで一部の人の心には強めに刺さっている。
主演はみんな大好きキアヌ・リーブス。周りはしっかり実力派日本人キャストで固められている。この段階ではまだ四十七士の中に外国人のサムライがいたら……的なのかもしれないなと思っていたが、蓋を開けてみれば冒頭からファンタジーのモンスターが大暴れしているタイプの映画であった。マジ忠臣蔵を期待していた人はここで気持ちを切り替える必要がある。
他にも妖術師がバリバリに魔法みたいな妖術を使っていたり、天狗が武器を授けてくれたり、出島が相当ヤバかったり。見所には事欠かない。
忠臣蔵が下敷きではあるが、あくまでも下敷きになっているだけのオリエンタルファンタジーサムライ映画だと思ってほしい。少なくとも俺(筆者のナ月です)は大好きな映画だ。変だけど。
その47RONINの続編がいつの間にか制作されていつの間にかビデオスルーで日本に入ってきとるやんけ!!!! 言ってよ!!!!
47RONINは好きだけど、正直続編があるなんて考えもしなかった。そのせいで気がつくのがかなり遅れてしまった。だって……忠臣蔵の続編ってなんだよ。
いや、よく考えたら47RONINは全然忠臣蔵じゃない。つまり世界観を踏襲したオリジナル続編があっても全然不思議ではない。
タイトルは『47RONIN-ザ・ブレイド-』
絶対見なきゃと思った。そして、見た。
〜47RONIN-ザ・ブレイド- あらすじ〜
時代は現代。邪悪な妖術師がサムライを滅ぼそうとしていた。(現代でもバリバリにサムライがいる世界)
四十七士の末裔が持てば強大な力を発揮するという天狗の刀が二つに分割されて隠されているぞ! サムライたちは邪悪な妖術師より先に天狗の刀を手に入れることができるのか!? 物語の鍵を握るアメリカ人女性、ルナは果たして何者なのか!? ニンジャも出るよ!!
こんな感じの映画だった。どう紹介したものか迷うが、間違いなく47RONINの変な日本感が好きな人はこれも好きだと思う。あと、ニンジャスレイヤーみたいなのが好きな人には響くものがあると思う。俺はかなり楽しむことができた。
見どころをいくつか紹介したい。ネタバレは若干ある。あまり気にしなくて良いタイプの映画ではあるけど、気になる人はここまででブラウザバックして見てこよう。
47RONIN-ザ・ブレイド-の見どころ1 ちょうどいいくらいの前作要素
好きな映画の続編が公開されたぞ! となると一番気になるのは前作の要素がどんな感じで活かされているのかというところだろう。
本作のキーアイテムとなるのは、前作47RONINで四十七士が天狗から授かった刀。あれがまた出てくる。
四十七士の末裔が使えば強大な力を得ることができるという……そんなことになってるんだ、あれ。
前作との繋がりはこれくらいなのであまり気にすることなく見ることもできるし、見た人は「ああ、あの天狗のやつね……」とニヤつくこともできる。ちょうどいいくらいの前作要素だ。
この黄色いのが前作の天狗。良いよね天狗のシーン。あんまり天狗っぽくないけど。
天狗の刀(吹き替え版だと天狗の太刀と呼ばれているけどどう見ても太刀なんて長さではない)は二つに分割されて、四十七士の末裔と妖術師によって隠されている。
この分割の仕方がすごい。刀が綺麗に縦半分に真っ二つになっている。そんなわけねえだろってくらい綺麗に真っ二つになっている。あまりにも変すぎて笑ってしまったが、天狗の刀なのでそういうこともできるのかもしれない。
47RONIN-ザ・ブレイド-の見どころ2 世界観、舞台、衣装
本作はあのオリエンタルファンタジーサムライ映画47RONINの続編だ。しかも舞台は現代ときたもんだ。一体どんなサムライを見せてくれるのか楽しみで仕方ないことだろう。
時代は現代。サムライという存在がそのまま全然残っている社会らしい。しかも世界的にサムライがいる。前作の後何があったんだ。ストーリーには全然関わってこないけどアフリカ系のサムライとか出てくる。
このサムライたちの服装が個性豊かでかなり良い。それぞれ和装と洋装がミックスされていて絶妙にカッコいい。
スーツに帯とか、和装にちょっとだけ洋服混ざってるとか、特殊部隊のアーマーに武士の鎧っぽさがあるとか、言ってしまえばニンジャスレイヤー的なカッコ良さがある。
予告編の一部だけでもうワクワクしてこないだろうか。元々の47RONINの日本感がかなりヘンテコだったので、このアレンジサムライも「まあ、47RONINの未来のサムライはこうなってても全然変じゃないよな」と受け入れられた。元がファンタジーサムライだと無敵だ。
三つ編みミニスカ絶対領域和風ヒラヒラ服二刀流女武芸者。良すぎる。こういうのが好きな人には大変刺さる映画だ。
物語の鍵を握るアメリカ人女性、ルナ。一体誰の末裔なんだ……。
前作同様日本人キャストが多いけど、かなり多国籍な映画だな〜という印象を受けた。何よりまず舞台となるのがハンガリーのブダペストだ。サイバー日本ってことにしているどこかなのかなと思いながら見ていたら普通にブダペストと言われたので「ブダペストぉ!?!?!?」と声を出してしまった。
四十七士も遠い未来のブダペストで末裔が戦っているとは夢にも思わないだろうな。
47RONIN-ザ・ブレイド-の見どころ3 暴力
サムライ映画といえば剣術アクションは外せない。もちろん本作も剣術アクションてんこ盛りだ。嬉しい。
流行りのハイスピードキレキレアクションというよりは、刀の重たさが伝わってくるような殺陣だなという印象を受けた。
かといって重鈍でだるいというわけではなく、絵作りがカッコいいのと雑魚敵枠のニンジャがバッタバッタ死ぬので見ていて気持ちがいい(あと最近のアクション映画がキレキレすぎるだけで十分早くはある)。
めっちゃ人が死ぬし流血もかなり景気がいい。嬉しい。
剣術アクション以外にも現代のサムライなので銃を使うやつがいたりクソでかい棍棒を持ってるやつがいたりして飽きないのも良い。
そして何より妖術師だ。妖術師が戦いに絡むと面白さが10倍くらいになる。
中央が現代の邪悪な妖術師、その名も「幽霊」
妖術師はその名の通り妖術を使う。前作でも女妖術師がドラゴンに変化して四十七士を苦しめたりしていたのでその恐ろしさがわかってもらえると思う。
本作の妖術師は予算の関係かさすがにドラゴンに変化まではしないものの、普通にシスの暗黒卿みたいなことはしてくる。十分ズルい。
地に足のついた剣術アクションに急にフォースみたいな妖術が差し込まれることで、アクションに劇薬みたいな味変が起こる。最高。ラストバトルは良すぎて爆笑してしまった。
見てね
『47RONIN-ザ・ブレイド-』たしかにあのオリエンタルファンタジーサムライ映画47RONINの遺伝子を受け継いでいる映画だった。かなり好き。
前作が好きな人、前作は見てないけど現代アレンジされたサムライとか好きそうな人は多分気にいるだろう。ビールとか飲みながら見るのにかなりちょうどいい温度感だ。
好きそうだなと思ったら見てみてね。