『デリー・ゲリー』お腹を壊したことが原因でマフィアに狙われてしまうドタバタコメディ映画【おすすめインド映画】

『デリー・ゲリー』(原題:Delhi Belly)

あらすじ

デリーに住むジャーナリストのタシ(イムラーン・カーン)、カメラマンのアループ(クナール・ロイ・カプール)、イラストレーターのニティン(ヴィール・ダース)はボロアパートに3人で暮らしている。
彼女から渡された荷物を中身を知らないまま約束の場所まで届けるよう依頼されるタシ。
タシは仕事があったため、アループに配達を頼む。アループは屋台で食べたチキンを食べて腹を壊してしまい、タシに頼まれた荷物とアループの検便をそれぞれニティンに届けてもらうことに。
しかしニティンはその荷物と検便を取り間違えてそれぞれ違う場所に届けてしまい…

2011年公開のインド映画で、『きっと、うまくいく』や『PK』でおなじみのアーミル・カーンプロデュース作でもある本作。

まずタイトルが酷い。

原題の「Delhi Belly」とはインドに来た旅行者がかかる食あたり・下痢を指す言葉で、それをもじった邦題『デリー・ゲリー』は初見だと普通に英語か何かだと思ってしまうが、ストレートに下痢のことである。

©︎2011 UTV Motion Pictures

しかし、映画の内容としてはそれで間違っておらず、不衛生な屋台(露骨に不衛生に描かれるが、割とリアルな描写らしい)が原因でお腹を壊してしまい、食中毒検査のための検便と配達しなければならない荷物が入れ違いになったことがきっかけでマフィアに命を狙われることになる物語だ。

©︎2011 UTV Motion Pictures

タイトル・あらすじの通り下品な描写や下ネタは多く、コメディーよりのドタバタ展開でマフィアと争うことになるのだが、男達VSマフィアという大事件が進行する中で、大家との家賃騒動や職場でのイザコザ、恋人との関係等の些細な出来事が連鎖して大ごとになり、それらが絡まり合って迎えるクライマックスは非常に盛り上がり、構成の上手さを感じる。

ミュージカル的なダンスシーンはほぼなく、上映時間も103分と短めのため一般的にイメージするインド映画とはやや毛色が異なるが、その分構えず気楽に観られるのも内容とマッチしていて良い点だろう。

シーンとマッチし疾走感のある挿入歌も本作の魅力なので、併せてお楽しみいただきたい。
インドのボリウッド映画業界の著名な審査員団によって選ばれる「スクリーン・アワード 男性歌手賞」を受賞しており、本国でヒットした『BHAAG DK BOSE』のサビは一度耳にしたら離れないキャッチーさがある。

インドで公開された際は、インドの映画認定の中央委員会(CBFC)にA:大人限定(18歳以上対象)のレーティングがなされた18禁映画だが、実際直接的な暴力・性的描写はあまりないので気軽にコメディ映画として楽しんで欲しい。

NETFLIXにて以前(2018年頃)配信されていたが、配信停止の後に最近再配信された(2021年1月現在)映画なので、気になった方はお早めにチェックを!

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