心霊調査室 鬼やば! 投稿された赤鬼映像の真実
2015年にリリースされた『心霊調査室 鬼やば! 』
投稿映像を元にその調査・検証を行うという心霊ビデオの基本的なフォーマットで進行するホラーモキュメンタリー作品の本作、タイトルにもある通り「鬼」をテーマにした作品となっている。
投稿された映像に映るのは赤黒い肌の謎の生き物…
都市民俗学者によるとそれは鬼だというが、本作ではその都市民俗学者の宮本圧二氏の
「鬼の語源は、隠れると書いて隠ぬ(おぬ)と読むことから。また、日本書紀では鬼と書いてモノと読む。古くからこの異形のものは「オヌモノ」と呼ばれていた」
との言葉から「オヌモノ」という名称が使用される。
このオヌモノを調査する中で遭遇する恐ろしい出来事が記録されたのが本作『心霊調査室 鬼やば! 』である。
本作は心霊ビデオのフォーマットを用いながら、そうした作品のツッコミどころを意図的に強調したような作りになっており、上記のような胡散臭い研究者の登場や鬼との遭遇などのトンデモ展開が凝縮されている。
鬼の出現は東京に貼られた結界が効力を失ったことが原因であり、そこでは江戸幕府が風水を利用し都市作りを行ったことや山手線が鉄の結界だとする史実や都市伝説をベースにした解説がなされ、鬼が現れる理由に一応真面目に理由付けがなされている。
そうした理由付けがありながらも、赤坂には赤鬼、青山には青鬼が出現するといった悪ふざけも味わい深い。
しかし、問題なのは続編である。
超鬼やば!
取材班が、とある探偵事務所を密着取材していると、アイドルグループ「Snow Drops」の一人・前田美里がストーカー被害に悩んでいるという相談が探偵事務所に舞い込んできた。ストーカーの実態を調査すべく、隠しカメラを設置。するとそこには、この世のものではない「オヌモノ=鬼」の姿が映り込んでいた…。
さらに、鬼の出現には驚愕の真実が隠されていた…。ただのストーカー事件ではない、未曽有の危機にどう立ち向かう!?
前作が一部ホラー界隈で盛り上がったことにより2018年に続編がリリースされた。
それがこの『超鬼やば!』だ。
前作とは異なり探偵がストーカー被害を調査する過程が描かれ、その調査でアイドルに付きまとっていたのが「鬼」だと判明する。
前作からの続投である胡散臭い民俗学者、宮本圧二氏。
彼によると、鬼は古来より「祭り」によって抑えられており、鬼祭がない地域の鬼はライブなどに現れてしまうのだという。
鬼がアイドルをつけ狙う理由が明らかになり、ストーカー被害を訴えていたアイドルを保護に向かったところ、時すでに遅し…
ビターン!!
と凄まじい勢いで殴り飛ばされる前田美里。
本作の他、『呪ギャル~芸能怨霊伝説~』や『心霊食堂2』などにも出演している前田美里だが、日テレジェニックにも選ばれた彼女の体を張った演技も本作の魅力だ。
前作とは異なり多様な鬼が登場する本作、さらに厄介なことに結界が崩壊してしまったこの日本では「人間の鬼化」も進行しているのだという。
それも、鬼に噛まれるなどといった条件は特になく、ストレスで鬼になってしまう。
後半は一億総鬼化の危険の中、仲間の鬼化を止めるべく奮闘することになるのだが、その際、民俗学者の宮本氏が用意した秘策が発動する。
FGOにも登場し地名度の高い「渡辺 綱(わたなべ の つな)」が酒呑童子を退治した逸話を元に5人の渡辺を用意し、渡辺の結界を貼る宮本氏。
渡辺の結界!
最終盤、鬼化を止めるための熱い戦いをぜひ実際に確かめて欲しい。
ラストの展開は予測不能で度肝を抜かれること間違いなしだ。
このように続編では1作目以上にコメディに寄っており、観る人を選ぶ内容となっているが、それぞれ40分程度でサクッと観ることができるうえに、現在、期間限定でYouTubeにて無料で視聴可能なので変わった作品を見たい方におすすめだ。
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