ライターのナ月だぜ! さ~って! 『ハロウィン』の6月号でも読もうかな!

突然何が始まったんだと思われたかもしれない。漫画の話だ。俺は漫画が好きだ。
この『ハロウィン』ってのは昭和の終わり頃から平成初期ごろまで朝日ソノラマから刊行されていたホラー・オカルト系に特化した少女漫画雑誌だぜ。伊藤淳二先生のデビュー作、『富江』とかが掲載されていた雑誌だ。それがどういうわけか手元にある。だから読む。
それにしてもおどろおどろしい表紙だな~! さすがホラー専門の漫画雑誌だぜ。なになに、今号の見所は……あ!!




え~~~!! ホラー映画先行誌上ロードショー‼『エルム街の悪夢』だってェー!! どういうことなんだァ~!!




ジャーン。というわけでなんとあの名作ホラー映画『エルム街の悪夢』には日本版コミカライズが存在していたんだぜ。作は亜木蒼子先生。
ハロウィン名物と書いてあるとおり、ハロウィン誌にはこうして公開直前の映画のコミカライズがたびたび掲載されていた。他の号では『バタリアン』とか『死霊のえじき』とかコミカライズされているぞ。
覚えている人がどれだけいるかわからないけど、コロコロコミックで『スモールソルジャーズ』のコミカライズが掲載されてたような感じだと思ってくれ。あれ面白かったよな。




せっかくなので中身を簡単に紹介していこう。冒頭、恋人のロッドと寝ていたティナがなんか超常的な力でメチャメチャになって死ぬ。こえ~。ホラーで彼氏と寝た女は大抵死ぬから仕方がないとはいえ怖い。せめてもうちょっと楽に死にたい。
今更だがこのコミカライズはかなり原作映画に忠実というか、ほとんど完璧にそのままだからまだ原作映画見てないならネタバレ注意だぜ。




駆けつける主人公ナンシーとその恋人グレン。赤黒の二色刷りってホラー漫画に映えるな。これは雑誌掲載ならではかもしれないな。
余談だがあのジョニー・デップが俳優デビューしたのがこのグレン(裸じゃない方の男)だ。




冒頭で死んだティナが夢で見ていたという「ナイフのような爪の男」の話をするナンシー。いったい誰なんだ……。ウルヴァリン以外にいるのかそんな奴が……。




そしてナンシーの夢にも現れるナイフのような爪の男。 一体誰なんだ!!




誰なんだ!! 何者なんだ!! デフォルメ顔のナンシーが可愛いな!!




「フレディだよ」
フレディか~そっか~。




「フレディだよ」
なんかいいな。和む自己紹介だ。この顔でも可愛く見える。俺も今度から自己紹介は「ナ月だよ」みたいにしていこうかな。




もちろん有名なあのバスタブのシーンもある。ここだけ見たらなんだか全然わからんな。まあ原作でも引いていくときは結構「スッ」って感じだしな。
物語としてはこの後なんか冒頭で恋人ティナ殺しの疑いをかけられてしまったロッド(彼ピの方)もフレディに殺されてしまってヤバくなったのでナンシーは何かを知っているっぽい大人たちを問い詰める。
そして大人たちがかつてこの街にいたロリコン殺人鬼「フレディ・クルーガー」を焼き殺したことを明かされる。




焼かれている生前のフレディの図。何もそんな殺し方しなくても。
さて焼かれて死んだはずのフレディが夢の中で殺してくるぞ、いったいどうすればいいのか。ナンシーはなんとか倒す方法を考える。




友人二人が殺されたとは思えないグレン(演:ジョニー・デップ)。でもこういう時こそこういうやつがいてほしいよな。




グレンのリアクションがいい。「なんだってェ!?……」




しかしその後普通に寝てしまいグレン死亡。これも有名なシーンなのでここだけ見たことある人も多いかも。




ナンシーの母談、お前たちのせいだよ。




そしてなんやかんやあってフレディを退治しました。やったね。どうやったかは原作映画を見よう。




死んだみんなもなんかいるぞ! よかったね! いや、果たしてこれは現実だろうか、まだ夢の中なのではないのか、どうなのだ……どこまでが夢なんだ。とまあ原作同様の終わり方だ。
こんな感じだエルム街の悪夢のコミカライズ、「へぇ~、日本版コミカライズなんてあるんだ」というのを覚えておくといつかなんかの役に立つかもしれない。
かなり原作に忠実なので、もしも読む機会があったら「あのシーン漫画で表現するとこうなるんだ~」みたいに楽しめることだろう。まんだらけとか探せばあるかもしれない。
そもそも原作映画を見てない人はとりあえず原作映画を見よう。エルム街の悪夢、面白いぞ。いいから見て。お願いだ。頼む。
漫画ならではの見どころとしては、やっぱり少女漫画チックな絵柄で描かれたキャラクターたちだろう。『ハロウィン』はホラーオカルト「少女漫画」誌なので。




少女漫画目のフレディがたびたび飛び出してくるので最高だぜ、日本版コミカライズ。
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