クリスマスに年末年始休暇…。イベントごとが多いこの季節、皆様お仕事のモチベーションはいかがでしょうか?(この時期が繁忙期の方、お疲れ様です…!)
筆者はというと、目前に控えた長期休暇を前に、もはや仕事のモチベーションは皆無…。ぐうたら社会人と叱られても仕方がないくらい、目前の長期休暇に浮足立っております。(そうでなくても仕事へのモチベは基本低い)
最近はスキマ時間があれば、来年の初売りに何を買おうか考えている始末…。このままではいけない…。夏に仕事が決まったのにクビになるぞ…。
そこで、モチベーションをなんとか上げたい一心でこんな事を考えました。
労働者が主人公の映画を見て、その映画の影響を受ければ仕事へのモチベーションも上がるのではないか?と。
いわゆるお仕事映画というやつです。ただ海外のお仕事映画で思いつくのが『プラダを着た悪魔』や『マイ・インターン』のようなキラキラした雰囲気があり、自分のようなサラリーマンとはかなり乖離がすごい…。
そこで今回は邦画に絞り、かつサラリーマンを題材にした作品に定評(?)がある、池井戸潤原作映画を3つピックアップしてみました。
①『空飛ぶタイヤ』
②『七つの会議』
③『アキラとあきら』
ドラマ「半沢直樹」など、知らない人はいないくらいの知名度を持つ池井戸潤ですが、映画化した原作は意外と少なく、今回は特に仕事のモチベーションに影響しそうな映画3点に絞って、モチベーションの変化を検証してみます。
検証方法
・鑑賞前にネットで仕事のモチベーションを診断
・上記の池井戸潤原作映画を鑑賞
・再度モチベーションを診断して変化を確認
ネット診断はこちらでやりました。
https://trilltrill.jp/personality-quizzes/183
色々探しましたが、多くは転職希望者向けの内容だったので、シンプルな質問で結果が出るこちらにしてみました。
↑一番下の選択肢以外全部やってるわ…。
モチベーションタイプ「刺激」…。
「どんとこい、ダラダラ生活!」くらい日々をなんとなぁく生きている身としては、やや意外な診断結果でした。
ちなみに筆者の仕事(ライターとは別の本業)は同じ作業を淡々と繰り返すタイプの仕事。そういう意味ではモチベーションで刺激が必要なのはなんとなく納得できます。
果たしてこのモチベーションが池井戸潤の原作映画でどう変化するのか…?
モチベアップの秘訣は理想の上司?『空飛ぶタイヤ』
【モチベアップポイント】
・理想の上司と部下の関係が尊い
長瀬智也が主演を務める経済サスペンス映画。トラックの脱輪事故により一人の主婦が亡くなり、整備不良を疑われた赤松運送の社長・赤松徳郎(長瀬智也)は、トラックの構造に欠陥があったことを知る。
赤松は製造元のホープ自動車に再調査を依頼しようとするが、全く取り合ってもらえない。しかし赤松だけでなく、ホープ自動車にリコール隠しの疑惑があると疑うものが他にも現れ始める…。
一見、大企業の闇に中小企業が立ち向うエンタメ作品かと思いきや、巨大な敵を倒すような爽快感よりも、八方塞がりになって追い詰められていく主人公・赤松の葛藤する姿が重厚な作風。
労働者が見れば、モチベが上がるというよりも「 一生懸命働いてなお、こんなリスクに直面する可能性があるのか…」と絶望しそうになるくらい、みるみる赤松社長の元気がなくなっていきます。
一方で、金髪のチャラめな若手整備士・門田(阿部顕嵐)が、実はめちゃくちゃ仕事に真面目な青年だったというギャップがとても良い…。彼が真面目に仕事をしていたおかげで、赤松運送はホープ自動車の構造上の不備に気づくことができたのです。
赤松は脱輪事故は門田の整備不良が原因と疑うも、誤解だと知りしっかり謝罪。門田も社長が諦めない限りついて行くと断言するシーンは、作中でもかなりアツい場面でした。若手の離職率を下げるには、理想の上司がいれば一発で解決するかもしれない…。
仕事へのモチベーションUPという面で見れば、後述する作品と比べてもやや弱いです。しかし門田と社長の関係性は、働きがいの理想的な構図(社員のことをしっかり考える社長と、その期待に答えたい社員)となっていました。
ちなみにディーン・フジオカ演じるホープ自動車社員の沢田パートはモチベアップどころか、大企業のよくないところをギュッと濃縮させたような権力社会が描かれ、労働モチベがゴリゴリと削られること必須です。(サスペンスとしての見ごたえは最高)
“無敵の平社員”から元気をもらおう『七つの会議』
【モチベアップポイント】
・仕事へのプライドと上司の圧の間に葛藤するサラリーマンの姿がアツい
・営業マンへの見方が変わる作風
東京建電の営業一課に勤める万年係長・八角民夫(野村萬斎)が、なぜ「結果絶対主義」の営業課であぐらをかいていられるのか?疑問に思う原島二課長(及川光博)だが、ある日八角の上司にあたる坂戸課長がパワハラ問題で異動処分される。
訴えた人物が八角だったことから、原島課長はなにか別の理由で坂戸が異動になったのではないかと考える。しかしこのパワハラ問題は東京建電が抱える問題の始まりに過ぎなかった…。
日本企業特有の「仕事の成果のためなら、何をしても許されるのか問題」について、真っ向から描いた社会派サスペンス。
同時に、自分の勤め先がこんなだったらマジでやだなあ…案件でもあります。昨今では某中古車販売会社の問題が話題になりましたが、企業の隠蔽や違法な業績UPによって、どれだけの社員、ひいては市民に影響が出るかを想像させる作品です。
オープニングでは2つの営業課が今期の成績を報告する会議が行われますが、ガチの営業マンが見れば、ストレスで胃をキリキリさせるほどスリリングです。
よくカンヌ国際映画祭とかでセンセーショナルすぎる映画が上映されると「退席者が続出!」なんて見出しが出ますが、社内イベントとかで『七つの会議』を上映すれば同じ現象が起きそう。
ノルマ未達、大勢の部下の前で叱責される上司、ノルマ達成した営業課と比較されまた叱責…。営業二課の原島課長が怒られすぎて吐いてましたが、自分が営業マンだったら同じ場面で仲良くゲロっていたと思います。
とはいえ、営業マンが靴底以上に精神をすり減らして働いているのが伝わるドラマ要素は、死に絶えたモチベーションにグサグサ刺さる…。自分は営業さんと直接やり取りすることも多いので、(真面目な)営業マンさんはもっと応援したいと思いました。
ちなみに営業マンが全員男性だったので「割と昔の設定かな?」と思ったらスマホを使っており「ああ…」 となったのはココだけの話。(『アキラとあきら』では上白石萌歌が演じる女性バンカーが登場し、男女差別されたことに真っ向から反論するシーンがありました)
古い体質の企業だから黒い秘密も生まれてしまうのかと思いきや、ラストの八角さんのセリフが全部ひっくり返してきて震えました。
モチベーションアップにはこれ!『アキラとあきら』
【モチベアップポイント】
・叩き上げで頑張る山崎瑛の姿
・同期、仲間との共闘で勝ち取る成功
・上司に認められる嬉しさ
正義感ある主人公がハマりまくる竹内涼真とクールながらも時折見せる弱さがグッと来る横浜流星の共演が見どころの本作。『七つの会議』のようなサスペンス要素に代わって、「努力・友情・勝利」的な要素が幅広い世代に刺さる作品でした。
僅かな出演シーンでしたが、満島真之介演じる銀行員の熱くて誠実なキャラクターも最高でした。あれこそ誰もが憧れる労働者の姿かもしれない…。
個人的には江口洋介演じる不動公ニの口癖「確・実・性」が流行語大賞に入らなかったことが悔やまれます(?)
『アキラとあきら』は若者二人が困難にぶつかったり、仕事の価値観で衝突しながらも成功を掴み取る「お仕事青春サクセスストーリー」となっています。
特に山崎瑛のパートはモチベに刺さりまくりな展開が盛りだくさんで最高です。山崎瑛はある案件で自分のポリシーを押し通した結果、田舎の支店に左遷されますが、そこから這い上がってくる様は、同じサラリーマンならかなりガッツをもらえるはず。
山崎は出世欲ではなく、仕事のやりがいを大切にするスタンスなので好感度もすごい高いです。誰もが「あんなふうに働けたらかっこいいよなあ…」と思うバンカーを熱演しています。
毎度鬼のように厳しい上司(主に不動)にもめげず稟議を通そうと奮闘したり、メチャクチャな案件にライバルや仲間を巻き込んで立ち向かったり…。キラキラした要素が一切ないのに、仕事の面白さ、難しさを全部乗せした作品でした。もうこれ見ればモチベ問題は全部解決しそう。
まとめ
最後に鑑賞前に行ったモチベーション診断をもう一回やりました。かなり間が空いていており、質問にどう答えたかも完全に忘れていたのですが…
モチベーション「キャリアアップ」だと…?
「少しでも成長しながら高い能力を身に着けようという向上心は素晴らしい!」と褒められてさえいます。えへへ…。(特に仕事への姿勢はまだ変わっていない)
鑑賞前の診断では「刺激でモチベーションをあげましょう!」と言われ…よく考えたら遠回しに「ダラダラ仕事するな」と指摘されていた同じ人間とは思えない診断結果が出ました。イエ~イ!
結論
- 池井戸潤の原作映画を見ると、仕事感やモチベーションに変化が起きる。
- もっとも効果が大きいと感じたの作品は『アキラとあきら』
- モチベーションが下がって転職を考えている場合は『空飛ぶタイヤ』がオススメ
年末年始も目前。(筆者のように)お休みが楽しみで気の抜けている方、逆に忙しすぎて「燃え尽き症候群」 が心配な方はぜひ参考にしてみてください!
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