2020年、映画クレヨンしんちゃんは3つの転機を迎えている!

『映画クレヨンしんちゃん激突!ラクガキングダムとほぼ4人の勇者』2020年4月24日(金)公開予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、公開日の延期が昨日アナウンスされました。
公開日は未定ですが、公開に先立ち「クレヨンしんちゃん」に関わる現状をお伝えします。
毎年恒例のように続いてきた劇場版のしんちゃんですが今年、3つの転機を迎えようとしています。どんな変化が起こっているのでしょうか。

長年のタブーとされていた、ぶりぶりざえもん解禁

まず、今年の劇場版の目玉と言っても過言ではないポイントが、人気キャラクター“ぶりぶりざえもん”の劇場版出演復活です。
言わずと知れたしんちゃんの描いたブタの落書きでお馴染みのキャラクターがぶりぶりざえもんです。ぶりぶりざえもんの劇場版への登場は、2005年公開の劇場版13弾『クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃』以来で、さらにボイス付きでの登場となると1999年公開の劇場版第7弾『クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦』まで遡ります。
これだけ間が空いてしまったのも、当初ぶりぶりざえもんの声を務めていた塩沢兼人さんが急死したことにより、長らくぶりぶりざえもんの声付きでの出演が、制作側で自粛されていたことに起因します。その後もゲームやLINEスタンプ、スピンオフ作品『SHIN-MEN』などで、スポットでの登場こそあれど、TVアニメ含めて新規のセリフ付きでの本格的な再登場は長らく行われてきませんでした。

そしてついに塩沢さんの後任として、ぶりぶりざえもん役が決まるのが2016年。声優・神谷浩史さんが後任として正式に決まり、TVアニメシリーズに久しぶりに登場します。そして、そのTVアニメシリーズでの活躍を経て、今回初めて神谷さんの吹き替えでのぶりぶりざえもんが劇場版に登場します。21年ぶりに見せる声付きのぶりぶりざえもんの勇姿。ぜひ目に焼き付けてきてください。

2人交代制に7年ぶりの変化が!

そしてもう一点、毎年恒例となっていた劇場版しんちゃんに大きな変化があったのが、
“監督”です。今回『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』で監督を務めるのは、劇場版クレヨンしんちゃんの監督としては初登板となる京極尚彦さん。過去の劇場公開作品では『ラブライブ!The School Idol Movie』の監督などを務めています。

単純に新規監督が起用されるから、変化が起きてる!という話ではありません。実はクレヨンしんちゃんの劇場版はここ数年、 橋本昌和監督と高橋渉監督の交代制が7年も続いてきていました。

2013年〜2019年の映画クレヨンしんちゃんシリーズの監督一覧

橋本昌和監督:2013年 バカうまっ!B級グルメサバイバル!!
高橋渉監督 :2014年 ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん
橋本昌和監督:2015年 オラの引越し物語 サボテン大襲撃
高橋渉監督 :2016年 爆睡!ユメミーワールド大突撃
橋本昌和監督:2017年 襲来!!宇宙人シリリ
高橋渉監督 :2018年 爆盛!カンフーボーイズ〜拉麺大乱〜
橋本昌和監督:2019年 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜

2012年に劇場版クレヨンしんちゃんは興行収入が10億円を割るほど、落ち込む事態になっていたのですが、橋本昌和監督が2013年の『バカうまっ!B級グルメサバイバル!!』で興行成績を13億円にまで立て直し、2014年には高橋渉監督が『ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』で“大人も泣けるしんちゃん映画”の評判を立て直す活躍を見せ、以降はこの二人が1年おきに監督を交代して、クレヨンしんちゃんの映画を制作していくことになりました。結果、2015年には『オラの引越し物語 サボテン大襲撃』でシリーズ最高興行収入の22.8億円に到達。この7年間で平均的な興行収入も20億円は安定して獲得できるようになってきました。

そんな安定した流れからの今回の監督のバトンタッチ。プレッシャーが京極監督にかかります。果たして、ここまでの好調な流れをうまく次に繋げていくことができるのか、にも注目したいところです。……ただ、運の悪いことに今年は新型コロナウイルスショックが直撃。そのあたりが作品の良し悪しに関わらず悪影響を及ぼすのは確実なので、ある意味すでに貧乏くじを引いたみたいになってしまっているのが悲しいところです。

実はTVアニメシリーズにも変化が?

そして、実は映画に限った話だけでなければ、もう一つクレヨンしんちゃんは2020年に大きな変化を迎えている状況にもあります。それは、2019年10月より、放送時間帯をドラえもんと一緒に土曜の夕方に移動している点です。
過去にも土曜日を放送日としていたこともあるしんちゃんですが、ここ15年は金曜日のゴールデンタイムの放送が定番となっていた作品です。放送時間の変更により、視聴率が2%台に落ち込む回が生まれてくるなど、明らかな悪影響を受けていると言えます。

(参考:https://hochi.news/articles/20191203-OHT1T50134.html

この向かい風の状況の中、公開を迎える今年の『映画クレヨンしんちゃん激突!ラクガキングダムとほぼ4人の勇者』。映画の面白さはもちろんのこと、その興行の行方自体も気になるところです。

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