名作アニメ映画『パプリカ』 ―夢と現実の境目がわからない君へ―

好きな映画を好きに紹介していいといわれているので、好きにやります。流行りとか、ブームとかすっかり無視するよ。ミッドサマーもまだ見てないんだよ(2020年3月執筆中の現在)

そんな訳でこちらをご紹介。

★『パプリカ』 ‐ 2006年 今敏

―カオスな夢に飛び込む映画『パプリカ』 ~結局パプリカって何なのよ~

他人の夢に入り込める「DCミニ」という機械を取り巻く人々とその心理を巡るSF~なアニメ映画。

あらすじ

精神医療研究所が開発した、他人の夢を共有できる画期的テクノロジー”DCミニ”が盗まれた。それを機に研究員たちは次々に奇怪な夢を見るようになり、精神を冒されていく。謎の解明に挑む美人セラピスト千葉敦子は、極秘のセラピーを行うため、性格も容姿もまったく別人の”夢探偵パプリカ”に姿を変え、クライアントの夢の中へと入り込む。しかし、狂ったイメージに汚染された夢の中では、おぞましい罠がパプリカを待ち受けていた…。

小難しいSFに思えるこの映画だけど、主人公が別の世界に迷い込んでエンディングへと向かう、というわかりやすい話になっているのでSF初心者でもラフに楽しめるよ。
(この不思議の国のアリスによく似た構成を私は勝手に「アリスシステム」と呼んでいるのだけど、他の人がそう呼ぶのを見たことがない。この単語流行って)

アホなオタクとしてのコメントを忌憚なく書かせていただくと、作画が良い~!
ごちゃごちゃした世界観と背景、曲がもう好みof好み。
個人的にはジャパニメーションの中でかなり好きな作品。ハッキリ言ってクセは強い。けどオススメ。

私は眠っている時の『夢』をテーマにした作品が好きなんですが、その中でも『夢』に対する表現が面白いのが特徴。

この映画における『夢』って、あくまで”知っているものの組み合わせでしかない”作りになってる。

特にパレード。あの気味悪くて派手な行列の中身は、日本に住む人が見たことあるものしかないんですよ。夢の中の人が話すよくわからない言葉も、単語自体はそんなに難しくない。(時田は別として)

遊園地とかの場所や看板も、全部登場人物が行ったり見たりした物になってる。
パッと見、ぶっ飛んだファンタジーみたいな映画だけど、きっちりと”夢は人間の脳が生み出すもの”という作りになってるんですよね。

最初はただの主人公だったパプリカが、途中で夢と現実の架け橋になる。
この演出によって、視聴者の我々に”夢で起きる不条理”を自然な形で追体験させてくれる。ようは『夢』の疑似体験ができる映画なのです。悪夢にも思えるけど。
(そういえば「質問は後!」って、後からも別に質問させてくれねーんだよなあ……)

―積みあがる音楽と不安 ~マーチングってワクワクするよね~

この映画の音楽はみんな大好き、平沢進氏である。
いやいいんだ、難しいことを言わなくても。なんだかわかんない映画なんだから、なんだかわかんない音楽で。なんだかわかんない曲で。それがものすごくマッチしてるんだ。

なんだかわからないがすごいヒラサワ

先述したパレードのシーンは特に、積みあがっていくようなマーチングソングとガラクタの山が城を作るように荘厳な雰囲気を作ってて圧巻。なんかおぞましい物がきてる感じがする。

例えが同じシーンばっかりになっているのはネタバレしないようにしているためなのでご了承いただきたい。あとやっぱり名シーンなのよ、ここが。不気味で綺麗でなんかいい。

―”夢”と”現実” ~どっちがどっち~

最後まで見た人ならわかると思うんだけど、この映画って『夢』と『現実』の境目がわからなくなる。”夢うつつ”って感じ。(小説未読なので映画だけの話ね)

『夢』って自分の理想を描けると思いがちだけど、実際には悪夢も存在してる。
”夢=理想”ではないのよね。自分の知識や経験からしか見られないから赤ちゃんはその日の出来事を夢で反芻するというし。

夢って現実の延長線上かもしれないけど、それでも理解不能な体験とかが夢で起きるのもまた事実。そんな映画。

OPのスタッフロール演出まで素晴らしいので、気になった方は是非みてね!
※2020年4月6日現在、U-NEXTにて配信中

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