『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』
ガンダム知らん勢でもおもしろいから見てほしい
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』めっちゃ良かった……。びっくりした。
マッジめちゃおもしろいので「ガンダム、よく知らんな~」「まじめに見たことないしな~」という人も見に行ってほしい。いいんですよ、ガンダムなんてどこから見たってさ。『閃ハサ』からガンダムオタクにデビューしたっていいんだよどんどん見ろ。ここから始めろ。マシーナリーとも子もナイトガンダムでガンダムオタクになった結果今は『閃ハサ』見た後高まりすぎて「ジョン・バウアー(※)がさぁ……」とか言い始めるオタクになっちゃったので気にするな。
※『逆シャア』に名前だけ出てくる偉い人
それでもどうしても「最低限の予習だけでもしてえな~!」という人類向けにマシーナリーとも子が雑予習シート作ったのでこちらをご覧ください。
こいつがあればOK! お友達にも見せてあげてね。
いや実際のところ「これ初見太郎だと難しくない?!」ってセリフが続くシーンもあるよ? だけどそういうシーン9割くらい『閃ハサ』初出用語で構成されてるのでマジで『逆襲のシャア』とか『ガンダムUC』見て無くてもイケるし、見てもイケない可能性が高い。気にしないでいきましょうわからないことを楽しみましょう。
あと画面づくりがすごくて、別にロボットとかが活躍してないシーンも全部カッコいいんだよな~。冒頭の「旅客機で高級官僚がダラダラしてるシーン」ですら「ウワーッ! 美術がいい!」って興奮する。
登場キャラも登場MSもぜーーーんぶ色気がすごくて全員エロい。なんだこれは。そういう奴らが市街地戦に巻き込まれて死にそうになるのでマジでいい気分になれます。
あとこの作品マジBLなんスよ。これはマジ。原作からしてBLだから。見てくれ…ホントなんだ。さあ下の予告編とかを見てよぉ、行け! 劇場に!
あんまり期待してなかった『UC』後のハサウェイ
で、ここからオタクの話なんだけどさ。私見る前はあんまり期待してなかったんだよね『閃ハサ』。だってさ、まず前提として『ガンダムUC』の大ヒットがあるわけじゃない。私も『UC』大好きだよ。原作も単行本全部発売日に買ってたし。けどやっぱ『UC』って福井さんの作品じゃん? そのあとにやはり福井さん原作の『ガンダムNT』があって、その流れで「次は『閃光のハサウェイ』やります!」でしょ? 正直「えぇ~っ!」ってなったよ、そりゃあ。『ガンダムNT』とか終盤バナージが出てきて「ここから新しい物語がスタートする…のか!?」みたいな雰囲気あったもんな。
だから『閃ハサ』も『NT』と『UC』を踏まえた新たな『閃ハサ』になりそうな雰囲気がぷんぷんしててかなり心配になったわけ。『閃ハサ』ってもう当時の富野さんの原液みてーな小説じゃない。それと『UC』『NT』をつなげるのってちょっと無理があるんじゃってか別物に改造しないと無理なのでは…って杞憂がね、湧いたわけですよ。空が落ちてくる!!!
そもそも原作からしてMSは4種類しか出てこないし戦闘シーンも3回くらいしかないしそのあたりもすごく改変されそうだな~。とか勝手に思ってたんですよ。別に改変されたうえでおもしろきゃあいいんだけど、かなり心配してた……というか「どうせ別物になっとるんやろなあ」みたいな諦観があった。あったんだけどさ!
原作リスペクトすげえし最新の映像化なのでリッチですごい
それがさ、すごく良かった。思ってたよりも原作のリスペクトがすごいのな! ギギのよくわからん言動とかそのまんまなのよ。ケネスが「新しい部隊の名前キルケー部隊にしようと思うんだけどさ」ってハサウェイとギギと話すシーンとか「このシーンのセリフ原作まんまなんじゃないの?」ってなるくらいそれっぽい! 富野会話が!
あと意外なほど『UC』から繋がるな描写がない。ミネバとかユニコーンガンダムの話とか全然出てこなくて多少『逆シャア』の話題が出るくらいなのよね。ディスプレイ画面が紫色なくらいじゃないか?『UC』っぽいのって。これは意外でしたわ。
とにかく『閃ハサ』っぽさがすごくて、なんでだろうと思ったらギギがあまりにもギギなんですよね。言動も挙動も完全に原作で読んだときの「やべー女だ」そのままのギギ・アンダルシアが現れて「やべー」って思わされるので『閃ハサ』らしさがビシッと通っている。
そうか『閃ハサ』でいちばん大事なのってマフティーのあり方とかΞガンダム・ペーネロペーとかじゃなくて「ギギとかいうやべー女」「それをとりまくハサウェイとケネスの関係」だったんだな。だから完全に『閃光のハサウェイ』として成り立ってるんだわ。もうね、途中からそれで入れ込みすぎちゃってホテルでハサウェイとケネスが気さくに会話するシーンとかで「未来」を幻視して涙ぐんでしまった。あれれ意外と私『閃ハサ』すきだったんだな……。それでいて画作りには『UC』でノウハウ培ったモダンさがすごく活かされていて、そういう映像で原作リスペクトをズバンとやってくるのですごい。り、理想なのでは?!
MSの描写も良くてすげ~重い。メッサーとかグスタフ・カールの重さ、金属感がすごい出てるし、「20m超のロボットが市街地で戦闘するということ」をめちゃめちゃ真摯に描いてて迫力がものすごい。『ガンダムF91』のコロニー戦とかあるじゃん。あれをすんげー真面目にアップグレードした描写がビシバシ出てきてシビれてしまう。メガ粒子の怖さがわかる。
MSがビシーン! と決めポーズで画面いっぱいに出てくるみたいなカットもなくて、でも真摯にギミックを駆使して真面目な戦いを繰り広げていくのでそのカッコよさに打ちのめされてしまう。メッサーがリアスカートを展開して滑空するとことか、グスタフ・カールのビーム・サーベル刃が短く発振するとことかうれしくなっちゃう。
あとMSがかっこいいのはわかるんだけどこのアニメ恐ろしいことにギャルセゾンとケッサリアまでかっこいいんだよ。そんなことある!?
「MSを載せられるということは人もたくさん載せられるということ」みたいなカンジで活用シーンが多いしカッコいいし人間に寄り添った描写がMS以上に多いのでうれしくなりまくってしまう。マジでこれまでのガンダム作品のなかでいちばんSFS(※)の描写がイカしてるんじゃないでしょうか。未知の体験すぎて感動した…。
※MSを空中輸送するための航空機
で、そういう骨太な量産型どもの描写を見せられてからのペーネロペーよ! 挙動が変態じみてるのはもちろん、ミノフスキーフライトシステムからウルトラ怪獣の鳴き声みたいな音が鳴る演出がキマってて大興奮した。
ΞガンダムVSペーネロペーも、期待どおり最新鋭VS最新鋭、ベテランVSシロートのバトルがお腹いっぱい見られて大満足。ファンネルミサイルが決して必殺技ではなく(決まり手ではある)、むしろ超高機動戦闘で飛び交うビームが怖いっていうのがすごく「うわぁ~シブいなぁ~」ってなってマジ大満足だった。感謝…。
いやホント、少なくとも今回の第一部(三部作なんだってさ)の時点では『閃光のハサウェイ』の映像化としても、ガンダムの新作としても非の打ち所がない。良すぎる。だからみんな見てほしいし、これまでガンダム知らなかった奴らも見て夢中になってほしい。こいつはマジで予想外にすごいぜ。まあ手のひら返しちゃった作品って好きに補正がかかるから褒めすぎてるところはあると思うけどほーんとおもしろかった。サンライズの力入れ具合もすごいので多分バンダイからもいっぱいオモチャが出るので付き合うと楽しいと思います。見ましょう。ほんじゃ。終わり。
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