タイアップ事故が起きていた『ミニオンズ フィーバー』!新型コロナウイルス直撃で実は2年の延期!

世の中、続きが気になるタイプのドラマや映画は数あれど、そういうタイプでもない作品についてはしれっと、人の目につかない所で果てしない時間をかけてリリースを果たすもの。

2022年7月15日(金)より日本公開を果たした『ミニオンズ フィーバー』も実はそんな一本です。

『ミニオンズ フィーバー』、公開までの道のりはあまりにも長い作品でした。
公開をスタートした今だからこそ改めてその道のりを振り返ってみましょう。

始まりは2020年!新型コロナウイルスの脅威

『ミニオンズ フィーバー』の映像がお披露目されたのは遡ること2020年。ちょうど新型コロナウイルスが世間を賑わせ始めた2月のことでした。

本編を観た人には分かる通り、2年前の予告映像とは思えないほど本編の内容がお披露目されています。

それもそのはず、この頃はまだ2020年夏の公開を予定していました。当時この映像が発表された際には、ボイスキャストにミッシェル・ヨーやタラジ・P・ヘンソン、ジャン=クロード・ヴァンダム、ダニー・トレホ、ドルフ・ラングレンといった豪華キャストの参加が発表されたりと、まさに公開を半年先に控えてのタイミングということでこれからどんどん盛り上がっていくというタイミングでした。

しかし、ご存知の通り2020年の初頭より徐々に世界規模で新型コロナウイルスが流行。二ヶ月後の2020年4月には、早くも2021年7月へと1年分の公開延期を発表しました。

本来は2020年の夏に公開を予定していたということで2020年の夏に、マクドナルドのハッピーセットのおまけのおもちゃには、しれっと『ミニオンズ フィーバー』仕様のミニオンたちが登場しています。映画の公開に合わせてタイアップを想定していたことを想像させます。

2021年もオアズケ!ワイスピの年だ!

しかし、ご存知の通り2021年に『ミニオンズ フィーバー』は公開されません。

その事実が明らかになったのは2021年の3月でした。まだまだコロナ禍の影響が強く、映画館への客足が完全には戻らない時勢の中、ユニバーサルピクチャーズとしてはサマーシーズンの勝負作品として『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』を1年の延期の上、上映することを改めて正式に発表。その発表とともに『ミニオンズ フィーバー』はさらに1年延期させて2022年に公開することを発表しました。

まだまだ家族連れで映画館へ足を運びづらいだろう、という時期ではあったわけですが、まさか丸2年も延期されるとは当初を思うとビックリ。やはりこの年も前年のマクドナルドよろしくタイアップ事故が発生してしまいました。

そんなアクシデントが起こっていたのが、人気ゲームタイトル『Minecraft(マインクラフト)』。

2021年7月に『怪盗グルー』シリーズや映画『ミニオンズ』の世界観を楽しめる新たなアドベンチャーマップ「ミニオンズ」が実装されたのですが、本来2021年の公開に合わせてのリリースだったのか、このコンテンツ内にも『ミニオンズ フィーバー』の内容が収録されていました。2022年の公開に1年先駆けて、ゲームの中で映画の内容を楽しめてしまう内容となっており、マインクラフト内で盛大なネタバレが発生してしまう事態となっていました。

タイアップ施策は、いざ足並みが揃うと効果は大きいわけですが、コロナウイルスのような稀な事態には、思わぬ歪みを生んでしまうこともあるのだという学びがある前例でした。

2022年の公開は結果的に大ヒット!

そんな、こっそりとネタバレが発生しながらも、2022年についに『ミニオンズ フィーバー』は公開となったわけです。2年もかけてボロボロとその映画の内容の片鱗が各所にこぼれ落ちていたこともあり、興行に影響がないのか心配になるところですが……アメリカでは日本よりも少しだけ早く7月初頭には公開をスタートし、コロナ禍に公開されたアニメーション映画ではNo.1の大ヒット!現在進行形で興行成績を伸ばしています。

2年の延期でネタバレが漏れていてもなんのその。蓋を開けてみれば、しっかり成功作となっているところがさすがミニオン!しっかりとそのブランド力を発揮してくれました。

それほどネタバレが重要な作品でもないということもあるのか、アメリカに限らず世界的にもしっかりヒット。ここ日本でも、ご存知の通り早くも興行収入10億円を越える数字で、8月の興行へと突入していきます。

改めてこうして振り返ると、『ミニオンズ フィーバー』の公開までの道のりが長かったことはもちろんのこと、これだけ映画の内容が漏れてても全然ヒットできる映画がある、というのは学びです。2年もの間、お漏らししながらも大ヒットを勝ち取るとは、恐るべしミニオン。これだけの勢いがあるのであれば、もしかするとミニオンは、今後21世紀のミッキーマウスとしてアニメーション界を長きに渡って牽引するキャラクターとなる力を秘めているのではないか、という可能性まで感じてしまいます。

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