今回プレイするのは、Kazuhide Okaが手掛けるPC向けタイトル『午前五時にピアノを弾く』。山の中のログハウスに住む少女が、まだ霧の濃い朝に散歩をしながら様々なものと出会う短編テキストADVだ。
選択肢によって増減する「眠気」「渇き」「狂気」「充電」の4つのパラメーターが上限に達しないように午前8時を迎えるのが目的だ。
僕も深夜や早朝の散歩が好きで、親にバレないようにこっそり家を抜け出し、近所をブラブラしていた。ただ……
父親の気配察知能力が高すぎるせいで、毎回玄関のドアを開けるたびにステルスゲームをやっているような気持ちになっていたんだよなあ。
朝の早い時間、この町には時々濃い霧が出る。彼女は何故だかわからないが、この濃い霧が大好きだった。薄手のコートを羽織り、数歩先も見えないくらいに真っ白な霧の中を散歩に出かけるのだった。
霧に覆われた町というと恐ろしげな雰囲気があるけど、本作のジャンルはホラーではない。多分。「狂気」のパラメーターの存在がちょっと引っかかるけど……。
家を出るとさっそく選択肢が現れた。謎の言語で書かれた看板を見つけたので、「翻訳をする」か「放っておくか」のどちらかを選ばなければならない。
「翻訳する」を選べば充電が+2されるが時間が経過する。「放っておく」なら狂気が+1されるだけで済むが時間は経過しない。午後8時まで時間を進めないといけないことだし翻訳してみようかな。
充電が+2されて時間が経過したけど、謎言語の看板についての言及はなく、次の選択肢が現れた。選択した結果はパラメーターの上限に現れるだけなのか。
野生のウサギや猫が現れたり、甘い香りのするシャボン玉がどこからともなく漂ってきたり、森深くで誰かの声が聞こえてきたような気がしてきたりと、不思議な現象に遭遇する。
老人の顔がついた魚って『シー◯ン』か!?
時には芝生に寝転がったり、古い建物に立ち寄るのもいいだろう。
電気がバチバチしているところには手を伸ばしてみるのも……いやいや、それは危ない!この女の子、好奇心が旺盛すぎるだろ!
特定のパラメーターに偏らせることなく満遍なく選んでいたし、まだ序盤なこともあって午前8時を無事に迎えられた。
……いや、実は一度好奇心に負けて、わざと狂気をマックスにしてゲームオーバーになっていた。
8時からは選択肢のない短いストーリーパートだ。どうやら彼女の家族は山を降りたところに引っ越す予定で、彼女は引っ越しまでの束の間を思い入れのあるこの家で過ごしているらしい。
ストーリーパートを終えると一日が終了し、次のエピソードへと移行する。
翌日も午前五時になると、彼女はまた霧の中の散歩を始めた。エピソードが進むごとにパラメーターの上昇値も少しずつ上昇し、ゲームオーバーに近くなっていく。
パラメーターの上昇を抑えるアイテムも登場するんだけど、同時に所持できるのは3つまでなので、どのアイテムを選ぶか慎重に決めなきゃいけないな
ミントガムを噛みながら、ポケットナイフと水晶玉を抱えている、およそ散歩とは思えないスタイルが完成した。これまでのプレイで狂気が上がりがちだったので、狂気を下げるアイテムを多めに所有しているぞ。
濡れたタオルは渇きを解消する。そういや僕も真夏の朝に散歩をしていたころ、濡れたタオルをよく使っていたけど、彼女はこんなおっさんみたいな使い方はしないだろうな……。
その日の散歩を終えると、壮年の男性と出会った。彼は自分の名前も何もかも覚えていないという。だけど彼女は不思議なことに、その男性と初めてあったような気がしなかった。
彼女と彼はどういう関係だったのか……散歩を続けて行く間にわかっていくのだろう。この先は是非皆さんの目で確かめてみてくれ!
エンディングは複数あり、特定の条件が必要なものも含め、1時間半ほどでクリアが出来た。
パラメーターを管理しながら選択していく繰り返しなんだけど、先の気になるストーリーと本作の持つまったりとした雰囲気に引っ張られ、途中でダレることなく一気にプレイ出来た。
ストーリー・ビジュアル・サウンドともに雰囲気が抜群に良く、短編小説を読むような気持ちで楽しめたぞ。
同じ開発者のテキストADV『ナツノカナタ』も無料で配信されているので、本作と合わせてプレイしてみよう!
午前五時にピアノを弾く
steam:https://store.steampowered.com/app/2378460/_/
ナツノカナタ
steam:https://store.steampowered.com/app/1684660/_/
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