強火のダース・ベイダー夢ゲー『Vader Immortal』をやった方がいいんだぞ

 スターウォーズ、いいよな。スターウォーズの世界に行きてえよな。銀河を股にかけて冒険してえよな。あわよくばライトセーバーの使い手になってみたいし、贅沢を言えばフォースも使いたい。

 しかしそんな夢、死んで生まれ変わったとしても叶うとは思えない。来世は貧弱な野良犬とかかもしれないし、奇跡的にスターウォーズの世界に生まれ変わったとしてもスターウォーズの世界の貧弱な野良犬的なクリーチャーかもしれないワン。

 きっと読者の皆様もそんな悩みを抱えていることだと思う。気持ちは痛いほどわかる。だが絶望するにはまだ早いぜ。この世界には『Vader Immortal』があるからな。

『Vader Immortal』とは2019年に発表されたスターウォーズの世界を舞台にしたVRゲームだ。スターウォーズの世界の美味しい部分だけを贅沢に自分の体験として楽しむことができる名作だ。

 さらにこのゲームはタイトル通りダース・ベイダーが登場する。そればかりかダース・ベイダーの夢女子(実際は多分夢男子)が作ったんじゃねえかというほどダース・ベイダー夢ゲーとなっている。

 本作はエピソード1~エピソード3(ややこしいが映画のEP1〜3ではなくて本作独自のナンバリング)の3本に分かれている。そのうちのエピソード1の内容をかいつまんで紹介しながら本作のスターウォーズ体験、そしてダース・ベイダー夢ゲーっぷりを紹介したい。

 ヘッドセットを被ってゲームを起動した瞬間から俺(お前)は銀河の密輸業者になっている。あの世界のアウトローってなんであんなに魅力的なんだろうな。

 ゲームはそんな俺(お前)の船がいきなりバシバシ攻撃を受けている状況から始まる。どうしよう。早速だが、もうここでスターウォーズの世界でやりたいことランキング上位のあれをやる。

 スイッチをカチカチ操作して(以下画像は全てゲーム中スクリーンショットです)

 ハイパードライブで逃げる!!!! 

 素晴らしいな。俺が俺の船を俺の手でハイパースペースに入れてピンチを脱する。トグルスイッチをカチカチする時点でよだれが出るぜ。

 やかましく軽口を叩きまくる相棒のドロイドもいるぞ。スターウォーズの世界においてはやかましく軽口を叩きまくる相棒のドロイドの存在はめちゃめちゃ心強い。

 さて、俺(お前)はハイパースペース逃亡をしていたはずが、どういうわけか強制的に引きずり出されてしまう。我々の世界でいうならば、高速道路を運転していたら不思議なことにいつの間にか一般道にいて急に警察に止められるくらい怖いことだ。

 そして頭上にヌーーっとスターデストロイヤーが見えてくる。VRなので俺(お前)自身の頭上に等身大がヌーーっと出てくる。デカすぎて笑ってしまう。

 そしてなんやかんやで俺(お前)は帝国に捕まってしまう。スターウォーズの世界のアウトローとしては一度くらい帝国に捕まってみたいというもの。

 連行された先は惑星ムスタファーに築かれたダース・ベイダーの城。ムスタファーといえば映画エピソード3のめちゃめちゃ暑そうなところだ。

 尋問ドロイドちゃんもいる。思ったよりデカくて怖い。

 いよいよベイダー卿が出てくる。ここで俺(お前)はベイダー卿になんか小さな箱を手渡されて「開けられたら生かしてやる」と無茶振りされる。怖い。

 怖いが、俺(お前)は主人公なのでこれを開けてしまう。なんか箱は特別な血統の人間にしか開けられないものだったらしく、俺(お前)はそのベイダー卿が探し回っていた特別な血統の人間だったことが判明する。夢展開だ。

 ベイダー卿は「後で使いをおくるわ」みたいなことを言ってどこかに行ってしまう。しかし俺(お前)は相棒のドロイドとその場にいた知らん細いおじさんと力を合わせて脱走を試みる。怖いから。

 ご存知の通りスターウォーズの世界の警備は全体的に問題があるので、簡単に抜け出すことができる。この脱走時のVRならではのアクションが楽しい。よじ登ったり破壊したり。

 逃げる道中、都合よく置いてあったライトセーバーを手に入れることができる。やっぱりこれだよな。スターウォーズの世界でやりたいことランキング最上位ではないだろうか、ライトセーバーを振り回す。

 VRゲームのコントローラーとライトセーバーの相性がすこぶるよくて、「全方向に切れる無質量の刃を持つ光の剣」を振っている感覚をこれでもかと味わうことができる。

 ライトセーバーを駆使したアクションもたっぷりある。

 エピソード1のクワイ=ガン・ジンみたいにでっかい障害物をゆっくり熱しながら切ったり

 ブラスターを弾き返して反撃したり

 もちろんチャンバラもやる。

 その後、なんやかんやで俺(お前)はベイダー卿の目的のために手を貸さざるを得なくなる。

 その過程でダース・ベイダーと共闘できる。迫り来るドロイド軍団をベイダー卿と一緒にバッサバッサ切るのだ。生きている間に俺とダース・ベイダーが共闘するなんて思ってもみなかった。いいんですか、俺なんかが。

 ここ。ここが良すぎる。この瞬間だけのためにプレイしてもいい。ダース・ベイダーと俺(お前)が共闘した上で、ダース・ベイダーが俺(お前)の手からフォースでライトセーバーを引ったくって二刀流をやる。ベイダー卿に恋するかと思った。いや、この瞬間ベイダー卿に恋した。

 そしてその戦いの中でベイダー卿が俺(お前)にフォースの才能を見出す……というのがVader Immortalエピソード1のあらすじだ。ダース・ベイダー夢展開すぎるぜ。

 さらにエピソード2ではベイダー卿直々に俺(お前)にフォースのトレーニングをしてくれるぞ。ダークサイド流で。

 本作はVRゲームとあって、操作以外にも没入感を高めるための工夫として主人公に名前が付けられていない。完全に俺(お前)自身が主人公となる。さらに物語はエピソード3(映画の方)~ローグ・ワンの間に位置する正史の一部とされている。

 これはすごいことだ。俺(お前)がこのゲームをプレイすることでスターウォーズの正史の一部になれるのだ。

 数年前のゲームではあるが、VR環境がなくて未プレイのスターウォーズオタクも多いと思う。無理してでもやろう。その価値がある。特にダース・ベイダー夢女子、夢男子はぜひプレイしてみてほしい。Meta(Oculus)Quest2やPSVRで遊べるぞ。さあ買え、買ってダース・ベイダーに恋しろ。

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