ポケットモンスター。縮めて「ポケモン」
この星の、不思議な不思議な生き物…。
今年で31歳になる筆者はガッツリポケモン世代。友達の「ポケモン青版」を羨ましく思ったり、アニメもかじりつくように見てました。しかし年を重ねるにつれて興味は薄れていき「ルビー・サファイア」シリーズ以降の作品はプレイしていません…。
そんな筆者が今ドはまりしているゲームが「Pokémon LEGENDS アルセウス」です。
「ダイヤモンド・パール」シリーズも遊んでいないのに、比較的自由度の高い遊び方、金銀版で御三家にいたヒノアラシがまた御三家に戻っているエモ要素など、上げたらキリのない刺さる内容が詰まっていたこともあり、発売当初からほぼ毎日コツコツプレイしています。
ハマっていたあの頃の楽しさがよみがえってきた筆者は「アニメの劇場版とか見た後に遊んだらもっと面白いのでは?」と考えました。
そこで今回は映画とゲームをリンクさせたい一心から、劇場版ポケモンに登場するポケモンのみで、あの裏ボスをクリアできるのか検証してみました。あの頃のエモを取り戻せ!!
「ポケモン アルセウス」のポケモンが登場する劇場映画とは?
今回は映画内でキーポケモンとして取り扱われているポケモンが「Pokémon LEGENDS アルセウス」にも登場している作品に絞って鑑賞します。
- 『結晶塔の帝王 ENTEI』(00)
対象キーポケモン:アンノーン
- 『ミュウと波導の勇者 ルカリオ』(05)
対象キーポケモン:ルカリオ
- 『ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ』(06)
対象キーポケモン:マナフィ
- 『ディアルガVSパルキアVSダークライ』(07)
対象ポケモン:ディアルガ、パルキア(ダークライ)
※ダークライは「ダイパリメイク」のデータがないとゲットできないため除外
- 『ギラティナと氷空の花束 シェイミ』(08)
対象キーポケモン:ギラティナ、(シェイミ)
※シェイミは「ソード・シールド」のデータがないとゲットできないため除外
- 『アルセウス 超克の時空へ』(09)
対象キーポケモン:アルセウス、ディアルガ、パルキア、ギラティナ、(ギザみみ)ピチュー
- 『幻影の覇者 ゾロアーク』(10)
対象キーポケモン:ゾロアーク、ゾロア
対象作はDPシリーズがメインですが、遡ればアンノーンが登場する『結晶塔の帝王 ENTEI』(00)まであります。一方で、やはりDP以降の伝説ポケモンが主役の映画は該当しませんでした。
まずは検証のために劇場版ポケモンを鑑賞する
裏ボスを打破する前に、まずは劇場版ポケモンを鑑賞します。意外とゲームとアニメで共通する設定もあったりするので、自分もゲームをやりながら「あ!これアニメでも見たやつだ!」ってなりたいんです…。
『結晶塔の帝王 ENTEI』(アンノーン)
アンノーンの力を手にした少女・ミーが、親のいない寂しさから父の声でしゃべるエンテイ(幻)を作り出し、エンテイがサトシの母親(ハナコ)を誘拐。結晶塔に幽閉し、催眠でミーのママと思わせる力業なストーリー。
しかし「幻よりもリアルの繋がりを大切にしよう」という、公開から20年以上経った現在にも刺さるテーマが描かれています。VRやらメタバースがちやほやされる現代に反旗を翻すような設定が最高です。個人的には「付き合いが長いから」という理由だけで、サトシたちを助けたロケット団がいい感じ…!
現実から目を背け、結晶塔から閉じこもる少女ミーを説得するシーンもアツいです。なんなら今一番見てほしい劇場版ポケモン作品かもしれません。
「Pokémon LEGENDS アルセウス」にも登場する主なポケモン
アンノーン/エイパム/トゲピー/ヒノアラシ/ロコン/ズバット/マンタイン/イワーク/バリヤード
※バリヤードはサトシの実家でハナコのお手伝いをしているだけで、戦闘には参加しません(そういえばそんな設定だったな…と思い出しながら観ていた)
『ミュウと波導の勇者 ルカリオ』(ルカリオ)
「はどうポケモン」のルカリオが、時代を超えて師匠と離れ離れになってしまうお話。その師匠とサトシが同じ波動の持ち主だったことから、ルカリオと共に「なぜ師匠はルカリオを突き放したのか」その過去を辿って知ることに…。
「ポケモン アルセウス」はかなり昔の話ですが『ミュウと波導の勇者 ルカリオ』の導入部では、まだモンスターボールが存在しなかった時代まで遡ります。さらに人間はポケモンを使って戦争をしているなど、かなりシリアスな展開も印象的です。
さらに、ほかの劇場版シリーズとは違って、人間の敵役がいない作品となっています。その代わり、この作品の舞台となる「世界のはじまりの樹」に住むポケモンから見た人間、つまりサトシたちが「部外者」という意味で悪役になっていました。
シリアスな展開とは別に、サトシとルカリオが普通に取っ組み合いのけんかをして池に落ちるという、冗談みたいなシーンがシュールで好きです。ルカリオのぼっち飯も拝めます。
「Pokémon LEGENDS アルセウス」にも登場する主なポケモン
ルカリオ/サイドン/ハガネール/マニューラ/マネネ/ムウマ/キュウコン/ゴンべ/ウソハチ/チリーン
『ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ』(マナフィ)
海賊×母性という異色の組み合わせを実現した本作。卵から孵ったマナフィがヒロインのハルカを母親と思って過ごす尊い時間が見どころです。あとちょいちょいマナフィの能力で『君の名は。』みたいな現象が起きます。
敵である海賊・ファントムとの対決シーンでは、サトシがスーパーサイヤ人みたいなオーラを纏って、微笑みながらファントムを追い回すシーンがめちゃくちゃ面白いです。もはやポケモンバトルでもなんでもないという。大人が見るとツッコみたくなるシーンがいくつかある一方で、キッズが純粋に楽しめる要素はたくさんあるので、お子様と一緒に鑑賞するのがおすすめ。あとピカチュウって泳げるんですね…。
ちなみに本作では「ポケモンレンジャー」にもフォーカスしており、謎のロープでポケモンを一時的に従えることが可能です。「この設定どっかで見たことあるなあ…」と思ったのですが、『アバター』でナヴィ族が触手みたいなものを使って、ほかの生き物とコネクトする演出と近いものがありました。もしかすると、ジェームズ・キャメロンはポケモンレンジャーのファンなのかもしれません(ポケモンレンジャーのファンって何?)
「Pokémon LEGENDS アルセウス」にも登場する主なポケモン
テッポウオ/オクタン/ハリーセン/タマンタ/マンタイン/パラセクト/ペラップ/ドジョッチ/ナマズン/ブイゼル/イーブイなど
『ディアルガVSパルキアVSダークライ』(ディアルガ、パルキア、ダークライ)
これまでゲストキャラクター(女性)が登場するたびに、タケシが「自分ランキング手帳」という謎ツールを持ち出しては女性にアプローチしてきましたが、ついにゲストキャラクターの情報を手帳に書き漏らす事態が発生。
これまで手帳のくだり→お姉さんを口説く→マサト(ハルカの弟)に耳を引っ張られる、という”お約束”も変わり、締めがグレッグルの「どくづき」という、扱いの過激さが増しているのもポイントです(ただしグレッグルの毒は腰痛に効くという設定がある)。
本作のキーポケモン・ダークライがこれまでのキーポケモンにないほど不遇な扱いを受けており(伝説ポケモンの大喧嘩に巻き込まれながら町を守っているのに、めちゃくちゃ悪者扱いされる)、鑑賞しながら「制作陣はダークライに親でも殺されたのか…」と思うほどでした。
作中でも「ポケモン アルセウス」同様、ディアルガとパルキアは時間と空間を象徴する存在として描かれています。この構図と闘いは『ギラティナと氷空の花束 シェイミ』へと続き、最終的にディアルガ・パルキア・ギラティナVSアルセウスという3対1に発展していきます。ほとんど『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』みたいな構図になっていくのが面白いです(劇場シリーズ的にも上記作品は3部作としてとらえられています)
「Pokémon LEGENDS アルセウス」にも登場する主なポケモン
ドダイトス/エンぺルド/ゴウカザル/コリンク/ルクシオ/レントラー/ミツハニー/アゲハンド/オニヤンマ/メガヤンマ/ムクホーク/ミノムッチ/ミノマダム(緑)/スミボー/チェリンボ/キルリア/エルレイド/べロベルト/ロズレイド/ビータル/ドンガラス/モジャンボ/クロバットなど
『ギラティナと氷空の花束 シェイミ』(ギラティナ、シェイミ)
前作でも人様のフィールドで大喧嘩していたディアルガとパルキアですが、その行いがギラティナの逆鱗に触れてしまい、本来保たれていなければならない「現実世界」と「反転世界」の均衡が崩れ始めます。
前作では、ダークライが悪役に見せかけて実は町を守っていたという設定もあり「さすがに本作のギラティナはヒールだろう…」と高を括っていたら、こちらも現実世界と反転世界の均衡を保つためにちゃっかり”いい奴”になっていました。意地でもポケモンを悪者にしないという、制作陣のポリシーを改めて感じられるストーリーとなっています。
また本作のキーポケモン・シェイミにまつわる「グラシデアの花」のエピソードは、「ポケモンアルセウス」のサブ任務「ありがとうを伝えたい」と同様に、感謝の気持ちを表すための花として登場します。心なしか、劇場版とゲーム内にあるグラシデアの花畑の周辺が似ているような気がしないでもないです(崖に囲まれているところとか…)
「Pokémon LEGENDS アルセウス」にも登場する主なポケモン
エテボース/グライオン/ラッキー/タテトプス/コイル/レアコイル/ジバコイル/タマザラシ/トドルガー/トドゼルガ/レジギガス/ユキノオー/ユキカムリ/ユキメノコ/ニャルマー/ムクバード/ヒコザル/ナエトル/ウリムー/ミミロル/パチリスなど
『アルセウス 超克の時空へ』(アルセウス、ディアルガ、パルキア、ギラティナ)
「神ポケ3部作」の大御所・アルセウスの登場にして、最終章となる本作。サトシたちが古代エジプトみたいな時代までタイムスリップして、アルセウスが人間に裏切られた原因を突き止めて阻止します。この時代ではモンスターボールはおろか、ポケモンのことを「魔獣」と呼んでいるし、へんな装具を付けられ奴隷のように扱われててかわいそう…。
ちなみに「ポケモン アルセウス」では伝説ポケモン枠だったヒードランが、ドータクンと同じ並びで扱われているのが切ない。しかも悪役の手持ちです。(名前の語感が似ているから?)さらに本作では神ポケと意志疎通ができる少女・シーナが登場するなど、いよいよ「モンスター・ヴァース」感が強まっていきます。
アルセウス(本作のアルセウスは人間の言葉を話すし、ずっと人間にキレてて怖い)の声を担当する美輪明宏さんによる「さばきのつぶて」は、いろんな意味で最&強。ディアルガ・パルキア・ギラティナが地面に伸びている貴重(?)なシーンも登場しました。
これはアルセウスに限ったことではないのですが、人の言葉を話す(テレパシーも含む)場合の声優さんが、毎回「イメージと違う!」ってならないのは地味にすごいと思いました。ルカリオ役の浪川大輔さんしかり、シェイミ役の山﨑バニラさんしかり。そもそも、ポケモンの声優を決める基準ってなんだ…?
「Pokémon LEGENDS アルセウス」にも登場する主なポケモン
ムクホーク/モウカザル/ハヤシガメ/マンムー/ヘラクロス/アゲハント/ダイノーズ レントラー/ヒードラン /ドータクン/ヒノアラシ
『幻影の覇者 ゾロアーク』(ゾロアーク、ゾロア)
DPシリーズ最後の劇場版。正直「神ポケ」3部作で出し尽くした感があるので、若干の蛇足感は否めませんが、ゾロア・ゾロアークの親子愛は「マナフィ」以来の感動を与えてくれます。あと金銀版で伝説ポケモンだったライコウ・スイクン・エンテイが謎のスポーツでこき使われるなど、全然伝説扱いされていないのが切ない…。
『結晶塔の帝王 ENTEI』でも現代に刺さるテーマが描かれていましたが、本作でも悪役の男コーダイがフェイク映像を巧みに使い、自分の悪事を全部ゾロアークに擦り付けようとします。この流れもまた、現代(特に某国)に刺さるテーマで印象深いです。
今回見た劇場版ポケモンの悪役は、海賊やマッドサイエンティストといったファンタジー要素が強いなかで、本作では割と現実にいそうな(クズ感の強い)悪役でした。悪役の存在感だけ地味に大人向けという、シリーズ内の立ち位置的もキャラの性格も不思議な作品です。
「Pokémon LEGENDS アルセウス」にも登場する主なポケモン
エレブーシリーズ(謎のスポーツをプレイしている)/ドダイトス/ゴウカザル/マンムー/モジャンボ/アゲハント/コロボーシ/コロトック/ハッサム/ムウマ/ムウマージ/トゲキッス/ドーミラーなど
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