こんにちは!映画好きVtuberのミラナ・ラヴィーナです!
本日も観る機会を逃していた名作映画の感想を書いてまいります。
今回のタイトルは『アルゴ(12)』です!
難解さはある、でも面白い!
本作は1979年に実際に起きた事件を元にした映画で、国際問題を扱った作品ということでなんか難しそう……の印象で何となく手が伸びずにいた作品でした。
しかし、おれたちの大好きなベン・アフレックが監督かつ主演だし、アカデミー賞作品賞もとっているし、いつかは観ておきたいんだよな〜、というそんなくすぶる思いに応えてくれるのがこの企画!
そんな流れで今回もエイヤと視聴を決めたのでした。本当にいい企画だな……。(自分で言う)
結論から言うと、確かに当時の社会情勢などが分かっていればもっと理解はしやすかったかなと感じられるところはありました。
ですが、さすがはベンアフ監督!映画向けに脚色された(史実と異なる)部分をかなり大きな見せ場にしたり、演出やセリフも上手かったりで、一本のエンタメ作品としてとても楽しめました!
あと作品の出来とはまったく関係なく本作はベンアフのビジュアルがめちゃくちゃカワイくて良かったです。
個人的に短髪の印象強いから前髪長めなの新鮮で……。
一瞬たりとも気が抜けない緊迫感!
本作は「あるCIA工作員が映画製作をでっちあげて、反米デモ隊に封鎖されたイランから米国外交官を映画スタッフと偽装して救出する」というあらすじなのですが、これあらすじだけでも読めば読むほどアメリカ人が好きそうすぎるし(偏見です)あまりにも映画すぎるので、実際に起きた事件だというのがなかなか信じられない……。
しかし、本作は劇中やエンディングで当時のニュースの映像や写真等が何度も流れるんですね。
やっぱり本物の映像を目にすると「これマジであったことなんだ……」というのが強く実感出来るので、かなり効果的だったと思います。
実話系映画で実際の映像が流れる演出が嫌いな人いないからね!
題材からも察せられる通りシリアスな映画なので作中では心臓が縮み上がるような展開も多いのですが、やっぱり終盤の盛り上がりとハラハラ感は特にすさまじかった!
イランから脱出する寸前、空港での出国手続きでひと悶着あり……搭乗直前にもデモ隊に怪しまれて出国を止められ……映画製作であることを信じてもらうためにあの手この手でデモ隊を説得し……発言を1つでも失敗したら即死!という状況なので応答のすべてが怖い!
しかもこのやり取りの裏で、デモ隊の本拠地で逃げている外交官たちの顔写真の修復が並行して進んでおり、「顔が明らかになる=偽装がバレる」でもあるのでもう一瞬たりとも気が抜けないわけです。
なんなら飛行機が離陸しても、これもう喜んでいいやつ…?もう成功したってことでいい…?となってしまって、しばらくホッとするタイミングが分からなかった……。
わたしは同時視聴配信をしながら観たのでまだ喋って気を紛らわせることが出来ましたが、映画館で1人で観たら観終わった瞬間ものすごい疲労感に襲われたんだろうな〜!肩とかすごい凝りそう。
映画史上最も緊張し続けさせられる作品の1本であることは間違いないですね。ヘタなホラー映画より怖いよ……。
人間ドラマとしての側面
心臓を握られるような怖さがある一方で、本作はプロフェッショナルの仕事ぶりがかっこいい映画だとも思いました。
ひとつの判断ミスも許されない命が懸かった状況でプロたちがテキパキと仕事を回すシーン、そりゃ〜観てて気持ちいいですわ!
特に好きだったのは偽の大作映画プロジェクトをやるということで起用された本職のプロデューサーと特殊メイクアーティストのふたり。
出番は少ないながらもすごく良いキャラクターでした!
ふたりとも喋りが達者で、ハリウッドという業界を揶揄するジョークを飛ばしたりプロジェクトを進めるためにハッタリをかましたりと、このふたりが出ているシーンは少し笑えるところもあって良い雰囲気でした。
「救出作戦だ」「どこから?」「世界最悪の地」「ユニバーサル・シティ?」とかめっちゃ笑っちゃった。
それに加えて主人公とプロデューサーが仕事人間すぎて家庭がうまくいっていないという共通点でお互いに心を開くシーンもあったりして、出てくる人々をしっかり”人間”として掘り下げることで人間ドラマとしても楽しめる作りになっていて、それが固過ぎない印象に繋がったところもあったと思います。
それから、前述した終盤の空港のシーンで、デモ隊の兵士たちに偽映画の絵コンテを見せて映画製作であることを説明するという展開があるのですが、武器を持った屈強な兵士たちが絵コンテを見て童心に帰ったように盛り上がっていたのがかなり印象的でした。
国籍や立場が違っても良い映画にワクワクする気持ちは同じという映画の持つ力を信じたシーンでありつつ、そんな相手とも対立しなければならないところに悲しさも感じられて、
これもまた”人間”を描くうえで重要なシーンだったと思います。
こういう細かくて短いけど印象に残るようなシーンを描けるのって映画の巧さだよなあ。
ベンアフ監督、すげえよ……。
本国でマットが泣きながら帰りを待ってるよ
すみません、最後にちょっとだけオタク・妄言いいですか?
火星に置き去りにされた宇宙飛行士がサバイバル生活を送る『オデッセイ(15)』が公開されたとき、主演がマット・デイモンだったので「地球で帰りを待つベンアフのことを思ったら涙が止まらなかった(ベンアフはこの映画に出演していません)」みたいなオタクの感想がバズっていました。
これどういうことかというと、以前『グッド・ウィル・ハンティング(97)』の記事でもネッチョリと語りましたが、マット・デイモンとベン・アフレックって業界屈指の仲良し幼なじみコンビなんですよ。
で、そんなコンビの片割れであるマットが火星に取り残されたとなったら、きっと地球ではベンアフは泣きながら帰りを待ってるだろうよ…という役者と役柄を大いに混同した感想なんですけど、わたしこれがめっちゃ好きだったんです。
結論としては、本作では逆の事が起きてるんじゃないかなって……ベンアフは外交官を救うために単身イランへ向かい生きて帰ってこられるかも分からない状況、これマット泣いて帰り待ってるだろって……そう思いながら観てました。
そういう楽しみ方も出来る映画です。当然ですがこの映画にマット・デイモンは出演していません。イマジナリーマット・デイモン。
最後の最後でオタクの妄想が飛び出してしまい恐縮でしたが、『アルゴ(12)』、緊迫感と人間ドラマの二本柱で良く出来た映画でした!
次回は新作映画『ナポレオン(23)』の予習というわけでもないですが、リドリー・スコット監督の『グラディエーター(00)』の感想記事になる予定です!
アルゴ作品情報
原題:ARGO
製作年:2012年
上映時間:120分
監督: ベン・アフレック
キャスト:ベン・アフレック, ブライアン・クランストン, アラン・アーキン
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