今更だけどアレ見よう『ショーシャンクの空に』/ミラナ・ラヴィーナ

ミラナ・ラヴィーナ

こんにちは!映画好きVtuberのミラナ・ラヴィーナです!

本日も観る機会を逃していた名作映画の感想を書いてまいります。
今回のタイトルは『ショーシャンクの空に(94)』です!

“名作映画”の代名詞

(C) 1994 Castle Rock Entertainment. (C) Dividen Productions/PeepShow Pictures. (C) 2004 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

『ショーシャンクの空に(94)』といえばタイトルを知らない人はおそらくあまりいないでしょう、まさに名作映画の代名詞……ですよね?しかし、わたしは何故か今まで観たことが無く、長年いつか観ようと思いつつウォッチリストの肥やしにしてしまっていました。
となると、どう考えてもこの感想記事のテーマにぴったりの作品すぎる!ということで、重い腰を上げやっと観ることにしたのです。

結論から言うと笑えて泣けて深みもあって、無駄なシーンがひとつもなく、本当によく出来た映画でした。これは名作として語り継がれるのも分かる。
本当にたくさんの人が観た方がいい作品ってこれのことや!

一方で、わたしが特に気に入ったのは作中で描かれるイヤな展開でした。イヤな気持ちになる映画が好きなので。最終的にはハッピーエンドだけど、そこに至るまでの過程を最悪にしてただの良い話にしないところが最高!
あと個人的には男と男もかなり強くて良かったです!(もちろんここについてはあとでじっくり語ります)

ここが最悪(最高)だよショーシャンク

なんといっても本作、映画史に残る最悪映画『ミスト(08)』、感動映画の皮をかぶった胸糞映画(個人の感想です)『グリーン・マイル(00)』の原作・監督コンビなんですよね。
そのため観る前からイヤ〜な展開があるんじゃないの?と思っていて、実際序盤から中盤にかけてはかなり「最悪!(最高!)」と言いたくなるシーンが多かったです。

(C) 1994 Castle Rock Entertainment. (C) Dividen Productions/PeepShow Pictures. (C) 2004 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

特に印象的だったのは、50年間収監されていた老囚人がある日唐突に仮釈放となり、刑務所から出て社会復帰を目指すものの、結局社会になじめず自死を選んでしまうという展開なのですが……。
「社会から逸脱してしまった人間(しかも老人)」を見るのって、自分もいつかこうなるかもという他人事じゃなさが本当に恐ろしくて、結構苦手意識が強いです。そりゃそうなっちゃうよなあ、という説得力のある描き方も後押ししてこのあたりは本当にしんどかった……。

この老囚人、収監中は主人公と友好的な関係にあり、治安の悪い刑務所内で特に穏やかで知的で良い人という印象が強かったので、そんな良い人(まあ終身刑もらってるので良い人ではないかもですが)がオドオドと道を歩き職場で怒られ刑務所に戻りたいと切望しながら呆然と寝起きするところなんてさあ……普通に見るのつらくない!?なんでこんなことするの!?

(C) 1994 Castle Rock Entertainment. (C) Dividen Productions/PeepShow Pictures. (C) 2004 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

それから、収監中に高卒試験に合格し、釈放後の人生に希望を持ち始めていたものの刑務所長の保身のために秘密裏に殺されてしまう若者のシーンもイヤでしたね。持ち上げて落とす、最悪展開の典型じゃん!
彼もまた主人公を慕うヤンチャでカワイイ奴という好印象を持って見ていたキャラクターだったので、退場してしまうやるせなさがすさまじく……。

ただ、この2人の死はストーリー的にかなり大きな意味を持っていて、観た瞬間は最悪〜!と思わされつつも、最終的にはこれは展開上必要な死であり、ただの胸糞目的ではないこともしっかり納得できるんですよね。
その辺はやっぱりダラボン監督、映画がうまい……!

絵に描いたようなスパダリエンド

(C) 1994 Castle Rock Entertainment. (C) Dividen Productions/PeepShow Pictures. (C) 2004 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

実のところ今回こそは男と男萌え抜きで真面目な感動映画の感想を書こう!別にこれは男と男を見出すことがテーマの記事じゃないから!と思っていたのですが、いざ観てみたら今まで記事のために観た映画の中で一番気持ちよくなれました。どういうこと?

 しかしまあ、まさかまたもやモーガン・フリーマンに萌えることになるとは……。(『ミリオンダラー・ベイビー(05)』の記事参照)人生というのはわからないものです。てかまずモーガン・フリーマン、名作に出すぎ。

モーガン・フリーマンの出演している映画あるあるとしてモーガン・フリーマンの演じるキャラクターの独白でストーリーが進みがちというのがあるかと思いますが、今作も御多分に漏れずその形式で進んでいきます。

(C) 1994 Castle Rock Entertainment. (C) Dividen Productions/PeepShow Pictures. (C) 2004 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

実はこの「キャラクターの独白で話が進むシステム」ってオタク的にかなりありがたくて、何が良いかと言うとキャラクターの正直な感情が描写されるんです。
これにより過大解釈でないキャラクターからキャラクターへの感情を知ることが出来るので、関係性に萌えたいオタクにとってはボーナスでしかないんですね。

本作でもかなり序盤からモーガン・フリーマン演じるレッドが、主人公であるアンディに向かって「こいつのことは好きだ」と独白で言ってるんですよね。これ聞いた時点でもうアレ?これもしかして気持ちいいやつか……?と心の準備をしてました。

主人公アンディは元銀行員ということで他の囚人より明らかに社会的地位が高く様々な知識もあり、はじめは誰とも慣れ合わなかったのですが、そんな誰もが一目置くような男が一番に話しかけたのが仕入れ屋レッドだったという展開、こんなのどう考えてもロマンスの始まりだよ!

結局オタクって”ある”じゃんと思ったふたりが一緒に行動してたらもうそれだけで充分大喜びなのですが、本作に関しては知性で刑務所内の地位を上げていくアンディの快進撃のそばには必ずレッドの協力があるというバディ感が強く、お互い無くてはならない存在であるという描かれ方が非常にありがたかったですね。

そして極めつけは……終わり方!

(C) 1994 Castle Rock Entertainment. (C) Dividen Productions/PeepShow Pictures. (C) 2004 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

本当にビックリしてしまったのですが、一足先に刑務所を脱出したアンディはいなくなる直前にレッドにある思い出の場所を教えます。
それは仮釈放されたらそこに行けという指示で、後追いで自由になったレッドがその場所に向かうとアンディからの手紙があり……もうこのあたりからあまりの気持ちよさにめまいがしてしまい、こんな……こんなオタクの思い通りになっていいのか……?なあダラボン監督……。

(C) 1994 Castle Rock Entertainment. (C) Dividen Productions/PeepShow Pictures. (C) 2004 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

レッドが仮釈放された直後は前述の自死してしまった老囚人の展開とかなり似通った部分があり、正直観ていてハラハラしたのですが……どっこいレッドには巨万の富を得たスパダリがいたのであった。
刑務所内だけでの協力関係だと思ったら今後の人生も共に歩んでいくんかい!!お幸せに!!!
こんなケチのつけようがないハッピーエンド、オタクの大勝利すぎて逆にビビってしまうよ。ありがとう。

ということで、名作映画と思いきやしっかり男と男の映画で楽しく書いた感想記事でした。お楽しみいただけましたでしょうか。

次回タイトルは『トゥルーマンショー(98)』を予定しています。さすがに男と男、無いよな!?

ショーシャンクの空に作品情報

(C) 1994 Castle Rock Entertainment. (C) Dividen Productions/PeepShow Pictures. (C) 2004 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
とある刑務所の受刑者が勝ち取り、分け与えた解放と救い-。誰の心にも静かに、爽やかな感動が訪れる…。

原題:the shawshank redemption
製作年:1994年
上映時間:142分
監督:フランク・ダラボン
キャスト:ティム・ロビンス, モーガン・フリーマン, クランシー・ブラウン

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