奇怪クリーチャー大集合!キモいけど名クラシックな『 ファンタスティック・プラネット』

みなさん、怪物は大好きですかー!

とアントニオ猪木さん的な勢いで、突飛な質問を投げかけてみましたが、きっとムービーナーズをお読みの皆さんなら、少なからずクリーチャーの類には興味を持ってくれているはず。
そんな怪物が登場するアニメーション映画『ファンタスティック・プラネット』

この『ファンタスティック・プラネット』。制作年は結構古い作品なのですが、今観ても新鮮な気持ちで楽しめる映画となっており、たくさんの奇怪な生き物が登場する隠れた名作となっております。いったいどんな作品なのかを詳しく紹介しますね。

『ファンタスティック・プラネット』とは一体どんな映画なのか!?

あらすじ

どこかの惑星。肌の色が青く真っ赤な目をしたドラーク族が支配していた。この星にも人間が存在していたものの、ドラーク族よりも遥かに小さく、ドラーク族からは小動物のような
扱いを受けていた。
ある日、ドラーク族の知事の娘ディーヴァは、子供たちのいたずらによって孤児となった人間の赤ちゃんを拾う。ディーヴァは、その赤ちゃんにテールという名前を付け、ペットとして飼うことにするのだった。ディーヴァはテールを大切に育て、テールと共に学習器を使って勉強をするのだった。しかしそんなある日、ディーヴァが瞑想の儀式に入った隙に、テールは学習器を持って、逃げ出してしまうのだった。テールはこうして、野生として生活する人間の集落を見つけることになる…。

物語は、赤子を抱えた女性が逃げ惑う姿から始まります。
蟻を虐める子供のように、人間(厳密にはオム族という種族)で無邪気に遊ぶ巨大なドラーク族の姿は衝撃的です。一方で、映画が進んでいくと、ドラーク族もペットとして飼っていいか親にせがむ姿は人間そのもので、でかいだけで意外と普通の人間と変わらないんだ、と一瞬で親しみがわくように出来ているのが、本作のうまいところです。

そして、このディーヴァが人間の赤ちゃんを育てるという素朴な出来事が、実は後半の『進撃の巨人』ばりの小人vs巨人の戦いという思わぬ壮大なスケールの結末に発展していくので、物語がどうなっていくのかをぜひ楽しみに観てみてください。

(C)1973 Les Films Armorial – Argos Films

『ファンタスティック・プラネット』を作ったのはだれ?

『ファンタスティック・プラネット』は1973年にフランスとチェコスロバキアの共作にて制作されたアニメーション映画です。チェコスロバキアという現在は存在しない国名が並ぶ時点で時代を感じさせます。
監督を務めたのはルネ・ラルーというフランスのアニメーション作家。2004年に亡くなられています。『時の支配者』『ガンダーラ』といった独特のSFアニメーション映画を生み出してきました。そんな中でも特に有名な作品が、この『ファンタスティック・プラネット』です。

奇獣わくわくランドなドラーク族の惑星

『ファンタスティック・プラネット』の面白いポイントが、サイケデリックで異様な世界観。作中で人類がそのセンスをゲラゲラ笑うシーンもあるように、ドラーク族のセンスは明らかに異質で奇抜。ドラーク族の人たちは普通に乳丸出しで生活しているし、そもそも服なのか裸なのかよくわかりません。しかし、ディーヴァは人類にしっかり何かのコスチュームを着せて、お人形遊びをしているのですから、服という概念は持っているのでしょう。ドラーク族のセンスを眺めているだけでも、非常に愉快です。

ドラーク族の文化だけでなく惑星の自然も、地球とは明らかに違っているのが面白い!外を歩いていた人類の足元が急に結晶化したかと思えば、口笛によってそれが崩れる謎の現象が起こったり、背景で線上の台地がランダムに跳ね上がったりするのですが、さも当たり前かのように説明もなく描かれたりと、ツッコミ不在の自然現象が繰り広げられます。

そして、なんと言っても忘れちゃいけないのが、この惑星に住むクリーチャーたち。
ドラーク族と人類以外にも、みたこともない生物がこの映画には多数登場します。
人類を捕食しようとする大型の鳥とアリクイが合体したような生き物、人類のために服を生み出してくれる人類よりもさらに小型な生き物、そして、飛んでいる生き物を捕まえては捕食するわけでもなく、地面に叩きつけて笑う象のような生き物などなど、その魑魅魍魎っぷりは、人によってはどストライクではないでしょうか。

あなたの未知の体験がつまった名クラシックアニメーション映画『ファンタスティック・プラネット』。あなたのオールタイムベストにもランクインするかもしれない魅力にあふれた作品ですので、この機会にぜひチェックしてみてください。

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