ジャックニコルソンのアップが非常に印象的な『シャイニング』
登場するモンスターの大きさが人間との対比ではっきり分かり、かつ身近に潜む恐怖を表現している『ジョーズ』や『トレマーズ』
タイトルにある「パルプ1」を模した洒落たデザインの『パルプフィクション』
名作映画にはそれに相応しい、印象的なポスタービジュアルが存在する。
現地ではシンプルなデザインだったポスターが日本でローカライズされた際にやたらと文字が挿入されその是非を問うような話題も尽きない。
映画の販促に非常な重要な役割を持つ「ポスター」これをデザインするのは「グラフィックデザイナー」だ。
そこで、本日は映画にとっても欠かすことのできない存在であるグラフィックデザイナーの方に色々と話を伺ってみよう!そんなコーナーです。
今回、ご紹介させていただく現役デザイナーの方はこちら
柚古みずり
グラフィックデザイナーです。cdh-designという屋号で活動してます。普段は企業を相手に商業施設の広告などを作ってます。
好きな映画:第三婦人と髪飾り/縞模様のパジャマの少年/ホビット
好きな映画音楽:12モンキーズ/セッション/MAD MAX怒りのデスロード
よろしくお願いします。ぶっちゃけトレマーズって観たことなかったのですが、確かにポスターだけは知ってました。
トレマーズ、だいぶインパクトありますもんね。
これまで、他に映画のポスターや美術周りで気になったものはありますか?
皆さん薄々お気づきのことかと思いますが、日本の映画のポスターってけっこう「ダサない…?」っての多いんですよ。海外映画をローカライズされたやつとかよく話題になりますよね、ダサい!!って。
最近だと『白鯨』とかでその話題見ましたね。
まあこれも皆さんお気づきのことかと思いますが、あれって映画のワンシーンをちょっとアングルとライティング変えて使ってたり、登場人物(キャスティング)だけにフォーカスしてるからなんですよね。昔ソール・バスがシャイニングのポスターのラフをキューブリック監督に送ったけど300案以上ボツになって結局Tの文字から少年の顔が見えてるという絵になったらしいんですが、その後あまり使われず今皆さんが知ってるメジャーなお顔のビジュアルになったそうです。
シャイニングの経緯、知らなかったです!
でも20世紀デザイナーの巨匠ソール・バスは「映画のワンシーンをそのままポスターに使うとか、ちょっとない」とどこかで言ってたような気がするんですよ。記憶が曖昧なんで言ってなかったらすんません。でも確かに、映画のワンシーンをそのまま使うとか、キャスティング紹介のビジュアルにしちゃうとか、映画のコンセプトを表現してるとは言い難いし、そう考えるとダサいのにも理由があるんですね。
キャスト大集合みたいなやつは目につくし、よく「邦版ポスターダサい論争」でも議論されますよね。
ひたすら馬鹿にした感じになってしまったので一応誤解のないように言っておきたいのが、登場人物全員集めて後光を差したり全員同じトーンにまとめて違和感なく一枚の絵に仕上げるって、めちゃくちゃ大変で手の込んだ作業なので、それをつくった人へのリスペクトは忘れないでください。悪いのはキャスト次第で売上が上下してしまうというこの世の中です!!
そのあたりは商業的な事情も絡んでくるし、何に重きを置くかで評価基準も変わるので「こういうテイストのものが優れている」とは一概に言えないですよね。
そんな中、柚古さんが特に好きなものは何ですか?
私の好きな映画のビジュアルは地下鉄のザジなんですが
これは見ての通りタイポグラフィーに力を入れて、ザジやポイントとして入ってる円と背景の青のコントラストが美しく、スッキリとした好感度のあるデザインになってます。観終わったあとも好感度がそのまま保てているのかはわかりませんが。
あとシャイニングは怖くて途中までしか観てないのでムービーナーズで同時視聴会をやってくれないかなと思ってます。
それと中国版ヴェノムとか好きです。
中国の映画ポスターはかなり美しいものが多い気がします。あまり熱心に追いかけているわけじゃないのでそういうのまとめてるサイトとかあれば教えてください。
今度まとめて記事にしても面白そうですね。各国のポスター周り。
柚古さん自身がデザインするうえで大事にしている部分やこだわりはどんなことでしょうか?
DRACONIC ROUTEはドラゴンの肉を食いに行くというゲームで、NICと肉をかけてるんですが、Iが文字列の真ん中に来ているのを見たときは「キターーーーーッ!!」って叫びながら作業しました。今私は文字にデザインさせられている、という瞬間があります。
それとソーサリアン30th記念ロゴは非公式ファン活動のロゴなんですが、取説にしかない王様の杖やドラゴンスレイヤーのイラストをシルエット化したり、星の魔法の惑星をあしらってます。
つまり2つとも、遊んだ人ならニヤリとする要素を含ませ「内輪を広げる」ような効果をもたらすべく、また、これから遊ぶ人には「オールドライクゲームなのだ」「昔のゲームを今にリアレンジしてるのだ」ということがひと目でわかるようなビジュアルにすることを目指してます。
他もだいたい一緒で、サブカル方面ってやっぱりオタクな人が多いので、そういう人に「おっわかってんなー」と思ってもらえるものをつくっていきたいですね。
仏師って単に仏像を掘って制作するのではなくて、木の中に眠ってる仏を呼び起こすみたいな側面があるじゃないですか。「文字にデザインさせられている」っていうのが仏師みたいで良いなぁと思いました。
内容を想起させたり、イメージを広げるようなデザインの力って素敵ですね。
ちなみに、グラフィックデザイナーを志したきっかけは何ですか?
デザインて知識と理論なんですよ。センスとか自分の世界観とかじゃなくて。センスも世界観も持ってないけどゲームをつくる側に行くにはどうしたらいいんだろう…という消去法でデザイナーになりました。プログラミングは本当に無理だったので。ただ純粋にデザインの腕は上げたかったので、ゲームをつくる会社に行かずにデザイン会社に行き、フリーランスになったのでそろそろ自分のやりたいゲームやサブカル関係に手を出すかという感じです。
映画関係で言うとソール・バスやカイル・クーパーは外せないデザイナーですが、純粋なグラフィックデザインでいうとグルーヴィジョンズというデザイングループが好きです。個を消して商品の良さを引き出すに徹するグラフィックデザインの中で、グルーヴィジョンズは“らしさ”があって憧れます。(ちなみにソール・バスもめちゃくちゃ有名なグラフィックデザイナーで、日本の企業ロゴも多数手掛けている。グルーヴィジョンズもMVを手掛けたりしていて活動範囲は広い)
最近気になった映画とかあります?
スクショひとつで観たいと初めて思ったのが、サメ映画ルーキーさんの紹介していた「BAD CGI SHARKS」です。そこからサメ映画に興味を持ちました。サメ映画の真髄を見たな…と思ったのが「フランケンジョーズ」です。
それまでは一応、サメ映画初心者にオススメ!となっていた、定番の「シャークネード」や、パニックものとして良作の「パニック・マーケット」、スリラーとしてそこそこちゃんとしてる「海底47m」などを観てましたが、「フランケンジョーズ」はまさにムービーナーズさんで紹介されていた記事を読んで観たものです。
いくつかサメ映画を観てるうち、実際にはそんなに人は襲わないとされてるサメがガンガンに人を食い殺していく様子に、何を感じたのかわかりませんが「そうだ、めちゃくちゃかっこいいポスターを作ろう。サメがクールに人を殺していくポスターだ」と思い立ち、ポスター風のグラフィックを作りました。
ひとつのジャンルの映画を観続けて、何かを作ろうと思い立ったのは初めてです。
サメ映画には魔力があります。自分でめちゃくちゃかっこいいって言ってすみません。
グッズ展開もしたので是非見てみてください。ポスター風のグラフィックは非常にグッズ展開しづらかったです。
https://suzuri.jp/cdh-design
https://minne.com/@okn
素敵なサメポスター!ここのサイトがなんだか役に立っている(?)ようで嬉しいです。
ポスターデザインについてもっと深く意識してみます!
本日はどうもありがとうございました!今後ともよろしくお願いします。
ムービーナーズ読者限定で、今回お話を伺った柚古みずりさんへ特別料金で依頼が可能になる割引もご提供いただきました。2020/7/31までの受注は「ムービーナーズを見た」で消費税、振込手数料込みの以下の価格で依頼が可能なので、創作活動を行なっている読者のみなさんはぜひこの機会に依頼してみてはいかがでしょうか!
提示している格安料金でお受けできるのは納期が3ヶ月くらいの場合です。1ヶ月以内など、通常の納期の場合は割増料金になります。閑散期はこの限りではありませんのでご相談ください。
各種タイトルロゴ | ¥20,000~ (提案数1、修正3回まで +1万円ごとに提案数と修正回数+1) |
各種チラシ、フライヤー | ¥10,000~ (サイズ、情報量によって+1〜4万円) |
名刺 | ¥8,000~ (提案数2、修正3回まで +5,000円ごとに提案数と修正回数+1 人数分の名前やメールアドレス等差し替えは人数×3,000円) |
webサイトデザイン | ¥20,000~ (コーディング費用別途見積もり。 コーディングは外注なので複雑なデザインだと高くなります。 コーディングは自分でできる、Wixでもいいなども歓迎です) |
Steamリリースセット (ロゴ作成とカプセル作成のセット) | ¥30,000 (提案数各1、修正各3回まで +1万円ごとに提案数と修正回数+1 カプセルは複数枚いるのでバナー作成単体と比較すると非常にお得 なセットです) |
バナー作成 | ¥5,000~ (サイズ問わず提案数1、修正3回まで +5,000円ごとに提案数と修正回数+1) |
その他、各種動画のサムネイル、アバター、アイコンなども相談に応じます。
【サンプル】
ゲーム、映画、漫画などのカルチャーが好きなため、そういった分野での仕事をしたいと思っており、いわゆるインディーズや個人といった規模でプロジェクトを立ち上げている方たちのデザインワークを、ハイクオリティ&低価格で請け負えないかと考えました。
ゲーム・漫画・音楽・動画などを制作している人たちと仕事できたら考えていますが、インディーズや立ち上げたばかりなど資金が限られている方たちであれば特にジャンルは絞りません。
連絡先
Twitter:@mizuri_yuco
Mail:i.slyme@gmail.com
※本記事はクラウドファンディングのリターンとして制作されたPR記事です。
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それでは、本日はよろしくお願いします。