どうもみなさんこんにちは。えのきです。
サメ映画紹介も第三回目となり、第一回と第二回を読んでいただいたみなさんも徐々にサメ映画の魅力に気づき夜毎、世界を泳ぐサメの夢を見はじめている頃合いでしょう。やがて夢のサメは現実へと侵食し家庭で、学校で、職場で泳ぎ始めるでしょう……みなさんが瞳を閉じてもサメを見る、そんな未来を願っています。僕は本気です。
今回のサメ映画は2016年リリースの『フランケンジョーズ』です。今回は『シン・ジョーズ』のようなモックバスターではなく、自信満々に送り出される完全オリジナルサメ映画。シャークネードやシン・ジョーズで「へえ〜サメ映画ってこんなもんか」と思った方々の認識を粉微塵に粉砕し、二度とサメ映画という存在は人知で知覚しきることが出来ない、と考え直させる超ド級サメ映画です。
素晴らしい映画体験とは、見るその人自体を変容させる可能性があります。フランケンジョーズはそういった体験の、一つかもしれません……
あらすじはタイトル通り、フランケン要素がたっぷりです。
第二次世界大戦時、ドイツにてナチスに秘密で行われていた使者を蘇らせるという生体実験。しかしそれはナチスの兵士たちに暴かれ、実験の資料と研究品を奪い取られてしまう。それはフランケンシュタインの心臓と脳みそだった!
時代は変わり現代、田舎町の入江で連続して死者が出没。死体の損傷はサメにやられたようだが、入江にサメ? この連続する被害は? そんな謎に包まれる中、若者三人組が遊びにやってくる。しかし、それは惨劇の始まりだった!
いつものように作品について語りたいところですが、まずはこの予告編を見てください。字幕はありませんが驚愕の映像美で脳ではなく心が理解するはずです、信じてください。
















きみ、パッケージと姿ちがくない!?!?!?
2016年リリースであるというのに、この素晴らしいクオリティ、僕はこの映画を見た時に雷に打たれたかのような衝撃を受けました。
「こんなクオリティをこの時代に出してくるなんて……!」
それは価値観の変革です、革命と言ってもいい。この愛くるしいサメを全力で打ち出してくる姿勢、これが作品を信じるというスタンスです。他の人がわからずとも、あなただけはわかってあげなさい。そのような天啓を得た気持ちでした。
本作、このフォルムのサメを真顔で出してくるところに「みんな、わかったよね?」という気分になりますが、やはり予告でだけはわからない魅力も伝えてこその紹介だと思うのでもう少し語りたいと思います。
フランケンジョーズの魅力、それは堅実さと型破りさです。
予告からフルスロットルなフランケンジョーズの姿を出し、トンチキなシナリオながら話運びは驚くほど堅実です。適度にサメによる襲撃による面白ポイントを作っておきながら登場人物たちが話を展開させていき、ナチスが奪った死者を蘇生する実験を一人続け、それを元にフランケンジョーズを生み出したマッドサイエンティストと出会う。そして暴走しマッドサイエンティストさえも……と、クセのある設定開示とイカれた登場人物が出てくるシーンを鮮やかに繋げていく構成は71分という短い上映時間であることを差し引いても飽きずに一気見することが出来ます。サメのインパクトに甘んじて話が崩壊する作品も多い中で本作は話が脇道に逸れずに展開していくため「このシーン何のためにあるの?」みたいなことはありません。(この映画が何のためにあるかなんて考えてはいけません、この世界は理屈では出来ていないからです、真理を理解するのです)
これは映像のトリッキーさに甘んじることなく、設定の風呂敷を広げ、登場人物のクセを強く出すことを徹底した結果でしょう。
道中、フランケンジョーズを生み出したマッドサイエンティストが「怪物とジョーズなら最強だろ」なんて台詞を言いだして「あ、あんたほどの狂人がいうならば……」と思わず納得してしまうパワープレイ。しかし本作のパワーはそんなところには留まりません。
サメ映画のあるあるとして語られること、ジョーズから続くテンプレート。ブロンドといえばサメに食われるということ。その解釈の型破りさは本作が随一です。
ブロンドの太ったババアがフランケンジョーズとセックスを開始します。
「こんな食われ方するブロンドの解釈ある???」となるような衝撃的な捕食シーン。これが、挑戦か、これが才能か、これがサメ映画か……! と震え上がるブロンドの捕食シーンは是非みなさんのその目で確かめてみてほしいです。
絵面の異様な尖りっぷり、妙にツボを押さえたシナリオ運び、あっという間の71分。そんな狂気のサメ映画、フランケンジョーズを見てみるのはどうでしょう? 今(2020年4月19日現在)ならなんとプライムビデオで観れますよ! さあ早く!
ではまた次回!
・新作情報(余談ですがDVDにあるZ級映画の新作情報ってめっちゃ面白いですよね。大好き)
今作の監督はマーク・ポロニアという方なのですが、その全サメ映画ファン待望のマーク・ポロニア監督新作映画『ランドシャーク 丘ジョーズの逆襲』がコンマビジョンより今年の8月にDVDリリースするらしいですよ!
「陸海喰!」というパワーのあるキャッチコピーのランドシャークも見逃すな!
要チェック!
今度こそそれではまた次回!
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