サメ!ナチス!ゾンビ!闇鍋状態!のサメ映画『スカイ・シャーク』

『スカイ・シャーク』

どうもこんにちはえのきです。

今回はドイツ製の衝撃的なサメ映画を紹介したいと思います。
あらゆる設定を盛りに盛って既に設定の闇鍋状態であるサメ映画界において今作はそれでもなお「いくらなんでも盛りすぎだろ!」と言いたくなる一作。それが今回紹介するサメ映画『スカイ・シャーク』です。

そんなわけであらすじへ行ってみましょう。

あらすじ

ある日、なんでもないフライトの最中だった旅客機が謎の集団に襲撃され多数の死亡者が発生。襲撃を行ったのは多数の空を飛ぶサメとゾンビのような兵士たちだった。
それと同時に北極ではナチスの巨大な戦艦が発見される。
戦艦の中では既に人間とは思えないような容貌をしたゾンビ戦士と空を飛ぶサメの戦闘機が作られている……
鍵を握るのはリヒター科学技術社のリヒター博士。博士は過去に『ヒメルスファウスト計画』と呼ばれたナチスの逆転の一手の研究を行っていた。
K7Bという特殊な薬品を投与することにより生み出されるゾンビ兵! 新たな技術によりジェットエンジンや機関銃を搭載し空を飛ぶサメ!
過去より蘇りしナチスの残党をリヒター博士たちは止めることが出来るのか! 世界の命運をかけた戦いが始まった……

サメ映画界の二郎系とでも言いたくなる設定の闇鍋状態

(C) 2020 Fusebox Films GmbH
ゾンビ超兵士が操縦を行う空を飛ぶサメ兵器

今作、あらすじの時点でほとんど隠せてないのですが、サメ!ナチス!ゾンビ!という圧倒的ジャンルの交通渋滞。

一つ一つの要素で全然別の作品作れただろ!と思わず言いたくなるのですが、それを全て『サメ映画』というジャンルで括ろうとする圧倒的な意欲作となっています。

冒頭の旅客機襲撃パートからあらゆるナチス要素モリモリの意匠を施されたサメが画面に出てくるだけで見ている人の脳内は情報過多でフリーズ。
後から解説パートであるはずのリヒター博士の話が入るのですが
「K7B(特殊な薬品)を投与すると男は再生能力を身につけ不死身の存在になるんだ。女性はゾンビになって強化されて兵士になる。それを戦場に散布することで蘇った死者の超兵士で戦争に勝つ予定だったんだ」
と説明パートだというのに「頼むからちょっと落ち着かせてくれ」と言いたくなる壮絶な情報が真顔で語られ続ける。

サメの話になれば「遺伝子組み替え生物を超えた完璧な兵器システム」と完全に何かをキメたかのようなことを語り出し、生体ステルスカモフラージュが出来て空を飛べて機関銃を搭載していて……と無限に設定がトッピングされ続ける。
情報が……情報が完結しない!

その情報の濁流は今作を視聴中、全く落ち着くことはありません。
サメとゾンビ戦士たちの盛大な人間の殺しっぷりを見るか、情報の濁流に流され続けるか、その二択だけが今作の視聴中の人間に許された自由となっています。

『スカイ・シャーク』を見ようという人間はツッコミという概念を捨てた方がいいです。全てサメに身を任せた方が良い映画となっています。

圧倒的なエログロ描写

(C) 2020 Fusebox Films GmbH
人体破壊、切断などがデフォルトのゴア描写です

今作のエログロ描写は並のサメ映画よりも圧倒的に『ヤバイ』ものになっています。
サメが人体を噛みちぎる!くらいはまだ序の口です。

ゾンビ兵士が人間の首を弾き飛ばす!機関銃で人間を肉塊へと変えていく!人間の頭をスイカ割りのごとく打ち砕く!脊髄を引き抜き殺す!

そんなやばすぎるゴア描写のオンパレード。「もう絶対こういう描写やりたくて仕方なかったろ!」と言わんばかりのはっちゃけっぷりに見ていて逆に笑ってしまう突き抜けっぷりが凄まじい。

そして「あ、これは死ぬな」と思うセックスに夢中になるカップル。

その「あ、これは死ぬな」っぷりは凄まじいです。もう腰を振る死亡フラグとしか言いようのない存在が画面で乱舞しています。サメ映画だというのに殺人鬼に殺されるカップル描写が完璧、サメ映画は殺人鬼の死亡フラグまでカバーするのか!? と見ていて震えが止まりません。

今作のエログロ描写はとにかく凄まじい。かなりかっ飛ばしている作品のため、苦手な人はとことん苦手なタイプのエログロかもしれません。
ただ「とにかく人がポンポン死ぬのが好きすぎる!ガンガン人が死ぬ映画見てえ!」という人なら絶対オススメ!と言いたくなるほどの人の命の軽さが見れるサメ映画となっています。

リヒター博士の強烈なキャラ立ち

(C) 2020 Fusebox Films GmbH
独自のK7Bを投与し若々しさを保つリヒター博士

今作のキーパーソンとしてリヒター博士というリヒター科学技術社を運営しながら、過去のナチスの計画と関わっていたキャラクターがおり、彼が娘たちとナチスのサメ兵器による暴走を止めようとするのですが、とにかくこの博士のキャラ立ちがヤバイ。

そもそも、ナチスのゾンビ超戦士と空飛ぶサメの研究の中核に関わっていた一人、という時点で「いやお前もう罪人レベルやべえよ!」とツッコミが止まらない。
口を開けば出てくる言葉、設定、思想が「ハハーン、さてはこいつ何も反省してないな!?」となる勢いに圧倒されてしまいます。

娘に(やっていた計画について)「ひどすぎる。神への愚弄よ」という批判に対して「愚弄じゃないさ。我々が神だった」と淡々と返すマッドサイエンティストっぷり。こいつがラスボスなんじゃないかな……

「待って、その設定聞いてない」と言いたくなる情報が常にリヒター博士から飛び出してくるため、このサメ映画はリヒター博士映画と言ってもいいかも知れません。

サメ映画に慣れていても「!?!?!?!?」となるトンデモ設定のオンパレードと容赦のないエログロ、アクの強すぎるキャラクターでゴリ押してくるサメ映画『スカイ・シャーク』この闇鍋としか言いようのないごった煮感をも包み込むのがサメ映画というジャンルの深淵さなのかも知れません。
「とにかくおかしい設定のサメ映画が見たい!」という人はチャレンジしてみる価値のある一作かも知れません!限界へ挑みたい方は是非!

それでは今回はここまで!またお会いしましょう!

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