ソウXよかったぜ！過去作は見た方がいいのかな！？という君へ！！

※本記事はソウ、ソウ2、あとソウXのネタバレが含まれています。前半はちょっと気を使うけど後半あまり気を使わなくなります。ご了承の上お楽しみください。

　目が覚めたら見知らぬ部屋で、体には奇怪な機械が取り付けられている。何やら置いてある音声テープを再生すると無茶苦茶なデスゲームを強要される。
　そんなワクワクシチュエーションでお馴染みの映画、SAWシリーズ最新作『ソウ X』ようやく日本でも公開された。
　やったぜ！！　本当に長いこと待たせやがって！！　もうダメかと思ったぜ！！

　SAWシリーズの巧妙な面白さは家のテレビで見ても損なわれるものではないが、人間がグロく死ぬ映像は画面がデカければデカいほどいいのでぜひ映画館に行って見てほしい。

　とはいえ「SAWシリーズ全部見てないんだけどXから見て大丈夫？」という方や「そもそもSAWって何よ！！」という方もいるかもしれない。まあムービーナーズの読者はほとんどが見てそうだけど、そうじゃない可能性もあるし。
『ソウX』と関わりがある1作目『ソウ』や2作目『ソウ2』の紹介をしてからXの話をしようかな。そういう記事です。もう知ってる人は見出しを見ながらうまいこと読み飛ばそう！

1作目『ソウ』

　目覚めたら見知らぬバスルームの隅っこに鎖で繋がれていた。部屋の反対側には同じような状況の男。そして部屋の中央には謎の死体が倒れている。何これ～！　どうやって出ればいいの～！？　何でこうなってんの～！？　というスーパー面白そうなシチュエーションで始まって、実際に無茶苦茶面白いソリッドシチュエーションスリラーの名作『ソウ』

　果たして彼らは面白デスゲームをクリアできるのか？　そして命を大事にしない者に無茶苦茶なデスゲームをやらせて命の大切さを説く連続殺人鬼「ジグソウ」を警察は捕まえられるのか！？　という二つの軸で話が進んでいくソウ基本スタイルは1作目で完成している。
　もう全員見ているだろうけど肝心なところのネタバレは伏せておく。もしもまだ見ていない人がいたら今から見よう。ちょっとグロいし血は出るぞ！

2作目『ソウ2』

　目覚めたら見知らぬ廃屋で知らない人たちと閉じ込められていた。みんなで力を合わせてデスゲームだらけの屋敷から脱出できるかな！？
　一方ジグソウを追い詰めた警察官がジグソウのアジトで見せられたのは全員自分が無理やり逮捕した犯罪者たちと一緒にデスゲームに参加させられている我が子の映像！！　どうすれば助けてあげられるの～！？　みたいな二作目。

　2もかなり面白い。デスゲームがより嫌でよりバラエティ豊かになっている。できれば1作目は見た上で見た方がいい。1作目よりちょっとグロいぞ！　SAWシリーズで少しずつグロ耐性をつけていこう。

『ソウX』を見る前に気をつけたいこと

『ソウX』は時系列的には上に紹介した1作目『ソウ』と2作目『ソウ2』の間の出来事を描いている。「じゃあ最低ソウだけ見ればいいのか」と思うかもしれないが、『X』には『ソウ2』の大オチのネタバレが含まれている。ネタバレを気にするタイプの方はぜひ『ソウ2』までは見てから『ソウX』に臨むことをおすすめしたい。(あと四作目の大オチのネタバレもちょっとだけある)
　SAWシリーズは毎回最後の最後に「え～～！？　そうだったの～！？」というような大オチを用意している。そこがウリの一つなので、2のオチを味わってからXでも遅くはないと思う。もちろん全然気にしないでX見てから2見るのもアリ！！！！

ようやく『ソウX』の話

　ガンに侵されていて余命わずかな殺人鬼「ジグソウ」ことジョン・クレイマーはメキシコに治療を受けに行ったが、大金を支払って受けた治療は詐欺だった！！　関係者全員デスゲームで命の大切さを教えてやるぜ！！　死の恐怖を味わって反省しなさい！！　できなきゃ死ね！！　みたいな映画。

　ジョン・ウィックやドント・ブリーズ的な「舐めてた相手がヤバいやつだった」系の映画が好きな人には深々刺さると思う。最高。あのタイプでソウをやったらこうなる。舐めてた相手が異常に器用なデスゲームの天才爺さんだった映画。
　また、これまでのシリーズでは物語の黒幕だった「ジグソウ」ことジョン・クレイマー自身が物語の主人公になっていることがかなり特徴。悲しむジョン・クレイマーや笑顔のジョン・クレイマー、怒るジョン・クレイマーなど。シリーズで一番色々な表情のジョン・クレイマーを見ることができる映画だ。常々「ああ、もっとジョン・クレイマーがみたいな」と思っていた俺は大喜びの映画だった。
　物語の前半ではジョンが治療を受けに行って騙されるまでをかなり丁寧に描写する。SAWシリーズを見ている方はもう最初から「ジョンくんそれ詐欺だよ」とわかりきっているので、もしかしたらこのジョン騙されパートは少し冗長に思えるかもしれない。しかし、一人の人間としての「ジョン・クレイマー」を丁寧に描く試みはかなり素敵だと思った。このお爺さん普段こんな感じなの！？　と思えること間違いなし。それにこの騙されパートのおかげで後半のデスゲームパートが最高に気持ちいいというもの。

**へえ〜ジョンって普段こんなこと考えてるんだな〜という意外でもなんでもないシーン。(公式トレーラーより引用)**

　また、今作はゲームの参加者たちのガッツが特にすごい。ぜひ彼らの頑張りにも注目してほしい。過去のシリーズでもここまでガッツを見せる参加者はかなり珍しい。どの参加者も「さすがに無理でしょ」と思えるようなゲームにかなり肉薄して「ジグソウさん！　これはもうクリアで良くないすか！？」と言いたくなるレベルの良いゲームをいっぱい見せてくれる。