映画版FNaFの前に既に上陸していた殺人アニマトロニクス映画たち

人間食べ食べカエル

先日、『Five Nights at Freddy’s』という映画のトレーラーが公開された。

これは同名の人気ゲームが原作の作品である。ゲームでは、プレイヤーはピザ屋「フレディファズベアーズピザ」の夜間警備員となって、5日間勤務することとなる。だが、その場所には1つ問題があった。ピザ屋にはマスコットがいて、店にはその人形たちが置かれているのだが、こいつらは夜になると動き出して人を襲うのだ。
警備員であるプレイヤーは、恐るべき殺人アニマトロニクスたちからサバイバルをしなければいけない!そんな設定のホラーゲームとなっている。

実写化のニュースは結構前から話題になっていたが、しばらく音沙汰がない時期が続き、頓挫しちゃったかなと思った時もあった。だが遂に映画は完成。今年になって、無事トレーラーが発表された。

さて、本作は殺人アニマトロニクスたちが襲ってくるというユニークな設定が目を引くが、それをやっているのはこれだけではないことをご存じだろうか。既に日本上陸も果たしている同ジャンルの映画がある。というわけで今回は、殺人アニマトロニクスたちと人間が激しい攻防を繰り広げる系ホラー映画を2本紹介します。

©2020 LSG2020, Inc. All rights reserved.

まずは『ウィリーズ・ワンダーランド』だ。謎の男(ニコラス・ケイジ)が車を走らせていると突然タイヤがパンク。仕方なく近くの工場で修理を頼むが、男は手持ちの現金がない。
困っていたら、修理工の提案で、近くのテーマパークに一晩泊まって中を掃除することを条件に修理をしてもらえることとなる。男はその条件を呑み、パークに立ち寄ることにした。だがそこには秘密があった。中には8体のマスコットを模したアニマトロニクスがいるのだが、そいつらはみんな意思を持って動いて、人を殺すのだ!!

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はい、要は、ニコラス・ケイジが出てくるFNaFです。

この映画の最大のキモは、敵のアニマトロニクスの暴れっぷりではなく、ニコラス・ケイジ演じる謎の男である。彼の正体は一切分からない。何故なら一言もしゃべらないから。誇張ではなく、本当に全く言葉を発しない。
ごく稀に「ハア!」とか息遣い的な声が出るだけで、意味のある音声は皆無。だが、ケイジが振り向いたり顔を動かすと、周りにいる人が勝手に意思をくみ取って話を進めてくれるのだ。

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謎なのは無口なところだけではない。なんか異様に強いのだ。
これも当然理由は分からない。実際に強いんだから仕方ない。

アニマトロニクスたちが動き出して襲撃をかけてくる。そんな光景を目の当たりにしたら、普通なら恐怖におののいて逃げ惑う事だろう。
しかし彼は違う。やつらに攻撃を仕掛けられたら、ひるむことなくそれ以上の暴力を浴びせ返すのだ!

こちらの予想を超える展開すぎて、最初に観た時は目を疑った。あくどい顔をして迫り来る恐ろしい人形たち。それがいつの間にか、謎の男に完膚なきまでボッコボコにされているのである。そう、この映画は、ホラーの皮を被ったニコラス・ケイジ大無双映画だったのだ!

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そこから先はもう見どころしかない。1匹ずつ襲い掛かっては、ことごとく返り討ちに遭うマスコットたち。10の暴力で挑んだら、1000000の暴力で返される。
悪いのは人形側なのに、不思議と可哀想になってくる。掃除用具で形が変わるまで叩かれ、真っ黒いオイルをまき散らしながら死んでいく。返り血ならぬ返りオイルを全身に浴びる謎の男。いったい、殺人鬼はどっちだと思ってしまう。とにかく、この無双が気持ちよくてたまらないのだ。

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ただ、それだけじゃ流石に危機感がなさすぎて飽きてしまう。制作陣はそれを分かっているので、ちゃんと死に要員として普通の若者グループも用意してくれた。
彼らは、ある目的のために愚かにもパークに侵入。その結果、人形たちによって次々と惨殺されてしまう。ここでマスコットの見せ場を盛り込むことで、ニコラス・ケイジに完全に頼り切った1本脚打法な作りを脱却しているのが上手い。散々ボコボコにされてるけど、本来はアニマトロニクスたちも恐ろしい存在なんだと観客に認識させることに成功している。そして、それ以上の暴力を振るうニコラス・ケイジの異常性を際立たせることにも成功している。

もう1つ、謎の男をキャラ立ちさせる優れたシーンがある。それは休憩時間だ。
彼は、休憩のタイマーが鳴ると、業務やマスコットや襲われてる若者たちを一切無視して全力でその時間をエンジョイするのだ。これが本作に更なる独特な味わいをもたらしている。

謎の缶ジュースを飲んで謎のピンボールを楽しみながら謎のダンスをする謎の男、という謎しかない絵面は必見だ。時間厳守、休む時は休む、働くときは全力で働く。こうして書くと一般的な社会人なのだが、劇中だとこいつヤベエ!な気持ちになるんですよね。で、休憩が終わるとまた掃除(殺人アニマトロニクスの抹殺も含む)を開始するという。それを延々と繰り返して映画は終わる。凄い。こんなの見たことがない。まさに唯一無二の映画である。

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とにかく異常の波状攻撃みたいな内容だが、不思議と後味は爽やか。ホラーといっても怖さはほとんどないので、多少の流血が平気ならホラーが苦手でも大丈夫だと思う。ケイジ演じる男の頼もしさをとことん堪能できる1本だ。

THE BANANA SPLITS and all related characters and elements are trademarks of and (C) Hanna-Barbera. The Banana Splits Movie (C) 2019 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

続いて紹介するのは『バナナ・スプリッツ・ホラー』という作品。こちらも同様にアニマトロニクスたちが人間を殺しまくるという内容なのだが、FNaF、ウィリーズ・ワンダーランドと違うのが、実在する子供番組のマスコットを模しているところだ。

『バナナ・スプリッツ』は、1960年代に実際に放送されていた子供番組で、本作に出てくるのとまったく同じキャラクターが子供たちと戯れる。それが、この映画では容赦なく人を襲いって殺す。

つまり、ポンキッキーズのガチャピンとムックが暴走して人間を血祭りにあげるような映画なのである。よく作れたな、そんな映画!
ちゃんと許可を取っているのかなと心配になる。まあ、商業映画なので流石にそこは問題ないんだろうけど、そうなると、今度は権利元が何でそんな判断(本作への許可)をしたのかと別の疑問が出てくる。

THE BANANA SPLITS and all related characters and elements are trademarks of and (C) Hanna-Barbera. The Banana Splits Movie (C) 2019 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

実在する子供番組のキャラクターが人をぶっ殺すインパクトだけのスーパー出オチ映画かと言うとそんなことは無く、本作はその点を差し引いても十分に楽しく、非常に優れたスラッシャーホラーである。

物語の舞台は番組の撮影スタジオで、そこに見学にやってきた複数の家族やカップルなどが襲われることとなる。ステージの裏側や、ヌルヌルが敷かれたステージギミックを駆使した殺戮劇がとても楽しい。殺し方もいちいち凝っていて、内臓もしっかり出すので、グロを期待している人も満足することだろう。

THE BANANA SPLITS and all related characters and elements are trademarks of and (C) Hanna-Barbera. The Banana Splits Movie (C) 2019 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

早々にアニマトロニクスたちが暴走して人を襲いはじめ、最後までそのテンションを落とすことなく、終盤は激アツで少しホロっとするバトルも観られる。設定こそ尖りまくっているが、その中身は優等生。番組を知っている人も、知らない人でも、ホラーが好きなら気に入る事は間違いないだろう。最近になってようやく日本でもひっそりとDVD/配信スルーで上陸したので、気になる方は是非観てほしい。

というわけで、殺人アニマトロニクス映画を2本紹介しました。いずれも面白く、愛らしい(?)キャラクターが残忍に人を襲うギャップが生み出す面白さを存分に発揮している良作である。果たして実写版FNaFはこの2作を超える楽しさを見せてくれるのだろうか。完成を楽しみに待ちたい。

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