映画『ズーム 見えない参加者』レビュー/全編Zoom上で展開するホラー映画登場!徹底したリアリティが生み出す恐怖。

映画『ズーム 見えない参加者』(原題:Host)

あらすじ

2020年、新型コロナウイルスのパンデミックによる外出自粛などで世界的に一気に広まったWEB会議ツール「Zoom(ズーム)」を題材にした新感覚ホラー。ロックダウンされたイギリスを舞台に、Zoomを介して死者と交信を行う「Zoom交霊会」をはじめた男女6人が、次々と不可解な現象に見舞われる姿を描いた。新型コロナウイルスのパンデミックのためにロックダウン中のイギリスに暮らすヘイリーらは、仲間たちと週に一度はZoomで顔を合わせていた。ある時、ヘイリーが霊媒師をゲストに招き、みんなで「Zoom交霊会」をしようと提案する。仲間たちも賛同し、いつもの飲み会のノリで和気あいあいと交霊の儀式が始められるが、そのうちそれぞれの部屋で異変が起こりはじめる。ヘイリーらは恐怖から逃れようにもロックダウンのため屋外へ逃げ出すことができず……。

新型コロナウィルスの影響によってテレワークやweb会議が浸透した中、急に地名度・使用率が上がったツールである「Zoom」
そのZoomを利用した降霊術の様子を捉えたフェイクドキュメンタリー作品『ズーム 見えない参加者』(原題:Host)の公開が開始された。

今だからこそ観たい全編Zoom上で展開される映画作品

何と言っても本作の特徴は全編Zoom上で展開するという点。
PCの画面上で進行する作品としては『アンフレンデッド』(2016)や『search/サーチ』(2018)がすでに存在し、手法としては目新しいものではなくなってしまったが、本作はZoomでの画面上に限定して収録されている。

©︎Shadowhouse Films and Boo-Urns 2020

ロックダウン下における気晴らし・娯楽のような感覚で「Zoom交霊会」は実施され、外出できないフラストレーションを募らせた数人が集まってZoom飲み会の延長で行われることが悲劇の始まりとなる。

自宅でも友人と楽しめる娯楽として「Zoom交霊会」に行き着くノリや、回線の不具合で発生するフリーズや遅延などのZoomあるあるが2020年Zoomと共に暮らした我々には痛いほど理解できる。
こうした旬なツールや時勢に合わせた作品作りを凄まじい瞬発力で行った製作陣には脱帽だが、その甲斐あって描写される内容への共感、没入度が非常に高い状態で鑑賞することができる。

©︎Shadowhouse Films and Boo-Urns 2020

自分の画面上に、用意した映像を流すことで会議に参加していることを偽装する技や、フィルターで遊ぶ様子などのZoomあるあるを組み込みつつそれらを利用し、真には見えていない画面の向こうで起きている惨劇や、何もないところに顔認証して現れるフィルターなどの「Zoom的ホラー演出」で描かれるリアルなホラーを体験してほしい。

細部にまで徹底したリアリティで高まる没入感

前述の通り、Zoomという普遍的に使用されるツールのあるあるを描写し没入感を高めている本作だが、その長さにも着目していただきたい。
全体の公開時間は68分と短めだが、本編終了後に10分程度のおまけのメイキング的映像が流れるため本編は1時間弱程度の尺となる。
使用したことのある方なら分かるかもしれないが、Zoomの無料版は1回の会議での使用上限が40分であり、映画本編はその長さを基準に構成されている。

©︎Shadowhouse Films and Boo-Urns 2020

公開時間も利用しファウンドフッテージのリアリティを高めている本作は、演者の本名と役名が同じで自然な演技が追求された点、前述の飲み会ノリや仲間内に1人は「なんだか嫌な感じのヤツ」がいる点などが非常に自然に描写されており、まるで本当に行われた出来事のように錯覚してしまうほど臨場感・没入感が高い。
しかし、定点観測型やPOVでよく見られる都合の良いカメラアングルに関しては優しい心で受け止めてくれ…!

全体的にジャンプスケア系のびっくり演出が多く、話の展開も極めてシンプルな作りの映画だが、今だからこそリアルを感じることができる地獄のZoom飲み会をぜひ体験してみてほしい。

映画『ズーム 見えない参加者』作品情報

『ズーム 見えない参加者』
製作年:2020年
公開時間:68分
製作国:イギリス

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