本屋に足を運ぶと「洋画を見るだけで英語力がつく」なんて書籍をよく見かけます。
私は10年近く映画を見ていますが、最後に受けたTOEICは200点ほど。
未だ中学英語もままならず、英語のロゴTシャツを着ては嫁(TOEIC最高900点)に嗤われる日々を送っています。
しかしこんな理由だけで、私は映画の力を疑いたくない…!(頭が悪いだけ)
そんなある日、スマブラSPをやりながら、こんな考えが頭をよぎりました。
「ボクシング映画を見続けたら、人は強くなるのでは…?」
数ある格闘技映画の中でも、とりわけストイックで、ドラマ性に富んだジャンル”ボクシング”。
その映画を見続ければ、早く・安く・カンタンに強くなるのではないかと、GCコン※を握りながら思いました。
今回は1週間、毎日欠かさずボクシング映画を鑑賞し、鑑賞前と後でどれくらい強くなれたかを検証します!
(※ゲームキューブコントローラーの略。スマブラガチ勢はみんな使っている)
「ボクシング映画を見続けたら人は強くなるのか?」検証方法
検証方法は3つ。
- 反射神経テスト
- ○に■■を取られるまでのタイム
- スマブラ
1.反射神経テスト
ボクシングといえば、反射神経。
今回はネットで測定できるこちらのサイトを利用しました。
ちなみに、ボクシング映画鑑賞前はこんな感じ。
結構自信あったのですが…散々な結果に…。
2.○に■■を取られるまでのタイム
webの測定だけでは味気ないので、強力な助っ人を呼びました。
猫です(3歳 オス)
猫は獲物を取る野生の本能ゆえ、反射神経が抜群。
ねこじゃらしのおもちゃを見せると、すごいスピードで奪いにくるのです。
我が家には猫が2匹いますが、おもちゃを見せると100%食いつく彼に協力してもらうことに。
今回は、このおもちゃが取られるまでのタイムも検証要素に加えます。
ボクシング映画鑑賞前のタイムがこちら。
6秒94…基準がわからないのでなんとも言えませんが…。
3回目くらいの攻撃で取られちゃいました。
正直おもちゃを取られると、取り返すのがすご〜く大変なので、私も取られないよう必死です。ガチンコ。
3.スマブラSP
最後は、この企画を思いついたきっかけでもある、スマブラSPの「世界戦闘力」でも検証します。
※世界戦闘力とは?
世界戦闘力とは、自分の下に何人いるかを表した通常のランキングとは逆のランキング形式です。例えば、自分の世界戦闘力が100,325であれば、自分は100,324人よりも上ということになります。
https://altema.jp/sumaburaswitch/sekaisentouryoku#01
つまりこの「世界戦闘力」の数字が大きいほど、強くなったことになります。
使用キャラは格闘キャラらしく、ルカリオで検証。
試合は1on1のアイテム・切札なし、ステージは戦場化or終点化。
運要素を廃して、シンプルな格闘ゲーム方式で検証します。
「え?リトルマック※じゃなくて?」と思った方、すいません。ルカリオのほうが可愛いので…つい…。
それにしてもゴミみたいな戦闘力。果たしてどのように変化していくのか…。
(※ボクシングゲームシリーズ『パンチアウト』の主人公)
検証1日目(9/6)
1本目はNetfilxオリジナルドキュメンタリー『カウンターパンチ』を鑑賞。
そもそもボクシングのルールをよく理解しておらず、知識をつける意味も含めドキュメンタリーをチョイスしました。
本作は現代アメリカのボクシング業界を捉えており、選手の多くが「名声よりもビジネス」を重視するなど、かなり衝撃的な現実を目の当たりにします。
そんな業界や興行事情で揺れ動く選手たちの放つ一言は、ボディーブローよりも重い…。
中でも、あるボクサーが講演で語った「成功する上で大切な5つの言葉」が印象的。
「自信」「練習」「真面目さ」「やる気」「我慢」を守れば、将来成功できると言っていました。深い。
ただ金言が多い反面、ボクサーの抱える葛藤や、報われない試合結果など、かなりシリアスな展開も。1本目に見る映画ではなかった気がします…。
検証2日目(9/7)
2日目のボクシング映画は『ビニー 信じる男』。
実在のプロボクサー、ビニー・パジェンサが、現役復帰は絶望的と言われた事故から奇跡の復活を遂げる伝記映画です。
ビニーは相手に挑発的な態度をとったり、練習の合間をぬってギャンブルする(事故に遭う道中もカジノに向かっていた)など、先日見た『カウンターパンチ』に登場した「5つの大事なこと」を思い出させる場面がありました。
中でも気になったのが、首の怪我を固定する「ハロー」と呼ばれる器具。(画像参照)
頭に直接ボルトがねじ込まれているのに、麻酔無しで器具を外すことにこだわるビニーが痛みに耐える姿は、まさに「我慢」。
力任せや技を磨くだけが、強くなることじゃない…。
ときには我慢し、耐え抜く度量も強さの秘訣なのかもしれません。
また、ビニーがハローと車椅子生活を余儀なくされているのに、クラブに寂しい顔して居座る様子はメチャクチャ切なく、これだけでもいろんな雑念が払われそうです。
検証3日目(9/8)
ボクシング映画の多くには、試合前に敵の試合映像を見て研究するシーンがあります。
つまり、頭を使うことでも強くなると踏んだ筆者は、ぼーっとしていることの多い家でも、先を読んだ行動をするよう心がけました。
家事においても「指示待ち」な筆者が、率先して食器を出し、嫁の料理が終わるとすぐ台所を拭くように。
嫁からも「わかってるじゃねぇの…」とお褒めの言葉をいただきました。ボクシング万歳!
強くはなっていませんが、少しずつ意識の持ち方が変わっている感じ。
ちなみにこの日は、モハメド・アリのドキュメンタリー『アイ・アム・アリ』を鑑賞。
しかしモハメド・アリの凄さはわかっても、強くなるうえでタメになる情報はあまりありませんでした。
強いて言うなら、アリが娘のメイメイに言った「食事とお金の管理だけはするんだよ」という言葉だけ、実生活にも反映できそうな気がします。
なお、検証開始日から、毎日30分〜1時間ほどプレイしているスマブラSPの「世界戦闘力」はこんな感じ。
初日の145,100から、若干…増えています。
ただ、ボクシング映画を3日連続で見たとはいえ、そこまでプレイには影響していません。(どう影響させればよいのかもイマイチわかっていない)
そもそも、ボクサーとして一番の理想は「パンチを喰らわず、相手をパンチする」こと。
負傷しながら勝てても、その後の生活に、何かしらの後遺症を残すかもしれないからです。
にもかかわらず、このルカリオというキャラはダメージを受けるほど、攻撃力が上がるという、逆転を狙う前提のキャラクターなのです。
劇映画なら大逆転なんてドラマチックな展開ですが、実際のボクシングにおいては良いのかと言われると、難しいところ…(何の話?)
4日目(9/9)
少しずつボクシング映画の影響を受けている筆者。
ついに、執筆している記事にも、モハメド・アリの名言を引用するなど、影響が出始めます。
検証初日は寝転がって見ていたボクシング映画を、この日から筋トレしながら見るようになりました。
検証4日目は、しくじり先生的映画『負け犬の美学』を鑑賞。
タイトル通り、試合に負け続けたボクシング選手が、王座を狙うボクサーのスパーリング相手になるというストーリー。
ちなみにスパーリング相手は、非常に危険な仕事だそうです。
主人公がプロボクサーではなく、プロの練習相手というのも斬新な設定。
負けや失敗から気付ける大切なことを、この映画は教えてくれます。
とはいえ、負け犬ボクサーの生活が苦しい様子は、ケン・ローチ監督ばりにシリアスなので、若干メンタルがやられます。
これもまた課せられたトレーニングなのか…。
5日目(9/10)
検証5日目は、クリスチャン・ベールとマーク・ウォールバーグが共演した『ザ・ファイター』を鑑賞。
ミッキー・ウォード(ウォールバーグ)とその異父兄ディッキー・エクランド(ベール)の衝突や復活を描いた激アツドラマです。
この映画、蓋を開けてみると、ミッキーたちの母が毒親だったり、兄のディッキーのが麻薬によって刑務所に送られるなど、ストーリがヘヴィ級。
中でも、ディッキーが自分のドキュメンタリーを見ると、ボクサーではなくジャンキーとして取り上げられていた場面は結構キツイです。彼の実家は完全に葬式ムードでした。
その一方で、ミッキーがバーで働く女性を口説くときに「実はパンチは顔よりボディのほうが効くんだ」と話したり、ディッキーが父親に殴られそうになると、条件反射でカウンターパンチを当ててしまうなど、ボクサーあるある?っぽいシーンも。
「強くなる」という意味では結構貴重なシーンかもしれません。
やっぱり強い人は、日頃からにじみ出てる強さがあるんですね。
6日目(9/11)
ここにきて、スマブラ世界戦闘力が100万を超えました。
『ザ・ファイター』では、試合をする際「ヘッド・ボディ」戦法というものがあり、頭を狙うと、ガードするためにボディが空く(逆もしかり)というものです。
このように、ボクシング映画で見た戦法をアレンジしたり、モハメド・アリの名言「蝶のように舞い、蜂のように刺す」を参考にしてプレイしました。
ちなみに検証6日目に鑑賞したのは、マイケル・ダグラスのパパ、カーク・ダグラスが主演のボクシング映画『チャンピオン』(1949)。
この映画、とにかく黒い。
主人公ミッジは名声よりも女よりも、金に目がくらんでしまうボクサー。
実力もあり、選手として確固たる地位を築くのに、人間としては地の果てまで落ちていくというハードなドラマが印象的でした。
強くなるとかそんなことほっといて、マジで見てほしいダークな映画です。
増村保造監督とか好きそうな題材。
7日目(9/12 最終日)
総仕上げとして鑑賞したのは、ドキュメンタリー映画『ジョーのあした 辰吉丈一郎との20年』です。
若かりし頃の赤井英和が、誰にでも等しく暴力を振るう破天荒ボクサーを演じた映画『どついたるねん』の阪本順治監督によるドキュメンタリー。
元WBC世界バンタム級王者のプロボクサー・辰吉丈一郎を20年間密着するという、ボクサーが何を考え、何を糧に生きているのかを知れる作品です。
常に注目を浴びる選手のメンタルなど、映画ではわからないボクサーの心境も分かります。
しかし、ここにきてまさかのスマブラSPでスランプに陥りました。
連敗した結果、世界戦闘力が前日の半分まで下がったのです。
皮肉な事に、最後の試合はリトルマックに負けるという…。
一週間の成果や如何に…!?
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