【オススメサメ映画紹介】『ハウス・シャーク』在宅シャーク、あるいはカオス

どうもこんにちは。えのきです。

前回に引き続き在宅ムードが続いていますが、家にいてもサメはいつでもどこでも大暴れ。
前回の『ゴースト・シャーク』水があればどこでいいならもうどこでもいいじゃん感が出てきておりますがサメ映画の(誰に求められたのかはわからないが)飽くなき探究心は尽きるところがありません。
不要なものなど一つもないこの世界のためにもその探究心は決して絶やさず燃やし続けて欲しい……そうサメ映画に生きる勇気を与えてもらいながら今回もサメ映画を紹介していきたいと思います。

在宅ムードで家から出れない人々を恐怖に陥れるまさに在宅サメ映画。在宅パニックシャークホラームービー……クラウドファウンディングで一回目は未達に終わるも飽くなき執念により二回目のクラウドファウンディングにて達成というよくわからない経緯を持った狂気の産物。
『ハウス・シャーク』です!

『ついに家の中から襲来!安全な場所など、どこにもなかった!』
前回の『ゴースト・シャーク』の時点で安全な場所などそもそもない感じですが、あらすじから行ってみましょう。

あらすじ

元警官のフランクは息子のテオと二人暮らし。ある日、フランクはシッターのベッツィが自宅のトイレに引きずり込まれる凄惨な光景を目の当たりにする。トイレから出る背鰭を見てフランクは確信する。
「家にサメがいる!」
フランクは家に入ることを恐怖しテオと共にテント生活を行うが悪徳不動産会社がハウスシャークの巣食うフランクの家を売ろう企み内見に来たカップルもまたハウスシャークによって虐殺されてしまう……
やがて協力者として現れるハウスシャーク研究家のザカリー、不動産会社が手配したアル中のエイブラハム、三人のハウスシャークとの戦いが幕を開けた!

『ハウス・シャーク』を表す言葉。それはカオスです。

「家に現れるサメ!」というコンセプトからは想像のつかないごった煮、超展開、無から現れる登場人物たち、そして光線銃を使い再生をする着ぐるみにしか見えないサメ……何から何まで常軌を逸脱している展開、登場人物の言動の数々、そしてひたすら生理的な嫌悪感を催す下品なネタの数々……

初見時に私は最後の最後まで
「こ、これは実は主人公の見ている幻覚というホラーエンドなのではないだろうか……く、狂ってる!」
という不安と恐怖をぬぐいきれませんでした。

何せ超展開の数々と濁流のように無からポップアップしてくる妙にアクの強い登場人物ラッシュが異様であり異色です。

ハウスシャークの巣食う家に内見をしに来たカップル。通常であればカップルがサメに喰われることなど日常茶飯事であって動揺することでもないのですがこのカップル、内見中に二人で性行為をおっぱじめようとするフリーダム。いくらこの手の映画のノルマだからって内見中にセックスするな!

©2018 SRS Cinema LLC RonBonk

まぁ案の定死ぬのですが。

©2018 SRS Cinema LLC RonBonk

メインの登場人物ではないのに妙にキャラが立った人物ばかりが無から発生し続け、特に顕著なのが不動産会社により派遣される住宅診断士のダース・スクワント。

明らかにスターウォーズをパロった外見にフォースの暗黒面の力をバリバリに使って人を宙に浮かし、「昔サメはバッファローと同様、陸の生物だった」と言い出します。おいおいおいおいなんだよそのトンデモ起源説は。この映画がサメ映画の暗黒面だと思います。

©2018 SRS Cinema LLC RonBonk

アメリカ先住民という謎の設定まで付与され「アメリカ先住民に謝れよ……!」などと思わないでもないですが、すでにこの時点で「サメ映画って……なんだよサメ映画って!」となること間違いなしの混沌具合に物語が突入していきます。

なお、このダース・スクワントも秒殺されます。

©2018 SRS Cinema LLC RonBonk

他にも、
ハウスシャークに捕食されるカップルを見て無から出現して「サメだわ!ハウス・シャークよ!」と言い出す謎の女、内見しにきていたカップルの養女になる予定だったがハウス・シャークによってカップルが喰われたためフランクの股間に蹴りを入れる少女、不動産会社の社長室で不動産会社の創業者の蝋人形という体でただひたすらパントマイムをしているようにしか見えない謎の蝋人形

©2018 SRS Cinema LLC RonBonk
ん????となるけどツッコミ不在のまま続く蝋人形

など見ているだけで「???????」となること間違いなしの理解不能の映像が乱れ飛びます。

ここまで紹介した時点でも開幕から約30分時点というこの有様、惨劇、地獄絵図。

なお『ハウス・シャーク』の上映時間は約二時間です。なんだよその狂気の情熱は!

上映時間が一時間経過したあたりでようやく主人公のフランク、ハウスシャーク研究家のザカリー、不動産会社が手配したアル中のエイブラハムの三人パーティで家へと乗り込みハウス・シャークとの戦いになるのですが……

光線銃を装備したサメ

©2018 SRS Cinema LLC RonBonk

謎の蟷螂拳修行パート

©2018 SRS Cinema LLC RonBonk

など「一体何を言っているんだ??????」となる展開が大洪水。一つの「理解不能」を処理する前に次の「理解不能」が訪れ続けます。

見ているうちに「あれ……もしかして理解出来ない俺が悪いのか……?やっぱり今時のサメは光線銃を装備しているし蟷螂拳で立ち向かわないとダメなのか……?」
と正気を失いそうになりますが、そうなればもう大丈夫。ハウス・シャーク視聴に最適な体に進化しているということです。生きるということは変わること、変わるということは生きているということ。人が歩き続けるかぎり全ての道はハウスシャークに通じているのかもしれません……信じてください。ハウス・シャークに身を委ねましょう。

超展開の連続に全く共感の出来ない登場人物、ひたすらに下品で気持ち悪くなる下ネタの乱発……と言葉にすればするほど褒めどころのない酷いサメ映画、それが『ハウス・シャーク』なのですがこれが意外と見ているうちに気づくと二時間が過ぎてしまいます。
最低に汚いあまりにポップコーンを食べる気すらなくすというところに、目をつむれば終始普通では想定できない異様な展開が繰り広げられツッコミを入れている間に上映時間が終わっているという意味で良質のZ級サメ映画と言えるでしょう。

今回の『ハウス・シャーク』、ある意味イチオシ!ではあるのですが「あまりにも下品」「とにかく長い」「人間の世界の論理として何一つ理解出来ない」などの注意点があるのである意味上級者向けかもしれません。
それでも「この世の果てのサメ映画を見てみたいぜ!」と思う方には是非試していただきたいサメ映画、それが『ハウス・シャーク』です。新しい扉、どんどん開いていきましょう。
在宅疲れで「良質な映画はすっかり見飽きたよ」「とにかくぶっ壊れたサメ映画をみてみたい」そんな方は手を出してみるのはいかがでしょうか?

それではまた次回!

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