『ザ・レイド』シリーズや『スカイライン-奪還-』など、アクション映画で知られるインドネシアの俳優イコ・ウワイス。
近年では『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でカンジ・クラブの一人を演じたり、『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』ではスネークアイズの宿敵トミサブロウの叔父・ハードマスターを演じるなど、ハリウッド映画への出演も多い人物です。
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(↑)7月には日本に来ていたイコ・ウワイス。
そんなイコ・ウワイスが2023年公開予定の『エクスペンダブルズ』第4弾に出演!ヴィランを務めることが発表されており、シルヴェスター・スタローンやジェイソン・ステイサムたちとどんな死闘を繰り広げるのか、注目を集めています。
とどまることを知らないイコ・ウワイスの勢いですが、ここで改めて彼がメインで出演する映画をまとめてみました。正義感の強い役が多いと思いきや、意外と複雑な立場のキャラを演じることも多いようです。
イコ・ウワイスの出世作『ザ・レイド』シリーズ
イコ・ウワイスの存在を広く知らしめたインドネシアのアクション映画。麻薬王が占拠する高層ビルに殴り込むSWAT部隊の激しい戦いを描いた第1作『ザ・レイド』と、前作よりストーリーが複雑化した第2作『ザ・レイドGOKUDO』。どちらもイコ・ウワイスの代表作となっています。
『ザ・レイドGOKUDO』はヤクザも登場し、松田龍平、遠藤憲一、北村一輝がドスのきいた演技を見せたことでも話題となりました。
本作をはじめとするイコ・ウワイスのアクションは「シラット」と呼ばれる東南アジアの武術であり、のちに放送されるアニメ「PSYCHO-PASSサイコパス」や、イコ・ウワイスがギャングの一員で登場する『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でもギャングがシラットを駆使してくるなど、様々な作品に影響を与えています。
第1作はイコ・ウワイスをはじめ多くの隊員が活躍しますが、第2作ではより主人公の活躍度が増しています。たった一人で多くの組織とガチンコバトルをするなど、潜入捜査員としてはかなり労働過多な気もします。その分、見どころも多くておススメです。
敵対するキャラも個性派ぞろいで、金槌で殺す、ナイフで殺す、野球のバットとボールを駆使して敵を殺す(⁉)など何でもアリ。ラストのキッチンファイトも繰り返し観たくなるアクションが満載です。
アクション:★★★★★
演技:★★★
出世:★★★★★
シラット並みのスピード感でヒロインに惚れるイコ様『ヘッドショット』
『ザ・レイド』に続くインドネシア発のアクション映画。イコ・ウワイスが犯罪組織から頭部に銃弾を喰らい、生き延びたものの記憶喪失となった青年・イシュマエルを演じます。
自分を治療してくれた女医・アイリンに淡い恋心を抱く、ちょっとおセンチなイコ・ウワイスも見どころです。最初は記憶が完全に戻っていないがゆえに、どこかぎこちない戦闘シーンも新鮮です。あとヒロインに惚れるまでが結構早すぎない?なんかもうちょっとこう…段階とか踏んだ方がいいんじゃないかな⁉
記憶が戻るにつれて動きにもキレが出てきて、『ザ・レイド』を彷彿とさせるアクションシーンも連発。長いテーブルの上で殴り合うシーンなんてほぼ『ザ・レイド』のオマージュかと思うほどです。
『ヘッドショット』のタイトルどおり、多くの敵が頭部に致命傷を受けて倒れてますが、後半はイコ・ウワイスの動きがキレキレすぎて、どこが致命傷になっているのかよく分かりませんでした。
ちなみに犯罪組織のボスであるリーは白髪混じりのおっさんですが、めちゃくちゃ動けます。イコ・ウワイスを螺旋丸みたいなパンチでぶっ飛ばしてました。
またアクション以上に人体破壊の描写も多く、バイオレンス要素の方が強いかもしれません。螺旋丸おじさんは素手で首の皮を引きちぎったりしています・・・。けっこう痛々しいってばよ。「暴力は好きだけど、グロいのはちょっと・・・」という人は要注意です。
アクション:★★★
演技:★★★
惚れやすさ:★★★★★
シラットは対宇宙人戦でも使えます!『スカイライン-奪還-』
突如宇宙船が現れて、次々と人をさらっていく衝撃的な内容と映像が話題を集めた『スカイラインー征服ー』の続編。主人公たちはロサンゼルスで宇宙船にさらわれ、なんとか宇宙船から脱出(墜落)した先はラオスでした。
イコ・ウワイスは宇宙人や混乱に乗じた汚職警官たちに対抗する反政府組織のボス・スアを演じています。
最初はフルフェイスのヘルメットをかぶって登場しますが、ヘルメット越しでもイコ・ウワイスとわかる早すぎる連続パンチ、華麗な関節への攻撃、キレキレのナイフ捌き…。本作では拳だけでなく、ナイフを使ったアクションが多いのも印象的です。
デカい宇宙人に対しても、銃火器ではなくナイフで立ち向かっていき、普通に勝っています。そもそもどんな生活をしていたら「シラットで宇宙人倒せるんじゃない?」という発想に至るのか…。
イコ様の演技もみどころで、アメリカ人である主人公に対して敵意をむき出しにする一方で、一緒に行動をする妹には心配する一面を見せるなど、厳しさと優しさを合わせもつキャラクターを演じています。
出番自体は後半からになるものの、アクションと演技のバランスが丁度よい出演作となっていました。
余談ですが。『ザ・レイド』シリーズで共演したヤヤン・ルヒアンも本作に警官役として出演。あっという間にイコ・ウワイスにより独房にぶち込まれ、次に登場するときは侵略しに来た宇宙人と肉弾戦をするという、ほぼ「ヤヤン・ルヒアン本人が宇宙人と殴り合いをしに来た」くらいの感じで出演しています。しかも宇宙人により両腕をもぎもぎフルーツされるなど、どのキャストよりも死に方がハードコアなのもポイント高めです。
ちなみにヤヤン・ルヒアンは別の役で続編『スカイラインー奪還ー』にも出演しています。
アクション:★★★
演技:★★★
ナイフ捌き:★★★★
イコ・ウワイスに護衛なんかいらないじゃん?『マイル22』
『バーニング・オーシャン』などでタッグを組んでいるピーター・バーグ監督とマーク・ウォールバーグ主演によるアクション・スリラー。兵器となる超危険物質が盗まれ、その行方を知る人物リー・ノアをイコ・ウワイスが演じています。リーはジェームズ・シルバ(演:マーク・ウォールバーグ)率いるCIAの機密特殊部隊に護送されるという役どころです。
「イコ・ウワイスに護衛…?」と思うかもしれませんが、お察しの通り、今作でもイコ・ウワイスは普通に強いです。両手を拘束されてパンツ一丁姿でも複数の敵を倒し、ジェームズ・シルバたちがさばき切れず襲ってきた敵もテキパキと倒しています。護送とは。
『ザ・レイド』『スカイライン-奪還-』では正義感の強い人物を演じていますが、『マイル22』で演じるのは、危険物質の行方を知るミステリアスな役です。本国での本編評価はイマイチながら、イコ・ウワイスの演技は高評価を得ていました。
続編の制作もアナウンスされてますが、2023年時点で特に目新しい情報はナシ…。滅茶苦茶続きが気になる終わり方だったので、早く続編でイコ・ウワイスが暴れる姿が見たいです。
アクション:★★★
演技:★★★★★
守ってあげたい度:★
スーツ姿でキメるイコ・ウワイス『シャドー・オブ・ナイト』
『ザ・レイド』でタッグを組んだイコ・ウワイスとジョー・タスリムが、今度は敵同士でぶつかり合うバイオレンス・アクション映画。『ヘッドショット』で監督を務めたティモ・ジャヤントの次作でもあります。アジアの密輸ルートを仕切る犯罪組織の幹部・イトウをジョー・タスリム、イトウと一緒に組織に入った幼馴染アリアンをイコ・ウワイスが演じます。
ひとりの少女をかくまったことで組織から命を狙われるイトウと、組織からイトウの始末を指示されるアリアン。2人の激しいアクションだけでなく、哀愁を帯びたイコ様の表情にも引き込まれます。
闘いでも一切を手を抜かず、すでに瀕死レベルのダメージを追っているイトウに容赦なく殴る・蹴る・フェイントを入れて殴るなど、目にもとまらぬ速さでボコボコにしていきます。しかしイトウは「不死身なの?」とツッコみたくなるくらい死なないので、最初はクールだったイコ様はどんどん余裕がなくなります。死に物狂いで相手を潰そうとする姿はまさに狂気そのものです。
『シャドー・オブ・ナイト』は様々なキャラが活躍するので、アクションのみどころも豊富。イコ・ウワイスの出番はやや少なめですが、ラストのバトルはとにかくすごく痛そう。アクションをずっと見たい気持ちと「痛そうだからもうやめて!」という矛盾した気持ちがぶつかり合います。
あと、正当防衛とはいえ子どもが大人を殺すシーンもあるので、演出的には結構ハードで見る人を選ぶかも…。
アクション:★★★★
演技:★★★★
仲違い度:★★★★★
スパイなのに顔面からむき出しの殺意『トリプル・スレット』
イコ・ウワイスをはじめ『マッハ!』のトニー・ジャーや『マトリックス』の武術指導をしたタイガー・チェンらが手を組み、なんかよく分からない(本当に目的とか黒幕がよく分からなかった…)犯罪組織とガチンコバトルするアクション映画。
イコ・ウワイスは登場からわずか5秒ほどで最愛の人を殺され、かなり“巻き”で復讐心を燃やすことになる青年・ジャカを熱演。
復讐のためなら犯罪組織にスパイとして潜り込むこともいとわない。しかし素人から見ても「親でも殺されたの?」と思いたくなるほど顔面から溢れ出る殺意…。スパイ活動は得意ではないのかも。
さらにトニ一ジャーとタイガー・チェンをエサにして組織をおびき出すなど、何かと状況を複雑化したがる様子もうかがえます。おかげさまで物語の中盤くらいではトニー・ジャーにめっちゃ嫌われていました…。
そんな面倒なことせずに、3人で手を組んで組織を壊滅させたほうが手っ取り早いと思うんだけどなあ…(そういうストーリーを期待していた)
後半はほとんどトニー・ジャーの見せ場だったり、トニー・ジャーがエプロン姿を披露するなど、ややイコ様の印象が弱い感も否めません。俺はイコ様のエプロン姿もみたいよ。
一方で、不慣れなスパイ行動に一生懸命なイコ様は必見です。紆余曲折はあるものの、これまで孤軍奮闘する作品が多かったイコ・ウワイスには珍しい共闘ものでもあります。
『ヘッドショット』や『シャドー・オブ・ナイト』のようなバイオレンス描写もないので、初めてのイコ・ウワイス映画にもおススメ。
ただストーリーや犯罪組織について本当にピンとこなかったので(筆者の理解力が足りない可能性も大)「アジアのアクションスターが暴れまくるアクション映画」くらいのモチベで挑むのがちょうどよいかもしれません。
アクション:★★★
演技:★★★
スパイ適正︰★
まとめ
今回はイコ・ウワイスの出演作から、アクションや演技、その他もろもろにフォーカスしてみました。
出演作を辿っていくと、やはり『ザ・レイド』以降、様々な作品からひっぱりだこな様子が手に取るように分かりました。すごい!
『エクスペンダブルズ4』では、軍人から武器商人に転じたヴィランとして出演しますが、果たしてどんなアクションや演技を見せてくれるのか気になります!
邦題「エクスペンダブルズ ニューブラッド」として24年1月12日に日本公開決定!
http://expendables-movie.jp/
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