様々な理由から日本公開が見送られてしまった傑作・怪作映画を劇場公開する、毎年恒例行事「未体験ゾーンの映画たち」の延長戦がヒューマントラストシネマ渋谷にて6/19(金)より開始しました。
その中でも一際目を引いた『キラーソファ』を紹介します。
ポスターは怖い感じがしますね…実際はこんなやつなんですけど。


かわいい
何らかの器具や食べ物が人を襲う、キラー◯◯系と言えば、以前紹介したキラーコンドームやZ級映画の代名詞的存在キラートマトなど有名作が多いですが、このソファー君はそんな先輩方と肩を並べられるのか…!?
そのソファ、殺人鬼です…キラーソファ(原題:Killer Sofa )
冒頭ハードなシーンから始まり「結構普通にホラーなのかな」と思ったのも束の間、主人公フランチェスカの親友の祖父(霊感が強い)がサイコメトリー的な動きを見せB級感が高まり、以降全体的にやや強引でアホっぽい展開で進行するため基本的にはコメディ映画です。ただ、ホラー的な見せ方は意外としっかりしていたり、終盤からエンディングにかけてはホラー要素強めなため、ただかわいいだけのソファ君ではないことをしっかり見せてくれます。
自主規制PG12相当ではありますが、恐らく予算の都合上、直接的なゴア描写はほぼ無いためそのあたりは構えず良いと思います。
予想外の機動性を持つ殺人ソファ
あらすじでも触れられていますが、このソファ思いの外よく動くんですよね。


予告にもあるこのシーン、人を高所から落下させトドメを刺します。
「そんな普通にやる!?」っていうくらい普通に落とします。


あと、クッキー焼きます。
「ソファなんて座らなかったらいいじゃん」という思いを覆されるほどこのソファの機動性が高く笑ってしまいましたね。
予想外な機動性の反面、CGで表情をつけたり、アクションしたりといったことはなく終始アナログな方法で動き続けるのですが(そのあたりはキラートマトっぽい)、そのチープさが生み出す笑いは絶妙です。
ソファの向きが変わってターゲットを見つめている(ように見える)だけの描写でも愛くるしさがあり、B級ホラーファンにはとても魅力的に映るのではないでしょうか。


ソファとの官能的なシーン(!?)も実にB級っぽい
ソファには「ディブク」というユダヤの神話で語られる悪霊が取り憑いており、その元凶は数十年前の呪いと因果があったり、ラビ1のおじいさんと協力して悪霊と戦おうとしたりと、何だか壮大な話を感じさせつつも、基本的には緩い笑いと強引な展開で進行するB級らしい作品ですので、気軽に鑑賞できる一本です。
2019年に公開された作品のため海外盤は既にソフト化していますが、国内盤が発売される保証は無いので気になった方はヒューマントラストシネマ渋谷へ足を運んでみてはいかがでしょうか!
未体験ゾーンの映画たち2020 延長戦
7/2(木)終映
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フランチェスカは、事件に巻き込まれ行方不明になった知人の所有する一人掛けソファを譲り受けることに。だがそのソファは呪われていて、変わった男たちを魅了するフランチェスカに恋をしてしまう。殺人鬼と化したソファは彼女の身も心も独占しようと、家を訪れる人間に次々と襲いかかる! つぶらなボタンの瞳、快適な座り心地からは想像できない残忍な手口、そして想像を超える機動性。果たして悪夢のような恐怖から逃れることはできるのか?