みんな『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』はもうプレイしましたか?
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』(以下『パラノマサイト』)とは、昭和後期の東京を舞台に、呪いの力を得た9人の男女が織りなす群像ホラーミステリーADVです。ホラーゲームでありながら、呪いの力で殺し合う異能力バトルのような展開を見せる本作は、発売から数多くのユーザーの心を鷲掴みにしてきました。
今回はそんな『パラノマサイト』に加え、同作のディレクター・シナリオを務めた石山貴也氏が過去に手掛けた推理ADV『探偵・癸生川凌介事件譚』をご紹介します!
9人の男女が織りなす群像ホラーミステリー『パラノマサイト』
どんなに文化文明が遷り変わろうとも、人々の営みには常に“死”が付きまとっている。もし、死んだ者を生き返らせる幻の秘術があるのなら……。これは“蘇りの秘術”をめぐり、壮絶な命の奪い合いを繰り広げることになった、9人の男女が紡ぐ物語だ。
翁面を被った案内人は、一人の男について語り始めた。
彼の名前は興家彰吾。彼が最近心惹かれつつあるという福永葉子から「大事な用事がある」と頼まれ、東京都墨田区にある錦糸堀公園にやってきた。
色恋の話……ではなく、オカルト大好き女子である福永葉子は、“本所七不思議”と呼ばれる噂を調査するために興家を呼び出したのだ。死んでしまった飼い犬のオゴポゴを生き返らせたくて、七不思議と関係する“蘇りの秘術”を求めているのだという。
ゲーム中に登場した人物や地名、用語などは、資料として詳しい情報が閲覧可能だ。昭和後期が舞台なだけあって、興家がノンポリだったり、趣味がフォークギターだったりと、時代を感じて面白い。
画面の気になるところや人物にカーソルを合わせると、調べたり会話したりが出来る。パノラマ背景になっているため、視点をぐるりと動かして背後も調べられる。ちょうど葉子さんが興家の背後を指さしているな。
葉子さんのリアクションから察するに、興家の後ろにとんでもないものが見えているようだ。うわ〜、振り返りたくねえ〜。絶対こわいヤツ居るでしょ!
振り返るが背後にはなにもない。「残念でした〜!ビックリした?」と葉子さんのジョークでしたというオチかと思って前を向くと……
葉子さんは、何か恐ろしいモノを見てしまったかのような表情で絶命していた。
その後、興家は、自身の目の前から立ち去ろうとする者を溺死させる“七不思議・置いてけ堀”の呪詛珠を得る。興家と同じ様に、呪詛珠を持つ人たちがいて、彼らの魂を捧げることで蘇りの秘術が発動するらしい。
呪詛珠に引かれるように、興家を害そうとするものたちが集まってくる。人の命を奪うことにためらいながらも、葉子さんを蘇らせるため、呪いの力の行使を決意するのだった。
置いてけ堀の力を使うには、対象が自身の目の前から立ち去ろうとしなければならない。上手く立ち去らせる選択を選ぶ。
弓岡を呪殺したあと、各地を移動しながら呪詛珠を持つ者を探す。弓岡を呪殺した時は葛藤を見せていた興家だったが、一人、二人と手にかける内に、どんどん非常な面を見せるようになっていく。
高圧的な態度を取る並垣。彼の呪詛珠の能力は、特定の言葉を聞いた者を圧死させるという、かなり発動条件が緩い。単純に選択肢で呪詛を回避する以外にも、ゲームシステムそのものを利用する謎解きもある。
呪殺されてゲームオーバーになった際に、かなり丁寧なヒントを貰えるんだけど、勘の悪い僕はなかなか気付けなかった。
興家編を終えると、他のキャラクターを主人公としたパートが選べるようになり、彼らがいかにして呪詛珠を手に入れ、なぜ蘇りの秘術を欲するようになったのか語られていくぞ。
呪いの力を行使するにつれてサイコパスみが増していった興家をはじめ、個性的な主人公が揃っている。とくに、女子高生の黒鈴ミヲちゃんは、単独でTシャツグッズに採用されるほど人気が高い。
また、若者キャラだけではなく、魅力的な中年キャラも揃っているぞ。上のスクリーンショットは、僕の推しおじさんの葦宮誠だ!
『パラノマサイト』を遊び終わったら、次は『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズだ!
次に紹介するのは、2002年から携帯アプリゲームとして配信されていた『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズの第一作である『仮面幻想殺人事件』のニンテンドースイッチ移植版だ。
2002年当時は携帯料金の支払いを家族割にしてたので、母親宛てにまとめて請求書が届くもんだから、通信料以外に金がかかるとめっちゃ怒られるため、『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズもプレイ出来ていなかった。通信料金以外が請求書に記載されているとめっちゃ怒られてしまうからだ。
しかし時を経て、ジー・モードは、かつて配信されていた携帯アプリゲームを、当時のまま忠実に再現する復刻プロジェクト「G-MODEアーカイブス」を行っており、『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズを始めとした様々な携帯アプリゲームが復刻配信されているのだ。あの頃、携帯アプリゲームをプレイ出来なかった僕にとって神のような復刻プロジェクト……サンキュー、ジー・モードさん!
話を戻して、『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズは、探偵である癸生川凌介(きぶかわ・りょうすけ)」が主人公ではなく、その友人であるゲームシナリオライターの生王 正生(いくるみ・まさお)を主人公とした推理ADVだ。
部外者である主人公と、癸生川の助手である白鷺洲伊綱(さぎしま・いづな)が事件の調査を進めていく。
癸生川先生は、突然現れてはエキセントリックな行動を残して去っていく。ぶっ飛んだ性格だぜ。
今となっては懐かしいコマンド選択式のシステムだ。
コマンド総当たりで面倒臭さを感じる人もいるかもしれないけど、時には状況にそぐわないような選択やお遊びが出来るので、僕は好きなシステムなんだよな。
3時間ほどでクリア出来るので、短めの文庫本を読む感覚で楽しめる。現在、G-MODEアーカイブスで配信されている『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズは10作以上あるので、『パラノマサイト』にハマった方は、ぜひ『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズも楽しんでいただきたい。
『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズは、それぞれ独立したストーリーになっているので、各タイトルのあらすじを読んでビビッと来たものからプレイするのも良さそうだ。一作目から順番にプレイすると、当時の携帯ゲームの進化を追体験できるので、個人的にはおすすめ!僕はニンテンドーDSで発売された『探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件』から始めたぞ。
余談になるが、先月神戸で行われた『パラノマサイト』のポップアップストアに、同作のディレクター・シナリオを務めた石山貴也氏がいらっしゃっており、サインをしていただいた上にツーショット写真まで撮らせていただいたのだ。
『パラノマサイト』にハマって『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズも楽しんでいることを伝え、この記事を書くことも了承してくださり、夢のようなひと時を過ごしていた。
ただひとつ、気がかりなのは……実はポップアップストアに行く少し前まで、タイトルを「パノラマサイト」と間違えて覚えてしまっており、現在も口に出す時はうっかり「パノラマサイト」と言ってしまいそうになる。
間違えてなかったよな……?
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』はニンテンドースイッチ/iOS/Android/PC(Steam)向けに、G-MODEアーカイブス『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズはニンテンドースイッチ/PC(Steam)向けに配信中です。
公式HP:https://www.jp.square-enix.com/paranormasight/
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