2月下半期の公開映画まとめ!イカれた街(?)下北沢を舞台にしたコメディから胸熱な戦争ドラマまでご紹介!

ヤマダマイ

2月下旬に公開される長編・短編映画を合わせて3作品ご紹介します!コメディから戦争映画、さらに2022年9月にこの世を去った巨匠の遺作が公開されます。

2月16日(金)公開:『シモキタブレイザー』

貧困コメディという、設定がなかなかにブラックジョークですが、終始肩の力を抜いて楽しめるハチャメチャな作品となっています。

タトゥーアーティストのKEN(佐藤嘉寿人)は、親友のSMOKY(赤名竜乃介)が栽培している大麻を売り、その日暮らしをしている。食事もままならないほどカツカツな生活だが、ある日、愛犬のブービーが病気にかかり、高い手術代が必要になってしまう。

そこでKENとSMOKYはネットで見つけた闇バイトに参加することに。BUZZ(青木 謙)とSNOW(倉冨なおと)、2人の若者と合流して宝石店を襲うが、KENはどさくさに紛れて謎のレコードも持ち去ってしまう。それは時価数億円もする伝説のレコード「シモキタブレイザー」だった。

ホンモノのお宝を巡って、宝石店のオーナー・ゴンダ(佐藤タダヤス)や、刑事のJINBEI(伊藤慶徳)と猫田(兒玉遥)たちがKENの居場所を探しだそうとするが…。

『東リべ2』出演俳優×元「VOYZ BOY」メンバーが共演!

(C)2023 MONKEYSPICE.INC

『シモキタブレイザー』の主人公KENを務めるのは、映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』などをはじめ、舞台やテレビドラマでも活躍する若手俳優・佐藤嘉寿人。行き当たりばったりな生活をしながらも、義理人情のアツい下北沢の住人を熱演しています。

そしてKENの親友SMOKYを演じるのは、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」に影山飛雄役で出演するほか、ダンス&ボーカルグループ「VOYZ BOY」の元リーダーとしても活動した経験も持つ赤名竜乃介

他にも同じく『東京リベンジャーズ2』に出演する青木謙や、テレビドラマ「令和千本桜〜義経と弁慶〜」など幅広い役を演じる倉冨なおとなど、若手キャストが集結!

監督は下北沢が生まれ故郷である安藤光造。前作では『灰色の壁大宮ノトーリアス』にて、元暴走族の復讐劇を描いており、本作でも若者たちが(ヤケクソになりながら)下北沢を暴走しています!

シモキタ・カーアクションを刮目せよ!

(C)2023 MONKEYSPICE.INC

アンダーグラウンドな街・下北沢を舞台に、およそシラフではやっていけないような奴らの活躍をコミカルに描いた作品。こちらも酔っぱらいながら見ると楽しい作品です。

だらしないし、アホだけど、ほっとけない…。そんな人情のあるドラマが、めちゃくちゃ破綻した闇バイトの渦中で映えておりました。

登場人物の多くが自堕落な生活を送っているのに、愛犬の治療費が払えないと分かったとき、闇バイトに手を染めてでも治療費を稼ごうとする気概はめちゃくちゃ「犬映画」としてポイント高いです(闇バイトはいかんけど)

本作はインディー映画ながら、カーアクションのシーンはそれを感じさせないスピード感やカメラワークが印象的でした。

鑑賞してから知ったのですが安藤監督は「FIA公認国内A級ライセンス」を持つほどの自動車、バイク好きとのこと。カーアクション映画『スピードマスター』や『ガクドリ』などでも、得意とするカーアクションを取り入れており、その経歴を知ると、下北沢のカーアクションも納得の見応えでした!

映画『シモキタブレイザー』公式サイト

https://shimokita-blazer.com/

2月23日(金)公開:『ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争』

2022年9月にこの世を去った”ヌーヴェル・ヴァーグの騎手”こと、ジャン=リュック・ゴダールの最期の作品が公開されます。

ゴダールは映画界から去る最期のときまで、この作品に手を加え続けました。本人曰く「最高傑作」となった短編映画です。コラージュされた絵・写真・映像から、音楽やナレーションが重なる作品となっています。

製作はペドロ・アルモドバル監督『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』を手掛けた映画会社・サンローランプロダクションが担当しました。

今、あなたのゴダール愛が試される…

(C)SAINT LAURENT – VIXENS – L’ATELIER – 2022

原題は「決して存在しない映画の予告編」。その内容はメモ書きともセリフの断片ともとれる言葉がぽつりぽつりと現れたかと思うと、予告編でも流れている「ショスタコーヴィチによるスコア(弦楽四重奏曲第8番)」をはじめとする、不穏なサウンドトラックが印象的です。

全体の構成がコラージュなので、そもそも劇映画なのかドキュメンタリーなのか、その区別も難しいくらいの作風となっています(そもそも、そんな枠に囚われない自由さがゴダールの凄さなのかもしれません)

さらにコラージュの中には、ゴダールの過去作から切り取られたものがあったり、邦題の通り戦争をテーマにした「言葉」がいくつも登場したりします。ゴダールらしい政治・戦争をテーマにした内容はファンならマストで見ておきたい遺作です。

映画『ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争』公式サイト

https://godard-phonywarsjp.com/

2月23日(金)公開:映画『コヴェナント/約束の救出』

オペレーション・フォーチュン』が日本公開されてまもないガイ・リッチー監督の新作です。自身の強みでもある軽快なストーリーを封印して描かれた胸熱な社会派ドラマとなっています。

2018年。アフガニスタン。タリバンが隠した爆弾庫のありかを捜索するジョン・キンリー曹長(ジェイク・ギレンホール)は、アフガン人通訳のアーメッドを雇う。優秀だが簡単には指示に従わないアーメッドだが、彼は家族と渡米するためのビザを手に入れるため、この仕事に就いていた。

キンリー率いる部隊は爆弾庫を見つけるも、タリバンに見つかり襲撃を受ける。生き残ったのはキンリーとアーメッドだけだった。さらに被弾したキンリーはアーメッドの介抱を受けながら、血眼になって2人を探すタリバンから逃げ続けることになる。

無事米軍に保護されたキンリーとアーメッドだったが、救出から7週間経っていても、アーメッドの渡米は叶っておらず、今もなおタリバンから身を隠して暮らしていた。

キンリーはアーメッドの恩義に応えるため、単身アフガニスタンへ戻り、アーメッドを救い出そうとする。

ガイ・リッチー×ジェイク・ギレンホールの新作はシリアスドラマ

(C)2022 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED

ガイ・リッチーといえば、2009年に公開された『シャーロック・ホームズ』をはじめ、『アラジン』(19)『ジェントルメン』(20)など、エンタメ色の強い作風が印象的です。

しかし今回の『コヴェナント/約束の救出』はゴリゴリのシリアスドラマとなっており、米兵と現地通訳の間に生まれる絆を武骨に描きました。エンタメ要素は影を潜め、リアルなアフガニスタン問題をストイックに捉えた作品でもあります。

主人公ジョン・キンリー曹長を演じるのは『アンビュランス』『THE GUILTY/ギルティ』など、最近ハードな役が印象的なジェイク・ギレンホール

もう1人の主人公であり、アフガン人通訳のアーメッドをTVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」に出演するダール・サリムが演じました。

個人的にはキンリーの妻・キャロラインを『リトル・ジョー』で主演を務め、カンヌ国際映画祭で最優秀女優賞を獲得したエミリー・ビーチャムが演じているのも注目ポイントです。

ガイ・リッチー版「鶴の恩返し」

(C)2022 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED

ざっくり言うと、『ローン・サバイバー』なみの過酷さに、絆物語が融合したストーリーです。前半では、タリバンの追手から死に物狂いで逃げ続ける緊張感がメイン。

…というより、全体を通して気が休まるシーンがあまりなく、キンリーが体験する戦場の過酷さや、帰還してからもPTSDに苦しめられるなど、終始苦悩するキャラクターが印象的でした。マジで前作『オペレーション・フォーチュン』のような軽快な演出はないです。

とくにアーメッドの渡米ために、モンスタークレーマーのようになっていくキンリーの姿には来るものがありました…。

ほかにも、本作では国籍を超えた”絆”がテーマとなっているだけあり、キンリーやアーメッドの共通点も多くあります(妻子がいて、自動車関係の仕事をしているなど)

ガイ・リッチーは「異なる文化の間で、他人ファーストの行動が交わされるのは面白いテーマだと思う」と語っており、自己犠牲による恩義と、それに絶対答えようとする人の強い意志に胸を打たれる作品でした。

決して感動重視のキラキラ映画ではなく、一貫して重厚な演出・演技で話が進んでいくのも良かったです。

映画『コヴェナント/約束の救出』公式サイト

https://www.grtc-movie.jp/

まとめ

個人的には『コヴェナント/約束の救出』が一番刺さりました!これまでいくつかガイ・リッチー作品を見てきましたが、正直この『コヴェナント』が1番好きな作品かもしれない…。今までの監督の作風もあるので、色んな意味で見る人を選ぶ作品になっているかもしれません。一筋縄ではいかない、アツい友情物語好きにはきっとハマるはず…!

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