NETFLIXで話題の『ヒーローキッズ』はまさかの映画の続編で実質サメ映画【NETFLIXオリジナル】

2020年12月より配信が開始され、4週間で4400万世帯視聴が見込まれ続編の制作も決定したという話題の人気作『ヒーローキッズ』。
本作は完全新作かと思いきやまさかのあの映画の続編だった…!?

『ヒーローキッズ』(原題:We Can Be Heroes)

あらすじ

スーパーヒーローたちがエイリアンにさらわれた! 親を奪われたヒーローの子供たちは政府の隠れ家に連れて行かれる。でも頭脳明晰な少女ミッシー・モレノ (ヤヤ・ゴセリン) は、父親マーカス・モレノ (ペドロ・パスカル) を取り戻すまで諦めない! 他のヒーローキッズたちと協力し、政府のお目付け役ミス・グラナダ (プリヤンカー・チョープラ) を出し抜いて施設から脱出。自由自在に伸び縮みする身体や、時間の操作、未来を予知する力など、個性豊かな能力を持つ子供たちが最強チームを結成し、親たちを救い出すために立ち上がる!

『フロム・ダスク・ティル・ドーン』や『プラネット・テラー』『シン・シティ』などバイオレンスでショッキングな映画の監督としての印象が強いロバート・ロドリゲスだが、ファミリー映画として親しまれている『スパイキッズ』シリーズも手掛けるなど幅広い作風を見せ、絶賛配信中の『マンダロリアン』でも監督として名を連ねている。
そんな独特なセンスで映画ファンを惹きつけるロバート・ロドリゲス監督が手掛け2005年に公開された『シャークボーイ&マグマガール 3-D

『スパイキッズ』シリーズ同様、キッズ・ファミリー層をターゲットにした『シャークボーイ&マグマガール 3-D』は、主人公の少年が空想したヒーローである、サメに育てられ鋭い歯と超パワーを持つシャークボーイと、火山で生まれ手からマグマを出す能力を持ったマグマガールがある日突然本当に現れ、危機的状況だという彼らの惑星を救うための冒険を描いた作品である。
ロバート・ロドリゲス監督が7歳になった息子のアイデアを映画化したという凄まじい子煩悩映画であり、そうした経緯もありシンプルなストーリー、キャラクター、3D映画として制作された故の表現の制約やチープな演出などが相まって『スパイキッズ』のような大ヒット作にはならなかったものの一部熱狂的なファンがいる作品となっている。シャークボーイがサメにエサとして寿司を与えるのも非常に味わい深い。

そんな「シャークボーイ」公開から15年、NETFLIXで配信が開始された『ヒーローキッズ』は蓋を開けてみたらまさかの「シャークボーイ」続編だったのである。

大人になった「シャークボーイ」と「マグマガール」の他、どこかで見たことのあるようなヒーロー達がチームアップし地球を外敵から守っている中、突如として現れたエイリアンに誘拐されたヒーロー達を救出すべく彼らの子供たちが奮闘するという内容で、基本的なプロットは『スパイキッズ』を踏襲したような内容となっている。

若い世代を軸にしたヒーロー・特殊能力ものとして最近の作品だと『ニュー・ミュータント』や『ヒロアカ』などが想起されるが、『ヒーローキッズ』はファミリー・キッズ向けに徹底して明るい娯楽作品となっており、次世代のヒーロー達のオリジンであると同時に「シャークボーイ」世代からの継承を描く本作では、個性の強いヒーローキッズ達の姿が描かれる。

世代を重ねるごとに能力がミックスされ強化されていくというヒロアカに近いシステムによって、シャークボーイとマグマガールの娘である「グッピー」はサメのパワーと凶暴性に加え、液体を自在に操るという親のハイブリッド能力を獲得しており最年少ながら大活躍を見せる。

液体金属サメ

そんな次世代型サメガールの他、時間を巻き戻す能力や未来予知などそれぞれが凄まじい力を持つが故に協調性のないヒーローキッズチームを無能力の少女がチームとしてまとめ上げるのが本作の要点であり「リーダーとしての資質」が大きなテーマとなっている。

昨今「ヒーロー」を題材にした映画は重厚なテーマを持った作品や、社会風刺、ヒーロー自体のあり方への問題提起など様々な形態をとって影響力を強めているが、そうした流れも汲んだ上で本作はロバート・ロドリゲスの描くヒーロー像がシンプルに力強く描かれているように感じた。

15年越しの『シャークボーイ&マグマガール 3-D』の続編で、どこか懐かしい雰囲気や、そこから進化した現代に則したヒーロー像を満喫してみてはいかがだろうか。

『ヒーローキッズ』作品概要

原題:We Can Be Heroes
製作国:アメリカ(2020年)
上映時間:100分
監督:ロバート・ロドリゲス

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