合法・非合法なんでもアリ!ハングリー精神がすごい”起業映画”を5作品まとめてみた

ヤマダマイ

大富豪のスーパーヒーローから伝説の殺し屋…映画の中ではいろいろな職業(?)の主人公が登場します。

しかしなかにはゼロからのスタート…つまり起業・独立をしてビッグになる起業サクセスストーリーもいくつか存在します。

今回は合法・非合法問わず、脅威のハングリー精神で夢や収入を掴もうとする起業映画をまとめてみました。(なかには平気で人を騙したり貶めたりする作品もあるので、起業への参考はほどほどに…汗)

合法な場合

やっぱ自分で事業を立ち上げるならクリーンな経営が1番!映画の中でも自分の得意分野や、諦めかけていた夢を再び追い始めるキラッキラの作品があります。

一番王道な起業映画かもしれない…『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』

ロサンゼルスにある一流レストランの‐総料理長‐カール・キャスパーは、メニューにあれこれと口出しするオーナーと対立し、突然店を辞めてしまう。
次の仕事を探さなければならない時にマイアミに行った彼は、絶品のキューバサンドイッチと出逢う。その美味しさで人々に喜んでもらう為に、移動販売を始めることに。

譲り受けたボロボロのフードトラックを改装し、マイアミ~ニュー・オリンズ~オースティン~ロサンゼルスまで究極のキューバサンドイッチを作り、売る旅がスタートした―。
(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=pJxEMXN80sA)

まずは雇われシェフが起業(独立)してフードトラックを始める本作。

主人公のカール(ジョン・ファブロー)が雇われ先のオーナーと衝突し、価値観の違いからレストランを辞め、キューバサンドイッチのフードトラックを起業します。

レストランから独立するに至るまでの流れがシンプルで、起業映画としては王道な作品です。ヒューマンドラマ要素はもちろん、移動兼キッチンのトラック購入から食材の調達まで、すべて1人でやる大変さと面白さが詰まった良作でもあります。

料理人としての地位を失うものの、誰の指図も受けず、作りたいものを作り、働きたいヤツと働き、行きたいところに行く、という自由さがとても魅力的に映ります。

(C)2014 SOUS CHEF,LLC. ALL RIGHTS RESERVED

フードトラックを始めてからのデメリットがあまり描かれていない(そういうテーマの映画ではないので…)のが、起業映画としてはちょっと気になるところですが…。何かを始める面白さを伝えるには申し分ない作品です!

あ、でも唯一印象的だったカールたちの苦労シーンが、コーンスターチを股間に塗るシーンでした。長距離ドライバーにとって風呂・シャワーは死活問題なのです…。

見かけによらずクリーンビジネスな『ビキニ・カーウォッシュ』

大学生のジャックは、親から借りている家に友達を呼んでは酒とセックスのパーティー三昧。しかしある日、父親に自堕落な生活がバレ、窮地に追い込まれたジャックに、大学の教授から洗車ビジネスをまかされ、成功させたら単位を保証するという提案が――。

一攫千金を狙うジャックは、ビキニ美女が洗車するサービスを思いつく――その名もビキニ・カー・ウォッシュ!早速悪友ヴェックスと、大学の同級生やスカウトした美女たちと共にビジネスを始動するジャック。セクシーなビキニ美女たちの華麗なる洗車がベガス内で評判が呼び、想像以上の大成功を果たしたジャックは、さらなるサービス向上のため試行錯誤するが…。
(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=OiOMIM5NUF8)

予告編の感じからするとお色気・おバカ系映画の感じが凄いですが、実は経営・ビジネス映画としての側面も持つ異色作です。

正確には起業というより、(主人公が落第を免れるために)事業を引き継ぎ、経営を立て直すというストーリー。事業のアイデアから人員(ビキニガール)の確保、給与の設定などなど…。経営を進める上でのプロセスをときにコミカルに、ときにセクシーに見せてくれます。

肝心の洗車サービスはというと、ビキニ美女たちが車体を舐めまわすように洗ってくれたり、泡や水を自分自身にもかけて艶っぽさを出したりと、書いているこっちが恥ずかしくなるようなことをしてくれます。なんやかんや、働いているビキニガールたちは楽しそう。

(C) 2015 Leveraged Hedge LLC. All Rights Reserved.

大学生たちが知恵を出し合ったり、身近なコネクションで事業を大きくさせようとするなど、経営の勉強になりそうな要素が多い一方で、普通にセックスシーンやおっぱい丸出しの登場シーンもたくさんあるので、中高生に勧めずらいのが悩ましいです…。ホント、起業映画としては結構クリーンな内容なんですけどね(洗車だけに)

実際、このビキニ洗車はフロリダ州のガソリンスタンドで行われていると話題になりました。しかもビキニ洗車を始めた理由は、オーナーの娘が通う自閉症児のための学校への資金援助をするため。サービスのクオリティに気を配っている点なんかは、映画とも一致しています。

非合法な場合

ここからは手段は一切選ばない、成功のためなら非合法な手段さえ厭わない起業映画です。よい子はマネしないでね!

資金調達から問題大アリ『ナイトクローラー』

まともな仕事にありつけず軽犯罪で日銭を稼ぐ男ルイスは、偶然通りかかった事故現場で報道スクープ専門の映像パパラッチの存在を知り、自分もやってみようと思い立つ。
早速ビデオカメラを手に入れたルイスは、警察無線を傍受して事件や事故の現場に猛スピードで駆けつけ、悲惨な映像を次々と撮影していく。過激な映像で高額な報酬を得るようになったルイスは、さらなるスクープ映像を求めて行動をエスカレートさせていき、ついに一線を越えてしまう。
(引用元:https://eiga.com/movie/81238/)

ジェイク・ギレンホールが事故現場を撮影するパパラッチとして名を上げる狂気のサクセスストーリー。

もともとは公共のフェンスなどを勝手に持ち去り、その鉄屑を売るというひもじい生活を送る主人公ルイスですが、野心だけは人一倍強く、そのための手段はどんなに相手に迷惑がかかってもお構いなし。

パパラッチとしての必需品である、警察の無線を傍受する機材の費用も、盗んだ自転車をカネに変えて買ってます。怖すぎる…。

テレビ会社へビデオを売りに行く際は、就職活動でやってはいけないアレコレをものすごいスピードで捌いていくシュールささえありました。

(C)2013 BOLD FILMS PRODUCITONS, LLC. ALL RIGHTS

パパラッチとして活動を始めても、すでにベテランのパパラッチたちと仕事の取り合いになりますが、ライバルを出し抜く方法もえげつない。同業者にマジでいて欲しくないタイプの人間です。

ここまで書けば、予告編のように事故現場に手を加えて、より悲惨な映像を作る捏造行為なんて朝飯前なんだろうなあ…と感じてしまうほど。

この手のストーリーは主人公が報いを受けるか、成功するかの二極化となりがちですが、果たしてルイスの結末やいかに…。

使用人から社長になりました『ザ・ホワイトタイガー』

インドの貧しい村で生まれ育ったバルラムは、裕福な一家の運転手として働くことに。持ち前のずる賢さで主人の信頼を得るバルラムだったが、ある事件をきっかけに、これまでの奴隷のような人生から抜け出すことを決意する。
(引用元:https://eiga.com/movie/94357/)

ざっくりいうと、インド版『ナイトクローラー』みたいなストーリーです。貧しい村で暮らしていた青年バルラムですが、映画は彼が華やかな生活をしているところから始まります。いかにしてバルラムが富と成功を掴んだのか?その過程を本人のモノローグ形式で明かしていく構成です。

貧困層が受ける仕打ちを笑ってよいのか迷うレベルのブラックジョークで説明したり、自分のしてきたことを正当化するバルラムのずる賢さに震えたりと、ユーモアやサスペンス要素も満載。

野望を叶えるために手段を選ばない様子は、まんま『ナイトクローラー』の主人公と重なります。

Netflix公式予告よりスクリーンショット

ただ『ザ・ホワイトタイガー』はモノローグ形式なので、成功(起業)までのプロセスが生々しいです。バルラムがどれほどの成功を手にしたのか説明するシーンは、その背景を知っているとほとんどホラーにしか見えなくなります。

ちなみに本作の監督・脚本を手がけたのは、アンドリュー・ガーフィールドとマイケル・シャノンが共演した『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』のラミン・バーラニ。こちらも非合法ながら成功をつかんでいくストーリーですが、監督はこの手のジャンルに強すぎる…。

主人公は合法のつもりが、知らないところでギリ非合法になっていたケース

「自分は真面目に経営してたのに、従業員が銃をぶっ放して、社員も取引先も逃げちゃった!涙」みたいな、あまりにも可哀想なケースもあります。

起業は時代とタイミングと運!『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』

1981年、ニューヨーク。移民としてアメリカにやってきたアベルとその妻アナは、生き馬の目を抜くオイル業界で、クリーンなビジネスを信条に会社を立ち上げる。しかし、全財産を事業につぎ込んだ直後、何者かによって商売道具のオイルが強奪されるという事態が発生。立て続けに脱税疑惑、家族への脅迫といったトラブルに襲われる。
悪い噂が広まったことで銀行からの融資も受けられなくなり、妻との間にも亀裂が入り始めてしまったアベルは、孤立無援の中で破産を回避するため奔走する。
(引用元:https://eiga.com/movie/81498/)

ひとりの起業家が自分の信条と業界の歪みの間で葛藤しまくるハード系起業映画。

原題の「A Most Violent Year」はニューヨーク史上最も犯罪の多かった1981年を指しており、作中でもラジオからは頻繁に凶悪犯罪による被害が報じられています。

そんな起業するにはあまりにも不向きな時代に、参入障壁が高いとされるオイル事業にかち込むアダム。案の定ライバル企業からの汚い妨害を受け続けることに…。強奪、脅迫、暴力…まるでギャングのような仕打ちがアダムたちを襲い続けます。

ちなみにアダムの妻アナの父はギャングなので、その気になれば血で血を洗う戦争に持ち込むことも可能ですが…。クリーンな経営にこだわるアダムは断固その方法を拒否します。

いい意味で時代と逆行する平和主義のアダムが、徐々にその暴力的な時代に飲まれていく様子にはすごみがあります…。

(C)2014 PM/IN Finance.LLC.

経営者としてのアダムの手腕を垣間見れるシーンも多数あり、営業マンに営業手法をレクチャーする場面もあります。役者のワークショップかな?というくらい異様な「間」を意識した営業手法でしたが…はたして現代でも通用するのかちょっと気になるところ。

とはいえ、周りの同業者が妨害するほどの商才を持つアダムなので、社長としても理想的な振る舞いをしています。それだけに、彼の実力とは全く関係のない出来事で足を引っ張られている様子が、起業や経営の難しさを痛感させてくれる作品です。業界・社会・人にフルボッコされる経営者も見ていて辛い。

まとめ

ここで紹介した映画を見て、果たして起業をしたいと思うのか否か…。ガチの起業家さんが読んでいたら、ぜひ映画の感想を教えてください。

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