ジェイソン・ステイサムが型破りなスパイに扮し、闇取引に使われる謎のブツ「ハンドル」 の正体を暴くスパイアクション『オペレーション・フォーチュン』が10月13日より公開されています。
監督は『キャッシュトラック』や『リボルバー』でステイサムとタッグを組んできたガイ・リッチー。それぞれの個性がぶつかりあった痛快スパイアクションとなっていました!
映画『オペレーション・フォーチュン』概要
MI6御用達の敏腕スパイ、オーソン・フォーチュン(ジェイソン・ステイサム)。彼は休暇中にMI6から大きな依頼を任されて、ご機嫌斜めの様子。
それもそのはず。その依頼は「100億ドルで闇取引される」ということ以外、一切の情報が不明なブツ「ハンドル」を回収するというものだった。
おまけにこのミッションを遂行するためのチームも、オーソンが希望していたものとはかけ離れていた。
腕は確かだが新米のスナイパーJJ(バグジー・マローン)と、クセスゴなハッカー、サラ・フィデル(オーブリー・プラザ)。そして何かとケチくさいMI6のコーディネーター、ネイサン(ケイリー・エルウィス)の4人…。
かと思いきや、「ハンドル」の闇取引に関わる武器商人グレッグ(ヒュー・グラント)が大ファンだというハリウッドスター、ダニー・フランチェスコ(ジョシュ・ハートネット)を巻き込み5人編成に。
オーソンはダニーとグレッグを接触させて情報を聞き出そうとするも、次々と現れる「ハンドル」に関わるアヤシイ奴ら。
さらにはオーソンのライバルで同業者のマイクが、豊富な予算と人材を見せつけ、手柄を横取りしようとする事態まで発生…。
メンバーも状況もままならないチーム:フォーチュンは無事任務を成し遂げられるのか?そしてマジヤバなブツ「ハンドル」の正体とは?
登場人物
オーソン・フォーチュン
MI6お気に入りの凄腕スパイ。突飛な作戦を実行できる機転と戦闘力の持ち主。休暇中に「ハンドル」の闇取引を突き止める任務が来てだいぶご機嫌ナナメだが腕は確か。
ネイサン
MI6の上官で本作戦のコーディネーター。
オーソンの(仕事と言いつつほぼ私用の)散財っぷりが悩みのタネ。
JJ
新米のスナイパーで仕事熱心。ハッキングなど後方でのサポートもできる。「デスノート」で例えるならジェバンニみたいなポジションの人。
サラ・フィデル
オーソンのかつての相棒・ジョンの代わりに抜粋されたクセスゴハッカー。下ネタが若干多い。
ダニー・フランチェスコ
大物ハリウッドスター。嫌いな人はいないくらい人気者で、メジャーリーガーに例えるなら大谷翔平くらいの知名度と予想。
グレッグ・シモンズ
「ハンドル」の闇取引に関与する武器商人。気さくな人物のように見えるが、はたして彼の目論見とは…?
個人的には『ライフ・アフター・ベス』で主人公の恋人(ゾンビ化)や、『天使たちのビッチ・ナイト』でヤンキー修道女を演じたオーブリー・プラザが、本作でもキワドい発言を連発してて良かったです。
繊細に見えてかなりぶっ飛んだスパイ映画
『オペレーション・フォーチュン』は正体も取引される理由も全く謎のブツ「ハンドル」を回収し、取引の全貌を暴き出すというストーリー。
さらに「ハンドル」回収の作戦を行うのはオーソンたちだけではなく、彼のライバル・マイクが率いるスパイチームと成果を取り合う競争構図まであります。(チーム:マイクのほうが機材も人材も馬鹿みたいに豊富なのが涙を誘う…)
詳細の分からない標的。否応なしの三すくみ…。こうして書くとかなり複雑なストーリーに思えますが、オーソン・フォーチュンの作戦は常人にはとても思いつかない分、非常にシンプルです。
標的のグレッグが大好きなハリウッドスターと接触させて、うまく「ハンドル」の情報を聞き出す。それだけ!
突飛な作戦なだけあって、わりと勢い任せなドタバタ展開もあるので、痛快なスパイ映画として楽しめます。休暇も奪われ、満足いくチーム編成でもないため、終始ヤレヤレ系に徹するステイサムも見どころ!
それにしても、正体も意図も分からないブツの回収って怖すぎません…?社会人で例えたら、内容も方針もわからんプロジェクトにぶち込まれるようなものでしょうか…。
ワークライフバランスを重視するジェイソン・ステイサム
民間請負なのに破格の好待遇を受けているオーソンさん。
さぞワーカーホリックかと思いきや、休暇中に仕事の依頼が来てご機嫌ナナメ。事あるごとにワインを(MI6の経費持ちで)飲もうとしたり、いいホテルの部屋に泊まろうとしたりと、待遇面にうるさい人物です。
任務中に恋仲になる美女もいなければ、大金を手にしてウハウハする様子もなし。彼が一番欲しているもの。それはお休みでした。オープニング早々ワークライフバランスを守ろうと、依頼を拒否しようとする姿もユニークです。
実際、仕事の依頼に対して、オーソンは報酬額を釣り上げるより、休暇日数を釣り上げたりしているくらい。
さぞ仕事が嫌なのか、すでに「仕事が生きがいです!」みたいな熱量が過ぎている完熟したスパイなのかもしれません(勝手に後者だと思ってます)
ラブコメの印象があるヒュー・グラントがめちゃくちゃ鼻につくタイプの金持ちを熱演しているのもポイント。
また本作でオーソンたちが正体を暴こうとする取引には、多くの大富豪が関わっています。
お金重視のターゲットと休み重視のオーソン…。
彼らの持つ人生の価値観を比較して鑑賞するのも面白いかもしれません。
「JJが一晩でやってくれました」
破天荒なオーソンによって若干目立たなくなっていますが、新米スナイパーJJの活躍も是非注目してほしいポイント。
一応スナイパーという位置づけでの参加ですが、敵の追走をはじめ、サラに代わってデジタル面でのサポートなど、その役回りは多岐にわたります。オーソン先輩にジョークや皮肉だって言えちゃいます。
少数精鋭のチーム・フォーチュンのなかで3人分くらいの働きはしており、さながらその働きは「デスノート」に登場したジェバンニのよう。やっぱどんな作戦にも、ジェバンニみたいな人がひとりいると頼もしいですね。
ただびっくりするくらい感情の起伏が乏しいので、一癖も二癖もあるメンツの中で若干空気みたいになっていたのが惜しい…。(そもそもジェバンニのようなポジションの人が目立ってしまっては意味ない気もしますが…)鑑賞の際にはぜひJJの活躍にも注目してほしいです。
今作でも持ち前のアクションとヤレヤレ系なキャラが炸裂しているジェイソン・ステイサム。
彼の怖かっこよさは健在ですが、本当に怖い奴はジェイソン演じるオーソンではないのかもしれません…。あなたはこの映画を見て、誰が一番恐ろしいヤツと思うでしょうか…?
『オペレーション・フォーチュン』作品情報
監督・脚本・製作:ガイ・リッチー
出演:ジェイソン・ステイサム、オーブリー・プラザ、ジョシュ・ハートネット、ケイリー・エルウィズ、バグジー・マローン、エディ・マーサン、ヒュー・グラント
2023 年|英・米合作|英語|カラー|スコープサイズ|DCP|114 分|字幕翻訳:大西公子|原題:Operation Fortune: Ruse de Guerre|G
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ
公式 Twitter(@opf_jp):https://twitter.com/opf_jp
公式 HP:https://operation-fortune.jp/
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