Amazon Prime Videoで『G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ』見たぜ!
劇場公開時はなんとなく見に行くまでに至らずで終わり、その後も「そのうち見たいな~」と思ってたこの映画。いざ見ると序盤のノれなさで不安になるが、だんだんいいところが見えてきて終わったことにはいい満足感を得られる、なかなかうれしい食感の映画だったね。
な~んだおもしろいじゃん。正直公開当時あんまりまわりの評価もそんなんでもなかったからまっ、いっか的に思ってたんだけどちょっと反省した。めちゃめちゃ大好きで好きな映画ランキングに入れておくぜ! ってほどじゃないけど覚えておきたい好きな映画だ。茶碗蒸しくらいのありがたさ。私と感性が合う人は見ましょう!
トランスフォーマー好きだから見なきゃいけない感を覚える
この作品は映画『G.I.ジョー』シリーズとしては3作め、とはいえ実質リブート作みたいな位置づけで、人気の忍者キャラ「スネークアイズ」のオリジンを描いたお話だ。さらにいえば映画『G.I.ジョー』シリーズは、もともとは米ハスブロ社が販売しているアクションフィギュア、そのメディアミックスであるコミックやアニメを原作としている。
私個人としてはこれまで『G.I.ジョー』をちゃんと履修したことがなかったんだよね。過去2作の映画も見てなかったし……。とはいえ「いつか『G.I.ジョー』を履修しなければならないなあ」という漠然とした焦燥感めいたものはあった。なぜかというと『G.I.ジョー』、私の大好きな『トランスフォーマー』と縁が深すぎるシリーズなんだよ。
『G.I.ジョー』も『トランスフォーマー』も同じハスブロのおもちゃ、そして売ってた時期もだいたい被ってるということで両者はしょっちゅうコラボしまくっている。
というか初代アニメシリーズだと完全に同一ユニバースということになっており、『トランスフォーマー』を見ていると何の説明もなく『G.I.ジョー』のキャラクターが出てきたりするので始めて見たときは混乱した。『2010』なんてセミレギュラーキャラにG.I.ジョーキャラがいたりするんだもんよ。
そしてついに実写映画でもいい加減クロスオーバーするべえって動きが本格化しはじめた(ずっとやりたいって言ってた)っぽいので重い腰を上げてとりあえず最新作を見てみたってわけなのよ。
あとこの映画についてもうひとつ、すごい興味を惹かれてた理由があって……。これは最近知ったことなんだけど、当時作られた日本版予告がめちゃくちゃかっこいいのよ!
いや改めて見ても震えるくらいかっこいいな! すげえ! 名作予告すぎるだろ。
この予告が気に入りすぎてプロモーションソングをYouTubeMUSICで聞きまくった挙げ句今年のハイライトに入れるまでになってしまった。ぜんぜん今年の曲じゃないのに。
そういった感じでいよいよ見てみたわけだが……果たして!?
序盤は眠いぜ
最序盤20分ほど、ゴロつきスネークアイズの生い立ちが語られる。
謎の仕事をしていて殺された父親、その仇敵との因縁からスネークアイズ(ふたつのサイコロでダイスロールした際に1がふたつ出ること)を名乗り、地下格闘場で日銭を稼ぐ日々……。
そしてある日、謎のヤクザに「俺のスカウトを受ければ親父の仇を見つけてやる」と言われたスネークアイズはヤクザ職場でマグロを捌く毎日を送る。だが組織にスパイとして忍び込んでいた謎の日本人アラシカゲ・トミサブロウ、通称トミーを処分する命令を下されたスネークアイズは一転、組織を裏切りトミーとともに脱出するのだった……。
……という感じの導入なんだけど、正直ここらへんがかなりピンと来なくて参った。
「スネークアイズって……どんなヤツなんだ!?」と把握する前にヤクザに入ったり裏切ったりするので気持ちがついていかない。これがいわゆる「感情移入できねえ」ってことなのかしらん?
助けるトミーとも、知り合いではあるらしいけど親しい的な描写もないし……。
この序盤のもろもろについては見ていくウチにいろいろ腑に落ちる展開はあるものの、正直見終わったいまでもいまいちうまくなかったな~という気はする。だが映画としては日本についてからおもしろさが加速するので、これから見るという人も導入部で「なんか……思ってたのと違うな!」と思ってもそのまま付き合ってみてほしい。
序盤は眠たいが日本リスペクトの凄さと画の美しさに感動
助けたトミーに誘われたスネークアイズは日本に渡り、彼の実家で忍者修行をすることになり……という感じでようやくメインのストーリーが始まるのだが、ここから物語的にも盛り上がりが出てくるのはもちろん、ビジュアルの素晴らしさに目が引かれる。いや、ちょっとアメリカ! G.I.ジョー! 忍者! って売り方で警戒してたけど、この映画かなり日本リスペクトがすごいのよ!
いきなりなにもなさすぎる駐機場と富士山の光景を東京と言い張られて不安になるが、ここからは美しく、無理がない絵面の目白押し。
わざとらしく極彩色の祭りっぽい風景も出てきたりするが……
うわー! めちゃめちゃ「日本」じゃん!
ものすごくしっかり日本でロケしてるし、そこの画面としての切り取り方も美しくてふつうに感心する。
なんというか「日本が舞台!」って時点でどうしても『ウルヴァリンSAMURAI』とか『ブレット・トレイン』とか『ジョン・ウィック:コンセクエンス』とかを想像してしまっていたのだがそれらよりも一段階まじめというか、リアル日本感が高い映像を見せられたのでちょっと感心しちゃったね。リブート版『モータルコンバット』の冒頭くらいの良さがずっと続く感じだ! ええやんけ。
というのもこの映画、外国映像作品ロケ誘致制作として日本政府のサポートがかなり入ってるらしい。いや偉いわ。ちゃんとできてんじゃん。税金払っといてよかった。
「現代日本のど真ん中に忍者一族が住んでいる城と城下町がある」という時点でアホっぽいっちゃアホっぽい設定なのだが、不思議とこの作品からそういう「チョケ」とか「トンチキ日本」みたいなものはそれほど感じない(まったく感じないと言うと嘘になるけどね)。
なにか不思議なリアリティラインの高さというか……言うなれば奥ゆかしさ? ある種の日本リスペクトの高さ? みたいなものを感じて、見てるほうの気持ちとしてもあまり「おもしろ日本」にスイッチが切られずに「こういうもんなんだろうな」「よく撮ってくれてるわ」という気持ちになれて、しっとりと見ることができたよ。ちょうどよく荒唐無稽という感じかな? なんだか謎な気持ちよさがあったなー。
こういう「ただのそのへんの街すぎる光景」のリアルさと映像の質感のハリウッド映画っぽさのブレンドが物珍しくて不思議な気分になる。
ロケだけでなくセットの雰囲気もなかなかのもの。特に中盤発生する夜の街のネオンに包まれてのバトルは、ネオンの文字も『ブレードランナー』的な変さがなく、夜に映えるカラーリングでありながらありえないほど派手すぎる色とりどりさがないなど抑揚も聞いていて、またバトル自体も狭い路地を活かした立ち回りが面白くて見応えがあってよかった〜〜。
キーアイテムが隠されてる倉庫もめちゃめちゃかっこいい。
クライマックスは江戸村みたいなところで爆発炎上を交えての大立ち回りが行われるのだがこの頃には完全にこちらの見る気持ちもチューンされてるのでツッコミとか入れずに楽しく見られる。いや、なんだいい映画じゃないの。
結局シリーズのリブートと言いつつこの映画以降特に動きのない『G.I.ジョー』。とはいえ、例の映画(一応伏せとこ)を見た人たちなら「一応まだまだやりたい気持ちはあるんだな」という制作側の意思は感じているはず。
そんなわけだからみんなで『漆黒のスネークアイズ』を見て備えておくのもいいのではないでしょうか。と、なんか無難な締めで終わっておくぜ。適当につまもうかな本家フィギュアのスネークアイズ。
マシーナリーとも子 突然ですが私、マシーナリーとも子は現在絵画教室に通いつつデッサンを学んでいます。 夢ならばどれほどよかったでしょう 確か春ぐらいから始めたからそろそろ半年くらいになるのかな?始めたきっか[…]
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