『レーザーチーム』/RWBYだけじゃない!Rooster Teethの実写アクションコメディ

先日行われたComic-Con@Home 2020(オンライン開催のコミコン)でRWBY vol.8の映像が初公開され新作を心待ちにしていたRWBYファンを湧かせた。

RWBYはアメリカの制作会社「Rooster Teeth」によって2013年から公開されている人気シリーズで、日本国内でも4作目までは日本語吹き替え版のソフト販売及び劇場公開がされていたため非常に有名なシリーズだ(監督や関係者が来日して行われる上映会が好きだったのだが…)。
RWBYのヒットで一躍注目されるようになったRooster Teethだが、2015年に初の長編実写映画を制作している。それが『レーザーチーム』だ。

『レーザーチーム 俺たち史上最弱のエイリアン・バスターズ!』(原題:LAZER TEAM)

あらすじ

1977年に地球外知的生命体から地球の危機を知らせるメッセージ信号を受け取ったアメリカ政府。それから38年後、おバカな4人組がUFOの墜落現場に遭遇する。UFOの中身は対エイリアンの侵攻に備えて開発された超ハイテク・バトルスーツだった。4つ合わせて力を発揮するバトルスーツをそれぞれが別々に装着し脱げなくなってしまい、4人はチームとして最強のエイリアンと戦わざるをえなくなってしまう・・・。

対エイリアン用の戦闘スーツをひょんなことから4人のうだつの上がらない男達が装着してしまうことから始まる物語。
本来1人で全身に身に纏うものを4人がそれぞれパーツ毎に装着してしまったために事態はおかしな方向に進んでいく…

監督のマット・ハラムはRooster TeethのCEOで長編映画の制作は本作が2作目に当たる。
脚本のバーニー・バーンズはRWBY vol.3,4のプロデューサーであり、本作では主人公「へーガン」も演じている。
その他、多くのRooster Teeth従業員が俳優として参加しており、非常にアットホームに制作された映画である。
本作制作にあたり、Rooster Teethはクラウドファンディング にて制作資金を募り、240万ドルもの調達に成功したため、アットホームでB級色が強いながらも映像面は割としっかりしている。

基本的にはコメディ要素が強めの作品で、気軽に観ることができる内容だが、ややシリアスな展開やスーツを装着した4人の内面の成長も描かれるため熱い要素もある。
要は一人一人が「突出した能力を一つ持っている」状態なので、アクション的な見せ方としては能力バトル物と大差無いかもしれない(地味なX-MENといった感じ)、がそうした能力物を非常にゆるく、ファニーに描くことによって本作のB級的な面白さが生まれている。
最終決戦も地球の危機だというのにも関わらずアメフトのスタジアムで行われる。

(C) 2015 LAZER TEAM PRODUCTIONS

本来スーツを装着するはずだった地球最強の戦士「アダム」が、エイリアンと闘って勝つことに人生を捧げてきたのにも関わらずアホな4人のせいでこれまでの努力が無駄になってしまったかわいそうな人なのだが、4人の実力を評価し、自ら監督的なポジションに就くめちゃくちゃいいヤツでキャラクターとして魅力が高いのも見所の一つだ。

(C) 2015 LAZER TEAM PRODUCTIONS

また、必殺技の「暗黒物質砲」はスーツの力を集めなければ発射できないため、4人が一つになるのがスーパー戦隊の必殺技っぽくて少し馴染み深さを感じる。

(C) 2015 LAZER TEAM PRODUCTIONS

やや冗長なのは否めず粗も見受けられるが、基本コンセプトと描き方は悪くなく、力を抜いて鑑賞できるアクションコメディに仕上がっている。
RWBYのように美少女ではなく、おっさんとイキり男子高校生で構成されるレーザーチーム…
RWBYのように華麗なアクションと息のあった連携攻撃はなく、泥臭く、息切れしながら戦うレーザーチーム…
そんなレーザーチームの活躍をぜひRWBY新作公開前に、目に焼き付けてほしい…!

(C) 2015 LAZER TEAM PRODUCTIONS
ルビーちゃん(のコスプレしてる人)も出るよ。
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