えっマトリックスって終わったんじゃないの
映画へのアンテナが激低いので先日公開されたトレーラーを見て初めて「えっ!? マトリックスの新作やるの!?」と知りました。マジで知らなかった。そもそも冷静に考えたら『マトリックス』って初代しか見たことなかった。調べたらシリーズ全作NETFLIXで配信してるじゃん。ということである日の晩に3作続けてマラソンしてみたのでした。
3部作でテーマがブレてなくて良い
というわけで1作目から順に視聴開始。なぜか視聴中、強烈に「あれ? エージェントにトミー・リー・ジョーンズいなかったっけ?」という謎の思考に支配されて苦しんだ。それは『メン・イン・ブラック』だアホ!
そんなこんなで日が変わる頃に作業用BGVとして見始め、『レボリューションズ』を見終わったころには朝の8時になっていた。いやはや……こうして改めて見てみるとな……大満足! えっ、おもしろいじゃん『マトリックス』。別に難しい話ではないしすげえアクションシーン見応えあってめちゃめちゃ楽しい映画じゃないか。なんか勝手に「現実やVR世界への警鐘…ロボットは危ない…我々はもっと考えさせられなければならない…」みたいな映画だよなって勝手に思ってたけどめちゃめちゃスカッとしちゃったぜ。みんな知ってました? 知ってるよなみんな『マトリックス』くらい見てるよな……。
とくに好感が持てたのは一見複雑っぽい世界観でありながら三部作通してきっちりテーマが一貫してるところだね。『マトリックス』の世界、基本的に「信じてる奴は強い!」が最後まで通ってるんだよね。ネオがモーフィアスから最初に教わるのも「マトリックス内ではいい感じにやれるぞって信じれば割とやれるから」ってことだし、実際ネオは過去ハッカーだった経験もあってかその辺が上手くて割と最初っから適応あるんだよな。そして「お前救世主じゃないから!」って言われても「いやなんか…やれるやろ」って救世主パワーを得られる。これはネオ自身がそう信じたのもそうだし、モーフィアスやトリニティも「あいつ救世主だからさ…」って信じてたからだろうな。
この価値観が『リローデッド』でも『レボリューションズ』でもブレずに最後まで「疑い深い奴はアホ 信じてる奴はマジ最強」という芯があったのが気持ちよく見られたな。初期は「なぜなら仮想空間内ではそうすることでプログラムをブッ壊して本来よりすごいパワーが出せるからだ」だったのが「いや信じる心は現実世界バトルでもマジで最強です」に発展してくのも気持ちよかったぜ。
戦闘パターン全部見られるので良い
そして戦闘パターンの豊富さだよな。マジで「見たいもの全部見せてくれるし想像してなかったものも見せてくれるしやばいじゃん!」って感心しちゃったよ。
1作目のラストでネオが最強になっちゃうじゃん。最強になったら次回作が面白くしづらいから多少ナーフされるんだろうなって思ってたら『リローデッド』で「いや、最強のままですが…」って最強バトルをたっぷり見せてくれるのでクソ満足してしまった。バンバン空飛ぶじゃんお前。そうそう『リロ』の冒頭でいきなり「お客さんたちが見たかったのこれでしょ?」とばかりにスローモーション銃撃戦をくどいな! ってくらい見せつけてくれるのもよかったよ。出し惜しみ無し!
そしてそこから「なんか上位陣が強くなりすぎたせいで銃撃戦全然ないの寂しいな…」と思う瞬間がちょっとだけ来る。槍とか剣とか見応えあるけど……私はめちゃめちゃな銃撃戦が見たいの! というわがままがちょっと出てくる。
「そりゃ銃撃戦ばっかりの『ジョン・ウィック』とか作られるよな…」とか勝手に思ってるとモーフィアスが日本刀使いはじめたあたりでまたテンションが上がってしまう。前部・後部座席バトルでまた大興奮だよ! なんで車の前と後ろで小競り合いしてるだけでこんなに面白いんだ!? そこからは「いや肉弾戦も全然面白いわ! 最高! マトリックスって肉弾戦を楽しむ映画だったんだ…!」と新たな納得を得てリローデッド終了……。
するとレボリューションでまた最高の銃撃戦が見られてまたもや最高になってしまう。ここも塩梅が上手くて、もはや戦闘の内容がTier別になってんのね。トップティアのネオやスミスにはもはや銃は通用しないのでドラゴンボールばりの肉弾戦をさせ、中Tierのモーフィアスやトリニティには銃撃戦を、最弱の一般兵たちにはロボットやロケットランチャーを用いた大戦争バトルをさせることでそれぞれの良さを見せつつ全部見せてくれるじゃん! と大興奮。
『レボ』では「そういえば現実世界ではツマミひねるくらいでまともに戦闘させてなかったね」と思い出したかのようにねっとりと濃密に現実世界バトルを見せてくれるのもとてもいい。何だろ、公平だよな。本当に全パターン見せてやるぞという気概を感じる。「ネオが最強なのはあくまでマトリックスの中だけなので現実世界ではナイフ持ったおっさんにも大苦戦!」とか見せてくれるのもすげーフェアだ。そこで頑張り勝ちするのも偉い。
痒いところにも手が届いていて、あまりにもトリガーハッピーなAPU(パワードスーツ)を見せられて「おいおい、そんなに撃ちまくったらすぐに弾が切れちゃうだろうがよ。ベルトリンクや飛び散る空薬莢がかっこいいのは認めるけどそれで無限に撃てるのは却って萎えるぜ?」などと小賢しいことを思っていると弾補給決死隊が出てきてわざわざ装填シチュエーションを見せてくれるので「そ…それだよ視聴者が求めてるものは!」と興奮させられてしまう。マジで気が利いてる。
そして嫌になるほど現実世界での現実バトルを見せてからのラストバトルでは完全にドラゴンボールと化したマトリックスバトルも見せられた観客は完全なる満足を得て降参してしまうわけだ。いやすごい。すごいわマトリックス。世界でウケるわけだわ。お腹いっぱいだもんもう。すんげ。めっちゃ面白かったです。
眺めてるだけでもおもしろいので偉いぜ
なんか船の名前とかあまりにも聖書ネタだしトリニティってネーミングとか光の十字架とか結構宗教モチーフぽい話でもあるな〜とは思ったんだけど宗教よくわかんないのでわかりませんでした。そのあたりは歴戦の考察勢に任せるわ。私はとにかくめちゃめちゃに楽しい絵面が死ぬほど見られたので超満足しました。『マトリックス』大好きだよこれ。ちゃんと当時見ておけばよかったかもな。まあいいや。
ところでこうやって三部作を一気に、夢中になって見た直後に改めて『リザレクションズ』の予告を見てもやっぱり「これ『ジョン・ウィック』じゃん…?」ってなってしまったので割と困りました。全部キアヌが髪切って髭剃らないのが悪いと思う。でもまあ、楽しみだよ『リザレクションズ』。今度は映画館で見るぜ!
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