海外の傑作レアアニメーションが集結!東京アニメアワードフェスティバル2022ノミネート作の無料配信ではこれを観るべし!

2022年の夏、やけに太っ腹なアニメーションの配信企画の開催が発表されています。

2022年3月11日〜14日にかけて東京・池袋を中心に開催されていた東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)2022。このイベントのコンペティションの選りすぐりのノミネート作品が、この夏の期間限定でオンラインの無料配信を実施してくれるというのです。

視聴方法は簡単で、公式サイトからTAAFオンライン参加登録をするのみ。無料で観れてしまうのだから本当に太っ腹です。

東京アニメアワードフェスティバル公式サイト:https://animefestival.jp/ja/

今春実際に足を運んだ身としては、ぜひこの作品をおさえて欲しいというアニメーションがいくつも見つかったので、この機会にそれらを紹介しておきます。

長編作品『ボブ・スピットー人間なんてクソくらえー』

TAAFでは毎年長編・短編のコンペティションを実施し、海外のアニメーション賞でも高い評価を獲得した作品が度々ここ日本にも上陸します。そして、そんな中でも今年2022年の長編コンペティションで優秀賞を受賞したのが、ブラジルのストップモーションアニメーション『ボブ・スピットー人間なんてクソくらえー』(英題:Bob Spit – We Do Not Like People)です。

本作は、ブラジルに実在する漫画家アンジェリ氏が、自身が手がけた漫画のキャラクターであるボブ・スピットを殺そうとするのですが、一方でアンジェリの創作の世界では、それに抗おうとするボブ・スピットの動向が描かれます。実世界のアンジェリと、創作の世界のボブの動向は、過激な暴力描写やユーモアを交えながら、思わぬ形で交錯していくことになります。

実はこの『ボブ・スピットー人間なんてクソくらえー』の配信は2022年7月8日(金)〜14日(木)の期間の配信となっており、ひと段落しているのですが、本作はTAAFのみならずアヌシー国際アニメーション映画祭などでも高い評価を得ている作品。ぜひ、一般公開を期待したいところです。

学生による短編作品『ルイーズ』

2022年7月15日(金)〜8月11日(木)からは短編作品の配信がスタート。まずは学生作品を集めたグリーンパックというプログラムが先行して配信されます。中でもオススメしたいのがフランスの学生陣がグループとなって制作を務めた『ルイーズ』です。

19世紀末のオペラ座を舞台に、バレエ公演を終えた後の少女たちの動向を赤裸々に描いた作品で、タイトルになっているルイーズとは主人公の少女の名前です。ルイーズは友人にお金を返すために、パトロンとなるおじさん達に身体を売るのですが、少女側も厳しく男達を選別していたりと、強かに描かれているのが印象的な作品です。美術としての美しさもそれに拍車をかけており、この内容でポジティブな印象が得られる絶妙なバランス感が見事です。

短編グランプリ作品『語らない思い出』

2022年7月29日(金)〜8月25日(木)の最後発で配信されるのが、大人向けの作品を集めたパープルパックというプログラム。このプログラムでは短編作品のコンペティションでグランプリを受賞した『語らない思い出』が配信されます。

本作はフランスのバスティアン・デュボア監督が手がけた短編作品で、主人公が父から1950年代半ばに起こったアルジェリア戦争のことを聞こうとするお話。本作の面白いのは、全く画風の異なるアニメーションを混在させながらも、その落差が物語のギミックとしてしっかり効いてくるところが見事です。まさかこの場面とこの場面が一つの作品に収まっているのか、と驚いて欲しいです。

大人向け短編『夜の番人』

パープルパックからはもう一本、是非オススメしておきたい短編作品があります。それがジュリアン・ルニャール監督が手がけた短編作品『夜の番人』です。

とある屋敷で催されたパーティーを後にする二人の男女が、痴話喧嘩の末に不思議な体験をするという少しホラーな雰囲気もある物語です。全編モノトーンで描かれるのですが、後半の屋敷に登場するパーティーの参加者の不気味さとカッコ良さが狙いすぎているというぐらいに刺さるオシャレ具合となっています。その不穏さに反して、見終えた後には“じん”とくるような余韻を残してくれて、多くの人のツボに刺さる作品になるのではないでしょうか。

その他にも、日本の作家陣の作品で沢城みゆきさんを主演に迎えた石舘波子監督の『私のトーチカ』や、アニメ『ポプテピピック』などにも参加する関口和希監督の『駐車場でアメを食べたね』、フランスのマリン・ラクロット監督が精神科施設の素朴な日常をアニメーション化するという題材からまず驚かされる『穏やかな狂気、激しい錯乱』などなど、多くの注目作が盛りだくさんとなっています。

いずれも「アニメーションができることにはこんなに幅があったのか!」と再確認させてくれる体験となっているのが素晴らしいです。新型コロナウイルスの広がりが懸念される中、自宅でこれらを楽しめるのもありがたい話。この夏はぜひTAAFで多くの人にアニメーションの可能性を感じて欲しいです。

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