ケリス・ウィン・エヴァンスとは?
1970年代末、映画作家デレク・ジャーマンのアシスタントを務めながら、実験的な映像作品を発表し、作家活動を開始したケリス・ウィン・エヴァンス。
同性愛や荒廃した近未来イメージ、耽美性などをテーマにしたアートムービーで知られるデレク・ジャーマン監督のもと、ティルダ・スウィントン主演の『ラスト・オブ・イングランド』(87)などの制作にも携わり、自身は、盲目の少年を主人公に、彼が“見る”世界を、電子的な映像をふんだんに盛り込んで描いた短編実験作『ディグリーズ・オブ・ブラインドネス』(92)の監督として映画を制作している。
90年代以降、彫刻やインスタレーション、写真や映像など表現の幅を広げており、その多様な作品には、言語や認識、時間の概念が通底していることが特徴的な現代のイギリスを代表するアーティストである。
ケリス・ウィン・エヴァンス展(2020.6/7~11.3)
ポーラ美術館(神奈川県・箱根町)で現在開催中のケリス・ウィン・エヴァンス展
6月7日の開幕時点では、新型コロナウイルス感染症の影響により、今回の展覧会の目玉となる大型ネオン作品《The Illuminating Gas…(after Oculist Witnesses)》の展示が叶わず、内容を変更しての開催だったが、
このたび、イギリスから上記作品が到着し、9月7日(月)から新たにロビーの吹き抜けにおいて、展示が開始された。
森の遊歩道には幅約14mの大型ネオン作品を展示し、美術館の吹き抜けには上記の巨大なネオン作品が出現するようなダイナミックな展示となっている。
これら大型ネオン作品群はケリス・ウィン・エヴァンスの近年の代表作であり、それらは今回の展示が国内での初披露となる。
繊細かつダイナミックな展示を楽しめるだけでなく、文学、映画、美術、天文、物理などの様々な分野における先人達の先駆的な試みを引用したケリス・ウィン・エヴァンスの作品鑑賞から得られるものは、他の作品を鑑賞する際の一助となるかもしれない。
ポーラ美術館について
2002 年に「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに神奈川県箱根町に開館。印象派から20世紀にかけての西洋絵画を中心としたコレクションを核とする展覧会を開催する一方で、現代美術の第一線で活躍する作家たちの作品も展示し、同時代の表現へと展望を拡げている。富士箱根伊豆国立公園という立地を生かした森の遊歩道では四季折々の豊かな自然を楽しめる。
・開館時間:9:00-17:00(入館は 16:30 まで)
・休館⽇:無休(展⽰替えのための臨時休館あり)
・所在地:神奈川県⾜柄下郡箱根町仙⽯原⼩塚⼭ 1285
・TEL:0460-84-2111
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