『マスターズ・オブ・ホラー』レビュー/ゴジラFWの北村龍平監督も参加しているホラーオムニバス

マスターズ・オブ・ホラー (原題:Nightmare Cinema)

あらすじ

ある日、サマンサが街を歩いていると、ひとけのない映画館が目の前に現れた。中に入ると客席は無人だった。席に座ると、突然スクリーンに映像が流れ始める。そこには何かに追われ、屍で埋め尽くされた森の中を走る、血だらけの自分自身がいた。一方、その頃、ベネディクト神父も、ふと目にした映画館へと導かれていた。そこで教会の屋根から少年が飛び降り自殺をする映像を目にする。そして、神父にさらなる恐怖が襲いかかる。閑散とした魅惑のホーンテッドシアターが映し出す狂気の沙汰の数々。それらは妖しげに繋がり壮絶な“血の歴史”が紐解かれる。

一つの映画館を舞台に、5作の短編映画が放映される、オムニバス形式のホラー作品。
『グレムリン』のジョー・ダンテを筆頭に、『30デイズ・ナイト』のデヴィッド・スレイド、『ノー・ワン・リヴズ』の北村龍平、『ゾンビ革命フアン・オブ・ザ・デッド』のアレハンドロ・ブルゲス、『ザ・フライ2/二世誕生』のミック・ギャリスがそれぞれの作品を担当している。

©︎2018 Cinelou Films

1本目は、アレハンドロ・ブルゲスが手がけた『The Thing in the Woods』(森の中の物体X)
殺人鬼に追われている主人公という、クラシックスプラッターのクライマックスのような状態で突如始まる物語が急展開し、タイトルを回収するような流れになるのが面白く、短編映画として綺麗に纏まっている作品で、以降の作品にも期待が高まる1本となる。

2本目、ジョー・ダンテの『Mirari』と続き、こちらは所謂「人怖系」の内容となっており1本目とは毛色の異なるテイストに監督の個性を感じる。
2本目終了時点で、ミッキー・ローク演じる映写技術士の謎の男が登場し、以降作品間の幕間に姿を見せる。

©︎2018 Cinelou Films

『マスターズ・オブ・ホラー』におけるミッキー・ロークが「世にも奇妙な物語」のタモリと同じポジションで、全体的な話の温度感というかクオリティも「世にも奇妙な物語」感が非常に強い。
どこかB級感漂うテイストや、有名作のパロディ、荒唐無稽なギャグ…と全体的に「世にも奇妙な物語」っぽい雰囲気で、つまみ食いにちょうど良いような映画になっている。

今回特に紹介したいのが、本作におけるややおふざけポジションの作品『MASHIT』

©︎2018 Cinelou Films

監督したのは『あずみ(2003)』やゴジラ 『FINAL WARS(2004)』を監督した北村龍平
アクション監督としてのイメージが強い北村監督。本作でもアクションが強めに発揮されている。
あらすじとしては、カトリック系の学校を舞台に、生徒に取り付く悪魔(MASHIT)を払おうとする神父の姿が描かれる物語。
話としてはシリアスな雰囲気で進行するものの、ツッコミどころは多く…
悪魔に取り憑かれた少女に触れようとする女生徒が尋常じゃない勢いで吹っ飛ぶ

©︎2018 Cinelou Films
ぜひ映像でみてほしいポイント

めっちゃ吹っ飛ぶ!

なぜここをアクション的な見せ場にした!?

また、そもそも悪魔が出てくる原因が、神父がシスターとしばしばセックスしてるからであり、『死霊のはらわたリターンズ』で死霊が解き放たれたくだりを彷彿とさせる。

©︎2018 Cinelou Films

終盤も、悪魔に取り憑かれた子供たちを物理的に撃退する「それで良いのか!?」という展開になり、お腹いっぱいになれる作品。

国内での公開当時「ロッテン・トマトで“92%Fresh”を獲得したこと」を売りにしたPRを行なっていた作品だが、名作ホラーのオマージュをそれぞれの監督の個性をミックスして昇華させたような作品群のため、全ての作品というより一つ、二つ監督の個性や作品のクセがハマるものがあるかもしれない。

NETFLIXにて11/1より配信開始された本作、参加監督の中に好みの監督がいる場合、他の監督との色の違いを楽しみながら鑑賞できるだろう。

カテゴリー