『心霊写真部 劇場版』
「霧塚タワー」「鳴く女」などで知られる福谷修のホラー小説を基にしたオリジナルビデオシリーズ『心霊写真部』の劇場版であり、続編ではあるが冒頭に概要の説明が入るので劇場版からいきなり観ても問題ない。


本作は、ビデオシリーズとは一部キャストが変更になり、主人公の佳夕(かゆ)を『仮面ライダーウィザード』でコヨミ役を演じた奥仲麻琴が演じた。
加えて、映画オリジナルのキャラとして『仮面ライダーゴースト』でカノン、現在『魔進戦隊キラメイジャー』にて小夜を演じる工藤 美桜が担当するキャラクターが登場する。
心霊写真部の部長である牧村 要はビデオシリーズからの続投で、『特捜戦隊デカレンジャー』でセンちゃんを演じた伊藤陽佑が担当している。
以上のように、東映特撮作品を通っている方だと馴染み深い役者陣が集結しており、監督は今年話題となった『真・鮫島事件』の永江二朗が務めた。
本作の特徴、『心霊写真部』≒「痙攣部」
劇場版に限らず『心霊写真部』シリーズの特徴としてファンに愛されているのが「痙攣」要素である。


本作は、霊的な現象が発生する際に人が激しく痙攣するのが特徴で、劇場版でも「エンジェルさん(コックリさんの亜種)」を行った際におかしくなった部員が痙攣を披露してくれる。
その他にも劇場版ならではの痙攣シーンがあるので実際に観て確かめよう。


また、痙攣描写もさることながら、登場人物の耐久力が異常に高く、ナイフが深々と刺さりながらも冷静に「多分抜かない方が良い」と冷静に対処するなど、高校生離れした耐久力と判断力が描写される。
そのような特殊なキャラクター描写がシュールな笑いを生み、熱狂的なファンが多いのが『心霊写真部』シリーズの特徴である。
オリジナルビデオリリース当初の2010年にはあまり話題になることがなく、当初全12話の予定だったものの、六話(DVD2作)で打ち切りとなってしまったが、2011年のニコ生ホラー上映会(百物語)での配信以降、本作の特異性が認識されニコ生を中心に広くホラーファンに知られるようになっていった。
ある種のブームの甲斐もあって、劇場版とリブート版が制作され、劇場版にはニコ生で取られたアンケートの結果を反映した部長(伊藤陽佑)のシャワーシーンが挿入されるなど、製作陣とファンが共に作り上げていったような作品でもある。


劇場版で心霊写真部の魅力を感じた方には、オリジナルビデオ版も観ていただきたいが、DVD『壱限目』『弐限目』共に廃盤で、配信もされていないため視聴難易度が高いのが残念だ。
劇場版の後にリリースされたリブート版では、『コワすぎ!』からセリフとBGMを引用したパロディ要素があり、作風としてもやや通じる部分があると思うので『コワすぎ!』をはじめとした白石晃士監督作品のファンの方にもオススメのシリーズである。
特異な描写にツッコミを入れながら面白さを共有するような視聴法にマッチしたことで人気を博した経緯もある本シリーズ、劇場版も同様に力を抜いて誰かと観た方が楽しめるかもしれない。
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